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リーグ戦とACLの二兎を追うオリヴェイラ・レッズ。世代交代が躍進のカギに【J1戦力分析/浦和編】

  • urawa.jpg©J.LEAGUE

    ❏期待度(A・B・Cの3段階評価)

    ■シーズンの期待度:B
    オーソドックスな戦いで勝ちきれるか

    ■戦力の期待度:B
    ピンポイントの補強も世代交代できるかが未知数

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  • 2018-12-19-suzuki(C)J.LEAGUE

    ❏新加入選手

    エヴェルトン(1月12日)
    [←FCポルト(ポルトガル)/期限付き]

    山中亮輔(1月10日)
    [←横浜FM/完全移籍]

    汰木康也(12月22日)
    [←山形/完全移籍]

    鈴木大輔(12月19日)
    [←柏/完全移籍]

    杉本健勇(12月18日)
    [←C大阪/完全移籍]

    池高暢希(12月10日)
    [←浦和ユース/新加入]

    石井僚(12月10日)
    [←浦和ユース/新加入]

    大城蛍(12月10日)
    [←浦和ユース/新加入]

    岩武克弥 (4月12日)
    [←明治大/新加入]

  • 2019_1_12_Ewerton(C)Getty Images

    ❏ポジション別キーマン

    ■GK
    1 西川周作

    2014年にサンフレッチェ広島から浦和レッズへ移籍して以降、一貫してチームの守護神を務めてきた絶対的存在。ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督体制時はビルドアップの起点としても尽力して攻撃面に積極的に関与したが、現在のオズワルド・オリヴェイラ監督体制では守備に注力し、機敏なセービングでチームのピンチを救う。

    ■DF
    5 槙野智章

    オズワルド・オリヴェイラ監督は現状、3バックを採用し、キャンプでは昨季から続いてリベロにマウリシオ・アントニオ、右ストッパーの岩波拓也、そして左ストッパーに日本代表の槙野智章を据えている。しかし今季は柏レイソルから鈴木大輔を獲得し、阿部勇樹、森脇良太らの経験豊富な選手たちも控えているため、活発なチーム内競争が勃発するだろう。

    ■MF
    8 エヴェルトン NEW

    中盤のシステムはアンカー、両サイドアタッカー、ダブルインサイドハーフの構成が濃厚だ。ただしアンカーのレギュラー候補である青木拓矢が負傷リハビリ中のため、開幕に間に合うかどうかは微妙だ。その場合、新外国人のエヴェルトンが中盤の底を任されるだろうが、連係面で不備が生じるかもしれない。左サイドは宇賀神友弥と新加入の山中亮輔がレギュラーを争うだろうが、オリヴェイラ監督は宇賀神を右にコンバートし、橋岡大樹、山中の3人でサイドポジションをローテーションする可能性も示唆している。

    ■FW
    14 杉本健勇 NEW

    昨季までの実績を踏まえれば興梠慎三と武藤雄樹の2トップコンビが適任だが、昨季終盤に負傷した武藤がリハビリからのスタートでキャンプでは別メニュー調整を強いられ、ファブリシオも左膝前十字靭帯損傷、内側半月板損傷で出遅れている。そんな中、キャンプの実戦メニューでは興梠と新加入の杉本がコンビを組んでおり、共にターゲットマン、フィニッシャーとしての能力が高いことから、Jリーグでも屈指の2トップとして台頭するかもしれない。

  • urawa-eleven.jpg©Goal

    ❏予想布陣/戦術を読み解く

    オズワルド・オリヴェイラ監督は昨季途中から3バック、アンカー、両サイドアタッカー、ダブルインサイドハーフ、2トップで構成する3-3-2-2を採用していて、今年の1月中旬から2月上旬にかけて実施した沖縄県金武町のキャンプでも同システムでトレーニングを重ねた。

    本来、オリヴェイラ監督は4-4-2を主戦システムとする指揮官で、シーズンに入って各選手のポテンシャルを見極めた時点でシステムを変更する可能性もある。特に新戦力のFW杉本健勇、MFエヴェルトン、MF山中亮輔、DF鈴木大輔らの新レギュラー候補がチームに上手くフィットすればオリヴェイラ監督としても新たな構想に着手できるはずで、まずは彼らの能力把握に努めるだろう。

    ただ、どんなシステムを採用したとしても、オリヴェイラ監督の掲げるチームコンセプトは不変だ。それはプレーインテンシティの高い堅守速攻。キャンプでは一貫して球際への勝負に拘り、高速攻守転換から一気に相手ゴールへ向かうダイレクトプレーの徹底が施されていた。

    また今の時期から入念にセットプレーの反復練習を行っている点も特徴的で、CK、FKだけでなく自陣からのGK、スローインと、あらゆるリスタートのシチュエーションから相手ゴールに襲いかかる訓練を施している。また、そのセットプレーで能力を発揮できる選手としてプレスキッカーに左利きの柏木陽介、山中らが控え、ターゲットマンにはFWの興梠、杉本、DFのマウリシオ・アントニオ、槙野智章、岩波拓也、鈴木ら、多士済々の面々が揃っているのも強みだ。

