フロントの本気度がうかがえる大胆補強。目標は11年ぶりのトップ5【J1戦力分析／清水編】

■シーズンの期待度：B
ドウグラスの回復次第ではAにもなるが…

■戦力の期待度：A
新ブラジル籍助っ人3人はフロントの本気度の現れ

ヘナト・アウグスト（1月30日）
［←SEパルメイラス（ブラジル）／完全移籍］

ヴァンデルソン（1月10日）
［←アトレチコ・パラナエンセ（ブラジル）／期限付き］

エウシーニョ（1月10日）
［←川崎F／完全移籍］

高木和徹（12月29日）
［←千葉／復帰］

中村慶太（12月28日）
［←長崎／完全移籍］

梅田透吾（10月31日）
［←清水ユース／新加入］

西澤健太（10月13日）
［←筑波大／新加入］

■GK
13 六反勇治
17年からリーグ戦全試合フル出場を続けている守護神。あと2試合出場でJ1通算300試合出場となるベテラン西部洋平とハイレベルな争いを続けている。188センチと大柄ながら俊敏な動きで、ファインセーブを連発する『DAZN週間ベスト5セーブ』の常連。昨季、第33節・神戸戦ではアディショナルタイムにCKから劇的な同点ゴールを叩き込んだ。

DF
2 立田悠悟
今季、東京五輪世代の若きDFが、清水のディフェンスリーダーを狙う。昨季はケガが相次いだ右SBに大抜擢されると、慣れないポジションながら期待以上の活躍。開幕戦でリーグデビューを果たすと、2節の神戸戦では初ゴールも記録した。これまで“過少申告”していた身長も本来の191センチに改め、世界クラスのDFになることを誓う。

MF
30 金子翔太
右MFにコンバートされると、才能が開花。フィールドプレーヤーでは唯一リーグ全試合に出場。これまで注目されていた前線での守備に加え、元々持っていた得点感覚を存分に発揮した。小柄だが、細かい動きとゴール前の落ち着き、シュートの上手さがある。昨季は、最終節で目標の二桁得点に到達。今季はそれ以上を狙う。

FW
23 北川航也
昨季J1得点ランクで日本人3位の13得点を記録。中でも、第29節の静岡ダービーでは2得点を記録し、その勢いで日本代表にも選出された。代表ではアジアカップにも出場するが、5試合で無得点など、未だ代表初ゴールを成し遂げられていない。今季は「前半戦で10ゴール以上」を決めて誰もが認める代表へ、返り咲きを目指す。

得点力ではリーグ1位の川崎Fまであと1点に迫る2位タイだった清水の攻撃陣だが、その攻撃の柱となったドウグラスが不整脈の症状を訴え療養中。FWは日本代表の北川航也は当確として、その相方が誰になるのか、また1トップで乗り切るのかというところになる。ただ、右サイドにエウシーニョが加わったことで新たな攻撃の起点として見通しが立つため、チャンスの数自体は昨季以上に増えるかもしれない。攻撃への期待は依然高い。

一方、ヤン・ヨンソン監督が「堅固な守備を作っていかなければいけない」と何度も発するように、守備の立て直しは早急の課題だ。そこを克服すべく補強したヴァンデルソンは大当たりの予感。加入直後からアジャストしており、キャンプではフィジカルの強さに加えスピードで相手を封じる場面が見られた。

開幕前最後の練習試合となった16日の甲府戦に体調不良で出場できなかったことが気がかりだが、出場すれば力を発揮してくれるだろう。ヘナト・アウグストも来日直後は戸惑うことも多かったが、最近では表情にも余裕が見られるなど徐々にフィットしてきている様子。ブラジルの名門パルメイラスでのプレー経験もあるボランチは、中盤での潰し役として期待が高まる。

強力な新戦力を迎え、より選手層が厚くなった清水のヨンソン体制2年目が始まる。

ブラジル籍選手の補強が進み、近年稀にみる強力布陣を夢見た、その矢先だった。ドウグラスが不整脈の症状を訴え、ブラジルに一時帰国。昨季、わずか15試合の出場で11ゴールを挙げ、チームの浮上の原動力になった。その彼の不在は、大きな痛手となることは間違いない。

今月15日に再来日し、17日にはチームの全体練習の横で、ゆっくりとウォーキングをする姿が見られた。幸い症状は深刻ではなく、カテーテル治療は不要というドクターの判断から、今月中は投薬治療により経過を観察する。「大好きなサッカーができないという苦しい思いをしているが、戻ってきた時に、一回り大きくなっているようにしたい」と来月から練習の再開を目指している。

鹿児島キャンプ終盤に試した新布陣。エウシーニョの攻撃能力を生かし、CBのファン・ソッコ、立田悠悟、ヴァンデルソンを余すことなく使えるなど、現戦力をフル活用するフォーメーションとして期待されている。キャンプ最後の練習試合となったFCソウル戦の前半20分からお披露目になった。

だが、初めからすべてが上手くはいかず、ポジション取りに戸惑う選手が続出するなど、連携面での課題も多く残った。そこから修正を続け、非公開で行われた練習試合・甲府戦でもトライした模様。ヤン・ヨンソン監督も試合後に満足げな表情を浮かべ、「良い経験になった」と話している。3バックは「オプションの一つ」と慎重な姿勢を崩さないが、開幕戦で上手くハマればシーズンを通して力を発揮するフォーメーションになるかもしれない。

昨シーズン途中に急逝した久米一正前GMは、昨季の新体制発表会見の中で、チームの目標とは別に「常にベスト5に入っていかない限り、優勝の神様は下りてこない」と熱弁していた。そう話していたのは、前年J1昇格から1年目、最終節で神戸に勝利し辛くもJ1残留を果たしたときからであった。

この久米氏の発言には当初、多くが懐疑的だったが、昨季終盤の7戦負け無しで、そこを狙える位置まで迫った。最終的には8位でチームの目標である一桁順位を達成。次のステップとして、久米氏の意思を継ぐ大榎克己GMも「トップ5」を今季の目標として宣言した。そのための補強も行うなど態勢は整いつつあり、08年以来11年ぶりの5位以内も夢ではない。

【第1節】
2/23（土）
14:00 広島 vs 清水（Eスタ）

【第2節】
3/2（土）
14:00 清水 vs G大阪（アイスタ）

【第3節】
3/9（土）
14:00 札幌 vs 清水（札幌ド）

試合日程、戦力分析など新シーズンに向けたコンテンツを随時更新！

新時代の幕開けだ！2019 Jリーグ開幕特集

#コトシハJガハンパナイ～清水のハンパナイは…？
目標はトップ5。本気の大胆補強で11年ぶりの躍進目指す

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