積極補強で多彩な顔ぶれに。志向する「加速」が見出した確かな道筋【J1戦力分析／湘南編】

■シーズンの期待度：A
彼らの挑戦にワクワクする

■戦力の期待度：A
「加速」を実現する個性が粒ぞろい

ラファエル・デュマス（1月10日）
［←CRフラメンゴ（ブラジル）／完全移籍］

柴田壮介（1月4日）
［←湘南U-18／新加入］

古林将太（12月28日）
［←仙台／完全移籍］

クラウディオ・ソウザ・ジ・ジェズス（12月28日）
［←アトレチコMG（ブラジル）／完全移籍］

小野田将人（12月28日）
［←今治／期限付き］

中川寛斗（12月26日）
［←柏／期限付き］

秋野央樹（12月26日）
［←柏／完全移籍］

指宿洋史（12月23日）
［←千葉／完全移籍］

武富孝介（12月23日）
［←浦和／期限付き］

岡本拓也（12月23日）
［←浦和／完全移籍］

フレイレ（12月23日）
［←清水／完全移籍］

松原修平（12月21日）
［←群馬／完全移籍］

鈴木冬一（10月29日）
［←長崎総合科学大学附属高／新加入］

福島隼斗（9月18日）
［←大津高／新加入］

大橋祐紀（6月20日）
［←中央大／新加入］

■GK
1 秋元陽太
鋭いシュートストップ、的確なコーチング、磨きをかけるビルドアップと、その存在感の大きさは誰もが認めるところだろう。もちろん、多彩なキックで攻撃のリズムを促す富居大樹をはじめ、生え抜きの真田幸太と新加入の松原修平も厳しいトレーニングに食らいついている。GKチームの結束が、背番号1の活躍の背景にある。

DF
8 大野和成
チームに復帰して2年目の今季、初めてキャプテンを託された。敏い気付きとさりげない気配りでチームを支える新主将は、ピッチでもハイラインを牽引し、仲間を動かしながら、スピードと球際の強さをもって自らピンチを摘み取る。山根視来や坂圭祐のほか、新たに加わった若き才能たちの伸びしろにも期待したいDF陣だ。

MF
16 齊藤未月
トルコキャンプで組まれたトレーニングマッチでは、屈強な欧州勢を相手に持ち前の強さを発揮して幾度もボールを奪い、また攻撃面にも意欲的に取り組んでいる。その齊藤未月や同じくボランチの金子大毅、左サイドを担う杉岡大暉など成長著しい東京五輪世代をはじめ、湘南の中盤には攻守を加速させるメンバーが集う。

FW
14 中川寛斗 NEW
ハードワークをベースとする予測と動き出しで加速的なサッカーを活性化させ、得点にも絡むなど縦横無尽に存在感を放つ。その中川寛斗と同じく5シーズンぶりに復帰した武富孝介やシュートスキルに優れる指宿洋史ら新加入選手を含め、前線には多彩な個性がひしめく。組み合わせによるさまざまなバリエーションが期待される。

予測と準備、個々の動き出しと組織としての連動をもって、攻守に相手の先を取る。今季掲げるスローガン「Acceleration－加速―」は、トレーニングや練習試合を通じてピッチに示されている。

先日打ち上げたトルコキャンプでは、曺貴裁監督の指揮のもと、頭と体を休みなく働かせることが求められるメニューに取り組み、また欧州勢とのタフなトレーニングマッチを重ねた。実戦では果たしてトレーニングの成果が随所に表れている。持ち前の走力をベースに、とりわけオフ・ザ・ボールの動きが向上し、チームとしての加速がゴールに結ばれるシーンも多く見られた。課題とする得点力の向上にたしかな道筋が見出されつつある。

一方、彼らの志向するサッカーはリスクとのせめぎ合いでもある。攻撃的な姿勢を傾けながら諸刃の剣としないためには、状況判断とリスクマネジメントが欠かせない。くだんのキャンプではその共有もチームとしてなされている。

昨季、走行距離やスプリント回数でリーグ1、2を争ったとおり、走力は彼らのストロングポイントのひとつである。その強みが、今季は予測のもとでさらに活かされるだろう。

もちろん、開幕の時点で到達点が示されるとは思っていない。ただ、相手に先んじて加速し、チーム全体が攻守に連動する彼らのサッカーはきっと、観る者を揺さぶるに違いない。

岡本拓也と杉岡大暉がウイングバックで活躍し、あるいはセンターバックとして山根視来の才が放たれたように、ひもとけば曺監督のもとで個々に幅を広げた例は枚挙にいとまがない。

今季もまたしかりだ。トップ下やシャドーを主戦場としてきた新井光やFWの鈴木国友らがウイングバックでプレーし、柏から完全移籍して今季より背番号17をまとう秋野央樹がセンターバックを務めるなど、キャンプ前に国内で行なわれた練習試合を含めてポリバレントなトライは例年と変わらず続けられている。選手個々の成長を促す試みは、これまで同様新たな可能性を引き出し、あわせてチームの最大値を高めるに違いない。

期限付き移籍から完全移籍に移行したメンバーを含め、15人の選手が今季新たに加わった。多彩な顔触れが集ったチームにあって、言わずもがな競争は激しさを増している。とりわけ目を引くのがFWだ。人数分の特長とともに、さまざまな化学反応が見て取れる。加えて、ポリバレントな起用もまた各ポジションの層を厚くし、競争を喚起している。

その反面、「切磋琢磨するなかでお互い認め合い、成長しようという感覚は、みんなのなかにあると思う」と野田隆之介が語ったように、競うだけでなく、互いに励ましアドバイスを送り合うなど、尊い関係性が築かれている点も見逃せない。チーム力のさらなる向上を確信するゆえんだ。

クラブが志向する「加速」のためには、チーム全体の意識の共有が欠かせない。出し手と受け手はもとより、3人目以降の動き出しが鍵を握る。攻撃の途上で奪われた際の守備への素早い切り替えとそのためのポジショニングもまた重要だ。すなわちプレイヤーはつねに頭を働かせ、予測し、準備していることがあらゆる場面で求められる。

誰かが頭を、足を休めれば、一枚岩の戦いはおぼつかない。裏を返せば、その一体感、チームワークこそが、彼らの最大の強みと言えるだろう。ピッチに立つのみならず、勝利に誰ひとり欠かせないことは、全員がメンバーに係わり、ルヴァンカップ初優勝やJ1残留を勝ち取った昨季の戦いが裏付けている。

【第1節】
2/23（土）
16:00 湘南 vs 札幌（BMWス）

【第2節】
3/2（土）
16:00 湘南 vs FC東京（BMWス）

【第3節】
3/9（土）
16:00 鹿島 vs 湘南（カシマ）

試合日程、戦力分析など新シーズンに向けたコンテンツを随時更新！

新時代の幕開けだ！2019 Jリーグ開幕特集

#コトシハJガハンパナイ～湘南のハンパナイは…？
テーマは「Acceleration－加速―」。新たな挑戦を期するベルマーレ

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