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風間グランパス3年目。“質実剛健”の補強で優勝争いに名乗り【J1戦力分析/名古屋編】

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    ❏期待度(A・B・Cの3段階評価)

    ■シーズンの期待度:A
    むしろ期待しかない

    ■戦力の期待度:A
    実力者を獲得し大幅アップ

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  • 2019-01-11-nagoya-yoshida.jpg©J.LEAGUE

    ❏新加入選手

    ジョアン・シミッチ(2月6日)
    [←リオ・アヴェFC(ポルトガル)/完全移籍]

    吉田豊(1月13日)
    [←鳥栖/完全移籍]

    赤﨑秀平(1月12日)
    [←川崎F/期限付き]

    米本拓司(1月11日)
    [←FC東京/完全移籍]

    伊藤洋輝(1月9日)
    [←磐田/期限付き]

    マテウス(1月6日)
    [←大宮/完全移籍]

    ガブリエル・シャビエル(12月28日)
    [←クルゼイロEC(ブラジル)/完全移籍]

    松岡ジョナタン(12月26日)
    [←名古屋U-18/新加入]

    千葉和彦(12月25日)
    [←広島/完全移籍]

    杉森考起(12月21日)
    [←町田/復帰]

    宮原和也(12月18日)
    [←広島/完全移籍]

    藤井陽也(12月5日)
    [←名古屋U-18/新加入]

    渡邉柊斗(12月14日)
    [←東海学園大/新加入]

    成瀬竣平(8月8日)
    [←名古屋U-18/新加入]

    相馬勇紀(5月28日)
    [←早稲田大/新加入]

    榎本大輝(3月29日)
    [←東海学園大/新加入]

  • João Felipe Schmidt.jpg©Getty Images

    ❏ポジション別キーマン

    ■GK
    1 ランゲラック

    昨季は全試合にフル出場。楢崎正剛から背番号「1」を受け継いだ絶対的守護神。現役オーストラリア代表で、アジアカップにも出場していた。シュートに対する反応が素晴らしく、前掛かりになりがちなチームを最後尾で支え、ロングフィードで攻撃の起点にもなれるGK。控えの武田洋平や渋谷飛翔も実力的に申し分なく、高レベルの体制が整っている。

    ■DF
    17 丸山祐市

    監督から新チームの主将に指名され、本人も「やってみたかったポジション」と快諾。始動からやる気をみなぎらせている。的確なポジショニングとカバーリングはもちろん、左足からの正確なロングフィードもチームの武器として機能し始めた。千葉和彦、吉田豊などの新戦力もすぐに馴染み、DFは激しいポジション争いが繰り広げられている。

    ■MF
    8 ジョアン・シミッチ NEW

    昨季、チームの心臓として欠かせなかったエドゥアルド・ネットが開幕に間に合わないことが濃厚。その中でタイプの似た新外国籍選手ジョアン・シミッチが、どれだけ素早くチーム戦術を理解し、その役を担えるのかが前半戦のカギ。米本拓司のボール奪取力と運動量もチームのアクセントとなり、両サイドの攻撃を活性化させる。

    ■FW
    7 ジョー

    昨季のJ1得点王は、ベスト体重をキープしたまま、しっかりトレーニングを積んで来日。開幕から不安要素はなく、チームを優勝争いに引き上げようと気持ちも昂っている。そのジョーに絡むマテウスも、突破力はリーグ屈指で風間サッカーにも順応している。FW陣の課題はズバリ攻守の切り替え。上位進出のためには守備への貢献も求められる。

  • nagoya-eleven.jpg©Goal

    ❏予想布陣/戦術を読み解く

    風間体制3年目だが、攻撃重視のスタイルは変わらない。ボールを大事に細かくパスをつなぎ、チャンスとなれば多くの人数がペナルティエリアに侵入する。“質実剛健”の補強を経た今季は、キャンプでより一層連携が強化され、パスワークや判断のスピードも速くなった印象だ。

    その分、警戒しないといけないのは相手のカウンター。これまでは選手個々の攻撃特性を生かす分、受け身になった時に人数が足りず、脆さを見せた。前線とDFラインの位置をコンパクトにすること、ミスの連鎖をしないこと、風間監督は特に選手同士の距離間やポジショニングに気を配ることを求めている。

    注目は昨季得点王のジョーだ。より一層マークがきつくなることが予想されるが、ジョーにボールが入ることで攻撃のスイッチがオンになる。決定力の高さは疑いようがなく、少々の不利な体勢でもボールを受ければゴールネットを揺らすイメージと技術はある。今季はベスト体重で来日し「目標は得点王よりもチームのタイトル」と、意欲的に取り組む姿はチームの模範となっている。

