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得点力向上へ実力者補強。4年ぶりのJ1挑戦で志向する『多攻』は輝きを放つか【J1戦力分析/松本編】

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    ❏期待度(A・B・Cの3段階評価)

    ■シーズンの期待度:A
    2度目のJ1挑戦に、ホームタウンの期待値はすでに沸点へと達している

    ■戦力の期待度:B
    実力者を補強したが、J1での実績が少ないだけに不透明な部分もあるか

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    ❏新加入選手

    レアンドロ・ペレイラ(1月15日)
    [←クラブ・ブリュージュ(ベルギー)/完全移籍]

    エドゥアルド(1月11日)
    [←川崎F/完全移籍]

    溝渕雄志(1月8日)
    [←千葉/期限付き]

    杉本太郎(1月8日)
    [←鹿島/完全移籍]

    宮阪政樹(1月7日)
    [←大分/復帰]

    那須川将大(1月7日)
    [←大分/完全移籍]

    塚川孝輝(12月28日)
    [←岡山/完全移籍]

    高橋諒(12月27日)
    [←湘南/完全移籍]

    田中謙吾(12月25日)
    [←長野/完全移籍]

    服部康平(12月20日)
    [←栃木/完全移籍]

    町田也真人(12月17日)
    [←千葉/完全移籍]

    米原秀亮(12月15日)
    [←熊本/完全移籍]

    榎本樹(10月26日)
    [←前橋育英高/新加入]

    大野佑哉(10月11日)
    [←阪南大/新加入]

    山本龍平(9月18日)
    [←四日市中央工業高/新加入]

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    ❏ポジション別キーマン

    GK
    1 守田達弥

    昨季の守護神として、リーグ最少失点に大きく貢献。長身を生かしてのハイボール処理など、最後方で見せる安定感は屈指だ。攻め込まれる時間が長くなると予想される今季も、ゴールにカギをかけることが期待される。また昨季ラスト3試合で先発出場した村山智彦もJ1でゴールマウスを守った経験を持ち、ハイレベルな競争が行われる。

    DF
    44 服部康平 NEW

    橋内優也、飯田真輝、今井智基など昨季の主力陣が残留したディフェンスラインに、新たな逸材が加わった。J2屈指のエアバトラーとして知られた服部康平は、平穏と思われたポジション争いを活性化させる存在だ。セットプレーを得点パターンの一つとしたい松本にとって、その高さと強さは攻撃時においても脅威となるだろう。

    MF
    42 高橋諒 NEW

    昨季のチームに欠かせなかった石原崇兆の移籍は、やはりマイナス。左サイドの定位置争いがゼロからのスタートとなるなか、新加入の高橋諒が頭角を現している。キレのあるドリブルから好機を見出し、高精度のクロスで決定機を創出する。また運動量も豊富で、精力的なアップダウンが求められる松本のチーム戦術も苦にしていない。

    FW
    10 レアンドロ・ペレイラ NEW

    今季の『10番』を託されたレアンドロ・ペレイラは、昨年のブラジル1部リーグで二桁得点を挙げた大型ストライカー。まだ27歳と若いだけに日本サッカーで大きく花開く可能性を秘めており、本人も新天地に素早く馴染もうと懸命だ。また去就の注目されたスピードスターの前田大然も残留し、J1で結果を出そうと気持ちを高めている。

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    ❏予想布陣/戦術を読み解く

    Jリーグ参入後、初となるタイトルを獲得した松本。昨季は満員のスタジアムでJ2優勝シャーレを掲げるという栄誉に浴した。当然ながら反町康治監督は続投し、今季で8年目の指揮を執る。そのため戦術や志向するスタイルなどに大きな変化はなく、『継続プラスアルファ』という流れのなかではチームはシーズンインを迎えている。

    昨季の好成績の要因として挙げられるのは、やはり安定したディフェンスにある。高い位置からのフォアチェックや精力的な上下動など、各ポジションの選手たちが連動しながら労を惜しまずに守備に奔走したからこそのリーグ最少失点といえる。一方で相手ゴール前では決定力を欠く場面も散見され、得点量産とはならなかった。

    その課題を補うため、前線には持ち味の異なるアタッカーを多く招き入れた。レアンドロ・ペレイラ(←クラブ・ブリュージュ/ベルギー)、町田也真人(←千葉)、杉本太郎(←鹿島)らはチャンスメークとフィニッシュワークの両方をこなせる実力派。既存選手も健在だけに、攻撃時のオプションは明らかに増えている。セットプレー、オープンプレー、速攻、遅攻を織り交ぜた『多攻』を目指している指揮官にとっても、戦術の幅の広がる選手構成であることは間違いない。

