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勝つための“変革”を施す。戦力の大幅入れ替えで化学変化は起きるか【J1戦力分析/仙台編】

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    ❏期待度(A・B・Cの3段階評価)

    ■シーズンの期待度:B
    大幅入れ替えの不安と、戦術の幅が広がる期待

    ■戦力の期待度:B
    抜けた選手に匹敵する新戦力を加えるも、戦術理解は未知数

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  • 2019-01-17-hyodo.jpg©J.LEAGUE

    ❏新加入選手

    シマオ・マテ(1月10日)
    [←無所属]

    飯尾竜太朗(1月4日)
    [←長崎/完全移籍]

    道渕諒平(1月4日)
    [←甲府/完全移籍]

    兵藤慎剛(12月29日)
    [←札幌/完全移籍]

    長沢駿(12月29日)
    [←G大阪/完全移籍]

    石原崇兆(12月28日)
    [←松本/完全移籍]

    吉尾海夏(12月28日)
    [←横浜FM/期限付き]

    松下佳貴(12月17日)
    [←神戸/完全移籍]

    田中渉(10月11日)
    [←桐生一高/新加入]

    照山颯人(10月10日)
    [←成立学園高/新加入]

  • sendai01.jpg©J.LEAGUE

    ❏ポジション別キーマン

    ■GK
    1 シュミット・ダニエル

    197センチの長身とリーチの長さを生かしたセービングで、ゴールを守る。視野が広く、正確なフィードを両足から繰り出せる。昨年は日本代表にも選出され、国際Aマッチを経験した。「今までよりチームを引っ張る意識を持って、チームの目標達成のため結果を出したい」と意気込む。タイプの異なる関憲太郎や川浪吾郎との競争はハイレベル。

    DF
    27 大岩一貴

    2016年の加入以来、守備陣の中で存在感を見せ続ける。2017年途中からは3バックの中央を任されるようになり、「声を出し、守備をコントロールすることが一気に増えた」という。強さと速さを兼備する対人守備が武器。スペインなどで実績十分のシマオ・マテが加わりチーム内競争は激しいが、今季も中央でチームの守備を支える構えだ。

    MF
    5 椎橋慧也

    新加入の兵藤慎剛、松下佳貴、ベテランの梁勇基や富田晋伍など先発候補がひしめくボランチのポジションで、4年目の椎橋が台頭している。最終ラインや2列目でもプレーできるが、本職は中盤の底。粘り強い対人守備に、機を見た配球で、攻守両面の柱となりうる選手だ。今季から背番号がプロ入り後はじめての一桁、5番になった。

    FW
    38 長沢駿 NEW

    最前線のターゲットマンとして、活躍が期待される新戦力。192センチの長身から繰り出されるヘディングで直接ゴールを狙うだけでなく、「チームが苦しいときにも、最前線でキープして味方を助けたい」と意気込む。万能型の石原直樹、体の強いハモン・ロペス、高速FWジャーメイン良といった様々なタイプのストライカーと組み、仙台の攻撃の幅を広げる。

  • sendai-eleven.jpg©Goal

    ❏予想布陣/戦術を読み解く

    昨季最後の公式戦である天皇杯決勝・浦和レッズ戦で敗れたのち、渡邉晋監督は「怖れずに、強気でしっかりポジションを取って、相手を食いつかせて、ボールを動かして相手を動かせば、これくらいやることができる」と仙台の築いてきたスタイルへの手ごたえを口にした。

    自分たちと相手の両方の見取り図を把握した上で、効果的な立ち位置に動き、ボールと相手を動かす。その繰り返しからゴールへの道筋を開く。あるいは、相手の攻撃に対してボールを奪いやすい場所を取り、そこに相手を動かして奪い取り、攻撃につなげる。仙台は長い時間をかけ、この幹の部分はそのままに、その時々の傾向や相手のタイプに合わせてフォーメーションや動き方を変えるなどのアップデートを施してきた。

    だが昨季、特に終盤戦では「今までにないほど対策を取られた」(渡邉監督)。あるチームは仙台の大外に蓋をする守備策を徹底し、またあるチームは仙台の中央における攻撃の起点を低い位置に押しこもうと手を尽くした。

    そこで仙台は、今までと同じことをしていては勝てないという危機感をチームで共有し、大きな変化を加えようとしている。昨季の主力だったMF野津田岳人やMF奥埜博亮、DF板倉滉らが抜けたものの、タイプ的に彼らを補完し、追い抜く可能性も秘めた10人を迎え入れた。勝つための“変革”は、今季も[3-4-2-1]を基本としながら柔軟に立ち位置を変える仙台のサッカーをどう発展させるのか。そこに注目したい。