    昨季は辛くも最終戦でJ1残留を決めた名古屋だが、上位を目指せる戦力を得たと監督も感じており、ACL出場権獲得、リーグ優勝とより高みを目指す戦いとなる。

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    ❏3つのポイント/その1:チーム内競争の激化

    元ブラジル代表のジョーという昨季の一点豪華主義の補強から、今季は適材適所に実力者を獲得。各ポジションに戦力となる選手が複数いることでチーム内の競争意識が高まった。

    元日本代表の千葉和彦が入ったCBは言うに及ばず、風間体制となった2年間で唯一安泰だった右SBには、高い技術を持ちマルチロールな活躍をする和泉竜司がコンバート。宮原和也と高いレベルでの競争が行われている。

    攻撃陣も昨季、特別指定で大きなインパクトを残した相馬勇紀やドリブルに特長がある榎本大輝などがチームを活性化、16歳でプロ契約し「名古屋の宝」と呼ばれる杉森考起は、キャンプで結果を出し続けている。ケガなどで主力が離脱しても大きく戦力ダウンすることはないはずだ。

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    ❏3つのポイント/その2:表裏一体となる破壊力と脆さ

    風間監督の掲げるサッカーに必要不可欠なものは個人戦術の高さ。密集地域でも確実にボールをコントロールし、相手に怯まない技術の高さが重要になる。主体性を持って攻撃するサッカーは多くの人を魅了しサポーターも増えた。一方で守備への意識は薄くなりがちだ。

    「ボールを持ち続ければ守備をすることはない」と、究極の理想を監督は語るが、キャンプの練習試合では、単純なミスでボールを奪われると、相手のカウンターを浴び失点を重ねた。破壊力に伴うもろさが出たシーンだが、逆に課題が明確となり目指すべき方向性が見えたと監督は言う。とは言っても簡単に解決できる問題ではなく、理想と現実を突き合わせて勝利をつかむ方策を練っていかなければならない。

  • maruyama.jpg©J.LEAGUE

    ❏3つのポイント/その3:チームリーダーの出現と若手の台頭

    昨季限りで楢崎正剛が引退し、玉田圭司(→長崎)や佐藤寿人(→千葉)といったチームの顔が移籍。ピッチ内外でチームをまとめてきた存在が一気にいなくなった。新しい主将には丸山祐市が指名されたが、なにしろ初めての経験。周りでサポートする選手や若手であっても「自分がチームを引っ張っていくんだ」という意識が必要だろう。

    そうした若手の台頭にも期待したい。川崎F時代は小林悠や大島僚太など、実力があれば平然と若手を抜擢してきた風間監督だが、名古屋ではそこまでの選手が出てきていない。実力あるベテラン・中堅たちと切磋琢磨して若手が伸びていくことで、恒久的な強さへとつながるだけに、相馬勇紀や菅原由勢が筆頭候補となるが、若手選手の覚醒が望まれる。

  • 名古屋グランパス

    ❏名古屋の開幕3試合日程

    【第1節】
    2/23(土)
    14:00 鳥栖 vs 名古屋(駅スタ)

    【第2節】
    3/2(土)
    14:00 名古屋 vs C大阪(パロ瑞穂)

    【第3節】
    3/9(土)
    15:00 G大阪 vs 名古屋(パナスタ)

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    ❏J1戦力分析 全18クラブをチェック

    北海道コンサドーレ札幌札幌
    2/12掲載!
    昨季:4位
    ベガルタ仙台仙台
    2/19掲載!
    昨季:11位
    鹿島アントラーズ鹿島
    2/13掲載!
    昨季:3位
    浦和レッズ浦和
    2/12掲載!
    昨季:5位
    FC東京FC東京
    2/19掲載!
    昨季:6位
    川崎フロンターレ川崎F
    2/13掲載!
    昨季:1位
    横浜F・マリノス横浜FM
    2/18掲載!
    昨季:12位
    湘南ベルマーレ湘南
    2/15掲載!
    昨季:13位
    松本山雅FC松本
    2/18掲載!
    昨季:J2 1位
    清水エスパルス清水
    2/20掲載!
    昨季:8位
    ジュビロ磐田磐田
    2/19掲載!
    昨季:16位
    名古屋グランパス名古屋
    2/12掲載!
    昨季:15位
    ガンバ大阪G大阪
    2/20掲載!
    昨季:9位
    セレッソ大阪C大阪
    2/14掲載!
    昨季:7位
    ヴィッセル神戸神戸
    2/14掲載!
    昨季:10位
    サンフレッチェ広島広島
    2/20掲載!
    昨季:2位
    サガン鳥栖鳥栖
    2/15掲載!
    昨季:14位
    大分トリニータ大分
    2/15掲載!
    昨季:J2 2位
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    ❏Jリーグ開幕特集

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