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    ❏3つのポイント/その1:厳しいポジション争い

    14名の新戦力が加わり、宮阪政樹も期限付き移籍から復帰。昨季から大きくメンバーが入れ替わったことで、チームは新陳代謝の途上にある。昨季の主力選手は概ね残留したうえで新戦力による上積みがされたのだから、チーム力は明らかにアップした。前線から最終ラインまで、各ポジションで激しい定位置争いが繰り広げられるだろう。

    実際に2月9日に行われた大宮とのプレシーズンマッチでは昨季の主軸選手に混じって、L・ペレイラや服部ら新加入戦力も先発起用されている。もちろん、このメンバーが開幕スタメンを約束されたわけではなく、リーグ戦の最中にあっても激しいサバイバルが起こることが予想される。良い意味で指揮官の頭を悩ませるはずだ。

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    ❏3つのポイント/その2:望まれる若手選手の台頭と成長

    J1はリーグ戦と並行してルヴァンカップが開催されるため、今季の松本は過密日程にあってもチームを回せるように各ポジションに2名以上の候補選手を揃えている。厳しい戦いが続くだけに、経験豊富なベテランに頼る機会も多そうだが、昨季に比べて20代前半~中盤の若手や中堅選手が増加している。緩やかな世代交代を図ろうというクラブの狙いが読める選手構成だ。

    塚川孝輝や杉本太郎、米原秀亮など、昨季のJ2においてライバルチームの主力として松本の眼前に立ちはだかった選手たちを完全移籍で獲得している。経験の少ない点は不安要素ともいえるが、伸びしろのある若手たちにチャンスを与えることでさらに飛躍する可能性は充分。榎本樹と山本龍平の高卒ルーキーの台頭にも期待したい。

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    ❏3つのポイント/その3:4年ぶりのJ1のレベルは?

    4年ぶり2度目となる、J1挑戦に臨む松本。初のJ1となった2015シーズンはトップカテゴリー残留を果たすべく最後の最後まで奮闘したが、年間16位という結果に終わっている。当時は彼我の個人能力の差に泣かされた試合が多く、勝ち点を積み重ねることは叶わなかった。

    その経験を生かした選手補強やチーム構築など、ここまでは同じ轍を踏まないための努力は怠っていない。しかし、現在のJ1は数多の世界的名手がプレーするリーグで、4年前に比べてレベルははるかに高まった印象だ。だからこそ求められるのは、時々刻々で自らをアップデートさせていくことで、自壊することだけは避けなければならない。たとえ一敗地に塗れても、再び立ち上がることができるか。

  • 松本山雅FC

    ❏松本の開幕3試合日程

    【第1節】
    2/23(土)
    15:00 磐田 vs 松本(ヤマハ)

    【第2節】
    3/2(土)
    16:00 大分 vs 松本(大銀ド)

    【第3節】
    3/9(土)
    14:00 松本 vs 浦和(サンアル)

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    ❏J1戦力分析 全18クラブをチェック

    北海道コンサドーレ札幌札幌
    2/12掲載!
    昨季:4位
    ベガルタ仙台仙台
    2/19掲載!
    昨季:11位
    鹿島アントラーズ鹿島
    2/13掲載!
    昨季:3位
    浦和レッズ浦和
    2/12掲載!
    昨季:5位
    FC東京FC東京
    2/19掲載!
    昨季:6位
    川崎フロンターレ川崎F
    2/13掲載!
    昨季:1位
    横浜F・マリノス横浜FM
    2/18掲載!
    昨季:12位
    湘南ベルマーレ湘南
    2/15掲載!
    昨季:13位
    松本山雅FC松本
    2/18掲載!
    昨季:J2 1位
    清水エスパルス清水
    2/20掲載!
    昨季:8位
    ジュビロ磐田磐田
    2/19掲載!
    昨季:16位
    名古屋グランパス名古屋
    2/12掲載!
    昨季:15位
    ガンバ大阪G大阪
    2/20掲載!
    昨季:9位
    セレッソ大阪C大阪
    2/14掲載!
    昨季:7位
    ヴィッセル神戸神戸
    2/14掲載!
    昨季:10位
    サンフレッチェ広島広島
    2/20掲載!
    昨季:2位
    サガン鳥栖鳥栖
    2/15掲載!
    昨季:14位
    大分トリニータ大分
    2/15掲載!
    昨季:J2 2位
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    ❏Jリーグ開幕特集

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