  • urawa03.jpg©Hidezumi Shimazaki

    ❏3つのポイント/その1:実戦感覚への懸念

    沖縄でのキャンプでは一次、二次を併せてトレーニングマッチをわずか1試合しか組まなかった。その理由として、オズワルド・オリヴェイラ監督は「今ある時間を練習に使いたいと思います。練習で勝っても勝ち点3を得ることはできません。1年で70試合プレーできますので、90分の練習試合はやらなくてもいいと思っています」と語り、あくまでも公式戦の中で徐々にチーム力を高める手法を採る意向を示している。ただ、実戦感覚についてはやはり懸念があり、選手たちも少々不安を抱いている様子だ。その結果、シーズン序盤は勝ち星が伸び悩むかもしれない。

  • kenyu.jpg©J.LEAGUE

    ❏3つのポイント/その2:新戦力の立ち位置

    キャンプでは新戦力のMFエヴェルトン、FW杉本健勇らがレギュラー組でプレーしたが、それはMF青木拓矢、FW武藤雄樹の二人が負傷でリハビリを強いられていたからでもある。その他は昨季のレギュラー陣が引き続き主力として評価されていて、これが公式戦開幕と共にどのように様相が変化するかが気になる。

    今季の浦和はリーグ戦に加えて2年ぶりにAFCチャンピオンズリーグにも出場するため、厳しいスケジュールの中で二兎を追う戦いを強いられるだけに、ターンオーバーを選択する状況は必ず訪れるだろう。そうなれば新たな戦力として獲得したMF山中亮輔、DF鈴木大輔、また将来性を見込まれてモンテディオ山形から加わったMF汰木康也らの台頭が求められるだけでなく、昨季は主力になりきれなかった外国人選手のFWアンドリュー・ナバウト、MFマルティノスらの奮起も必須となるだろう。

  • urawa01.jpg©J.LEAGUE

    ❏3つのポイント/その3:世代交代と変革のとき

    これまでチームの屋台骨として尽力してきた選手たちに代わり、チームの中軸として活躍できる選手の出現が待望される。特にセンターラインに君臨するGK西川周作、DF槙野智章、MF柏木陽介、FW興梠慎三の4人は代えが利かず、彼らが不在となるとチーム全体のレベルが著しく落ちるのが気がかりだ。

    特に柏木、興梠のふたりは慢性的なケガに悩まされており、昨季も欠場を強いられたり、試合によってプレーパフォーマンスの質が異なることがあった。チームは常に移り変わりを模索せねばならず、今の浦和は間違いなく世代交代の時期に差し掛かっている。チーム構築と結果の両輪を追い求めるのは困難であることを承知の上で、クラブ体制も変化した浦和は正真正銘、変革の時を迎え、それを乗り越えねばならない重要なタスクを抱えている。

  • 浦和レッズ

    ❏浦和の開幕3試合日程

    【第1節】
    2/23(土)
    14:00 仙台 vs 浦和(ユアスタ)

    【第2節】
    3/2(土)
    16:00 浦和 vs 札幌(埼玉)

    【第3節】
    3/9(土)
    14:00 松本 vs 浦和(サンアル)

  • jleague-kaimaku.jpg©J.LEAGUE

    ❏J1戦力分析 全18クラブをチェック

    北海道コンサドーレ札幌札幌
    2/12掲載!
    昨季:4位
    ベガルタ仙台仙台
    2/19掲載!
    昨季:11位
    鹿島アントラーズ鹿島
    2/13掲載!
    昨季:3位
    浦和レッズ浦和
    2/12掲載!
    昨季:5位
    FC東京FC東京
    2/19掲載!
    昨季:6位
    川崎フロンターレ川崎F
    2/13掲載!
    昨季:1位
    横浜F・マリノス横浜FM
    2/18掲載!
    昨季:12位
    湘南ベルマーレ湘南
    2/15掲載!
    昨季:13位
    松本山雅FC松本
    2/18掲載!
    昨季:J2 1位
    清水エスパルス清水
    2/20掲載!
    昨季:8位
    ジュビロ磐田磐田
    2/19掲載!
    昨季:16位
    名古屋グランパス名古屋
    2/12掲載!
    昨季:15位
    ガンバ大阪G大阪
    2/20掲載!
    昨季:9位
    セレッソ大阪C大阪
    2/14掲載!
    昨季:7位
    ヴィッセル神戸神戸
    2/14掲載!
    昨季:10位
    サンフレッチェ広島広島
    2/20掲載!
    昨季:2位
    サガン鳥栖鳥栖
    2/15掲載!
    昨季:14位
    大分トリニータ大分
    2/15掲載!
    昨季:J2 2位
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