  • 2019-01-10-Levante-Simao Mate(C)Getty Images

    ❏3つのポイント/その1:求められる守備力の向上

    守備が不安定だった昨季、J1で失点数の多さは4位タイの54失点という数字を残している。攻撃に人数をかけられるときはかけるのが仙台の戦い方だが、決して攻撃偏重を目指しているわけではない。渡邉晋監督も今季の始動時に「失点を減らさなければいけない。しかもそれを、ジタバタせずにできるかどうかが大事」と守備力の向上を大きなテーマのひとつに掲げている。

    最終ラインには、パワフルな対人守備が武器で、スペインで名だたるFWとも渡り合ってきたDFシマオ・マテが加わった。その前のゾーンにも、MF兵藤慎剛やMF飯尾竜太朗のように広範囲をカバーして献身的に守れる人材が補強されている。日本代表のシュミットらGK陣も合わせ、強固な守備組織を築きたい。

  • sendai02.jpg©J.LEAGUE

    ❏3つのポイント/その2:ハモン・ロペスの爆発に期待

    帰ってきた大型FWの爆発に期待だ。2014年途中に仙台でJリーグ初挑戦を果たしたFWハモン・ロペスは、もともとは攻撃的MFだったが、FWにコンバートされたことが契機となりJリーグに順応した。

    2016年には自身初のリーグ戦二桁得点を達成。翌年からは柏でプレーしていたが、昨季途中に仙台へ“復帰”した。ただしその年は、約2カ月間無所属だったことによるブランクと負傷に悩まされた。今季はこれまでを越える活躍を誓う。

    筋骨隆々の体でキープや突破をなんなく遂行し、左足や頭から強烈なシュートを打つ。1トップでもシャドーでも力を生かせる選手だ。活躍した2016年も序盤はケガで出遅れていたが、今季はキャンプから順調。背番号も9となり、ゴール量産を予感させる。

  • sendai03.jpg©J.LEAGUE

    ❏3つのポイント/その3:突き上げよ!若手戦力

    2017年にJリーグYBCルヴァンカップでニューヒーロー賞を獲得したFW西村拓真が、昨季は8月までに二桁得点を達成してロシアのCSKAモスクワへ移籍。昨季に川崎Fから期限付き移籍で加入し、活躍したDF板倉滉は、シーズン終了後に欧州へ飛び立った。

    こうした若手選手が仙台で経験を重ね、自信をつけ、成長することで、チーム全体の力も上がり、仙台というクラブの土壌も豊かになる。もちろんベテラン選手たちも中堅年代の選手たちも元気だが、今季も若手選手の突き上げに期待したい。

    中盤の要になりつつあるMF椎橋慧也や、昨季公式戦合計で8得点を記録したFWジャーメイン良、昨季ついにJ1デビューを果たした長身DF常田克人といった、フレッシュな力が仙台に勢いを加える。

  • ベガルタ仙台

    ❏仙台の開幕3試合日程

    【第1節】
    2/23(土)
    14:00 仙台 vs 浦和(ユアスタ)

    【第2節】
    3/2(土)
    13:00 横浜FM vs 仙台(日産ス)

    【第3節】
    3/10(日)
    14:00 仙台 vs 神戸(ユアスタ)

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    ❏J1戦力分析 全18クラブをチェック

    北海道コンサドーレ札幌札幌
    2/12掲載!
    昨季:4位
    ベガルタ仙台仙台
    2/19掲載!
    昨季:11位
    鹿島アントラーズ鹿島
    2/13掲載!
    昨季:3位
    浦和レッズ浦和
    2/12掲載!
    昨季:5位
    FC東京FC東京
    2/19掲載!
    昨季:6位
    川崎フロンターレ川崎F
    2/13掲載!
    昨季:1位
    横浜F・マリノス横浜FM
    2/18掲載!
    昨季:12位
    湘南ベルマーレ湘南
    2/15掲載!
    昨季:13位
    松本山雅FC松本
    2/18掲載!
    昨季:J2 1位
    清水エスパルス清水
    2/20掲載!
    昨季:8位
    ジュビロ磐田磐田
    2/19掲載!
    昨季:16位
    名古屋グランパス名古屋
    2/12掲載!
    昨季:15位
    ガンバ大阪G大阪
    2/20掲載!
    昨季:9位
    セレッソ大阪C大阪
    2/14掲載!
    昨季:7位
    ヴィッセル神戸神戸
    2/14掲載!
    昨季:10位
    サンフレッチェ広島広島
    2/20掲載!
    昨季:2位
    サガン鳥栖鳥栖
    2/15掲載!
    昨季:14位
    大分トリニータ大分
    2/15掲載!
    昨季:J2 2位
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    ❏Jリーグ開幕特集

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