2019-02-15-fctokyo©Masaru Goto

長谷川トーキョー2年目。久保、田川、ジャエル…攻撃力の上積みでファストブレイクを先鋭化【J1戦力分析/FC東京編】

  • tokyo.jpg©J.LEAGUE

    ❏期待度(A・B・Cの3段階評価)

    ■シーズンの期待度:A
    川崎F、鹿島以外に取りこぼさなければACL出場権獲得の可能性はある

    ■戦力の期待度:A
    ジャエルが獲れなければBだったがAに格上げ。ただジャエウ不在でも悪くはない

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  • 2019-02-13-jael.jpg(C) Getty Images

    ❏新加入選手

    ジャエル(2月15日)
    [←グレミオ(ブラジル)/完全移籍]

    ナ・サンホ(1月26日)
    [←光州FC(韓国)/完全移籍]

    田川亨介(1月14日)
    [←鳥栖/完全移籍]

    久保建英(1月12日)
    [←横浜FM/復帰]

    アルトゥール・シルバ(1月12日)
    [←CAヴォトゥポランゲンセ(ブラジル)/期限付き]

    ナッタウット・スクム(1月12日)
    [←バンコクユナイテッドFC(タイ)/期限付き]

    ユ・インス(1月5日)
    [←福岡/復帰]

    児玉剛(1月4日)
    [←山形/完全移籍]

    宮崎幾笑(12月30日)
    [←新潟/完全移籍]

    ディエゴ・オリヴェイラ(12月6日)
    [←柏/完全移籍]

    中村拓海 (11月22日)
    [←東福岡高/新加入]

    渡辺剛 (7月19日)
    [←中央大/新加入]

  • 2019-02-15-fctokyo-diego-oliveila©J.LEAGUE

    ❏ポジション別キーマン

    ■GK
    33 林彰洋

    過去2年間は負傷などをきっかけに不調に陥る波があった林彰洋。今季は安定性を加味してタイトル獲得と同時に代表復帰を狙いたいものだ。廣末陸のレノファ山口への育成型期限付き移籍によって3人体制となったGK陣だが、いざとなればFC東京U-18の野澤大志ブランドンを引き上げられるため不安はない。確実に伸びている若手の波多野豪、モンテディオ山形から完全移籍の児玉剛も控えてほぼ盤石の体制。

    DF
    3 森重真人

    センターバックの第一候補は森重真人とチャン・ヒョンスになるが、丹羽大輝と渡辺剛も好パフォーマンスを示している。さらに調子を上げてレギュラー奪取を狙う勢いを醸し出せるかに注目したい。左サイドバックでは小川諒也が一歩リードも、高精度のプレースキックを持つ太田宏介とは横一線。右サイドバックの室屋成を脅かす存在が出てくるかどうかだけが未知数の最終ラインとなった。

    MF
    10 東慶悟

    トータルバランスに優れた東慶悟が10番を得てチームをけん引する。大森晃太郎も同様のタイプだが得点力の上積みを優先してか、もう一方のサイドハーフは久保建英が担う可能性が高くなってきた。ボランチは今季も髙萩洋次郎と橋本拳人が軸となるものの、平川怜と品田愛斗の挑戦者精神は侮れない。ベテラン勢からポジションを奪う姿勢を見せ、活性化させたい。

    FW
    9 ディエゴ・オリヴェイラ

    キャンプの練習試合で優れた決定力を証明したディエゴ・オリヴェイラが主軸。パートナーには田川亨介が浮上したが他の選手も結果を残しており、予断を許さない。ユ・インスがサイドではなくFWでも起用される可能性がある一方、ナ・サンホは主にサイドで点を獲る役回りとなりそう。新加入のジャエルに耳目が集まるが、矢島輝一、原大智もポストプレーや高さで対抗し、存在感を示したいところ。

  • 2019-02-19-fctokyo-eleven©Goal

    ❏予想布陣/戦術を読み解く

    長谷川健太監督が浸透させたファストブレイクにさらに磨きをかけ、新シーズンも基本的な戦い方は変わらない。

    特に後方のディフェンスに安定感があり、前方に速い選手が増えたことから、ボールを奪ったら素早く切り換え、トップスピードに乗ったまま相手ゴールにシュートを突き刺す――というサッカーがますます先鋭化していくだろうと予想される。守備面では久保建英が穴になるのではないかと心配する向きもあるかもしれないが、フィジカルが強くなったうえに個での守備能力が伸び、戦術面でも練習試合を通して修正を図ってきていることから、大きな不安はない。

    ディエゴ・オリヴェイラ以外にも推進力のある選手が多く、90分間を通して高速突破状態を維持しうる可能性も出てきた。昨年よりも長い時間、速攻で相手を苦しめることができれば、その分勝率も高まるのではないか。加えてナ・サンホが途中から出場すれば、サイドにフォワードが一枚増えたのと同じで、攻撃力はさらに増す。また久保の復帰やジャエルの獲得によって縦への突破一辺倒ではなく攻撃に変化をつけることができるため、主体的にボールを握っての崩しも強化された。爆発的な得点力が実現すれば悲願の優勝は近い。

  • 2019-02-19-takefusa-kubo©J.LEAGUE

    ❏3つのポイント/その1:新戦力の融合

    昨シーズンの先発メンバーをすべて残留させた結果、質の高い守備をベースに攻撃力を上積みするという設計で戦力を計算できることになった。

    具体的には、期限付き移籍から復帰した久保建英、新加入の田川亨介とナ・サンホが加わった分が純粋なプラスになっている。昨年の久保はいろいろな点で監督の要求やチームのスタイルと噛み合わなかったが、フィジカルの成長と考え方の軟化によって急速に適合していて問題なし。

    田川はシンプルな飛び出しが持ち味で、もともとFC東京のスタイルに適している。ナ・サンホにも戦術的な問題はなく、連係を阻害する要因があるとすれば言葉の壁だけ。攻撃力の高い3人が早期になじむことで、ジャエルのフィットを待たず、開幕ダッシュを狙える態勢が整いつつある。

  • 2019-02-19-fctokyo-muroya©J.LEAGUE

    ❏3つのポイント/その2:サイドバック

    右サイドバックは飛び抜けたレギュラーを実力の近い二番手が追う構図ではなく、ある意味計算がしにくいポジションになっている。柳貴博がモンテディオ山形へ期限付き移籍をしたため中村拓海がバックアップ要員の候補となるが、場合によっては岡崎慎やアルトゥールがその役を務めることもある。ここの質をいかに安定させていくかがポイントになりそうだ。

    一方、左は太田宏介と小川諒也の併用という状態が変わりそうにない。一見、実力の近い二人が揃っていてよさそうに映るが、小川が伸びなければ競争の水準が低くなる。ポジション争いを昇華させて実力を向上させないのであれば、両雄が並び立つ意味が薄れるのだ。右も左も、それぞれ違う理由でもやもやする。

  • 2019-02-19-nagasawa-tetsu©J.LEAGUE

    ❏3つのポイント/その3:J3

    実質的なセカンドチームであるFC東京U-23の問題点は、なんと言ってもJ1より二階級下のJ3に縛り付けられているところだ。

    これがリーガ・エスパニョーラであればトーキョーBがラ・リーガ ドスに昇格! という歓喜もありうるが、昇格も降格もないことからモチベーションを保つことが難しい。2種登録で出場するFC東京U-18の選手にとっては貴重な経験の場であっても、トップチームの選手にとってはそうも言っていられない。J3で結果を残しながらトップのメンバー入りを狙い続けられるよう、いかに選手を伸ばしていくかが問われる。

    今季から復帰した長澤徹トップチームコーチ兼FC東京U-23監督がJ3のメンバーをどう励ましていくのか、その手腕に注目していきたい。

  • FC東京

    ❏FC東京の開幕3試合日程

    【第1節】
    2/23(土)
    14:00 川崎F vs FC東京(等々力)

    【第2節】
    3/2(土)
    16:00 湘南 vs FC東京(BMWス)

    【第3節】
    3/10(日)
    14:00 FC東京 vs 鳥栖(味スタ)

  • jleague-kaimaku.jpg©J.LEAGUE

    ❏J1戦力分析 全18クラブをチェック

    北海道コンサドーレ札幌札幌
    2/12掲載!
    昨季:4位
    ベガルタ仙台仙台
    2/19掲載!
    昨季:11位
    鹿島アントラーズ鹿島
    2/13掲載!
    昨季:3位
    浦和レッズ浦和
    2/12掲載!
    昨季:5位
    FC東京FC東京
    2/19掲載!
    昨季:6位
    川崎フロンターレ川崎F
    2/13掲載!
    昨季:1位
    横浜F・マリノス横浜FM
    2/18掲載!
    昨季:12位
    湘南ベルマーレ湘南
    2/15掲載!
    昨季:13位
    松本山雅FC松本
    2/18掲載!
    昨季:J2 1位
    清水エスパルス清水
    2/20掲載!
    昨季:8位
    ジュビロ磐田磐田
    2/19掲載!
    昨季:16位
    名古屋グランパス名古屋
    2/12掲載!
    昨季:15位
    ガンバ大阪G大阪
    2/20掲載!
    昨季:9位
    セレッソ大阪C大阪
    2/14掲載!
    昨季:7位
    ヴィッセル神戸神戸
    2/14掲載!
    昨季:10位
    サンフレッチェ広島広島
    2/20掲載!
    昨季:2位
    サガン鳥栖鳥栖
    2/15掲載!
    昨季:14位
    大分トリニータ大分
    2/15掲載!
    昨季:J2 2位
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