優勝候補の一角フランスのオーバーエイジ(OA)枠の1人であるトヴァン。
2018年ワールドカップ制覇のメンバーでもある同選手は、今夏に新天地をメキシコに移したものの、昨シーズンまで所属したマルセイユでは同じく日本のOA枠で出場する酒井宏樹とチームメイトで見事なコンビネーションを見せていた。
かつては欧州で最も注目される若手の1人と評価され、フランク・リベリーの全盛期を彷彿させるトヴァンを擁するフランスの右サイドからの攻撃は相手チームの脅威になる可能性がある。
幼少期にバルセロナのアカデミーに入団して注目を集めた久保建英。その後、一時は帰国するも順調に成長を続け、2019年夏からレアル・マドリーに所属するなど、世界のフットボール界をリードする2強に在籍した経験を持つ。
昨シーズンはローン移籍先のビジャレアルとヘタフェで本来の輝きこそ放てなかったものの、6月に20歳になった“日本の至宝”にとって、2019年コパ・アメリカに次ぐ日の丸を背負っての2度目の国際大会で、1968年メキシコ五輪の銅メダルを超える成功を日本にもたらすことができるのだろうか。
2012年ロンドン五輪で金メダルを獲得し、2大会ぶりの成功を見据えるたメキシコの守護神を務めるのがオチョア。
フル代表としても114キャップを誇る35歳のベテランGKは、国際大会にめっぽう強く、中でも2014年ワールドカップのブラジル戦では神がかり的なセーブを何度も見せるなど注目を集めた。
2019年ゴールドカップ制覇にも貢献し、ゴールデングローブを獲得した経験豊富なメキシコの絶対守護神は、金メダルを目指すチームの大黒柱だ。同組の日本やフランスがオチョアの牙城を崩すことは簡単なタスクではなさそうだ。
オーバーエイジ枠で招集されたロンウェン・ウィリアムズは、A代表でも守護神を務めており、若き南アフリカをけん引する存在として期待がかかる。
アフリカ予選で主将を務めたテルシウス・マレペとともに、南アフリカを躍進に導くうえで欠かせない人物ダロル。
リヴァスは2016年にイタリアのACプラートに加入。同チームは2014年からインテルとパートナーシップを締結しており、リヴァスは2017年からインテルに在籍。その後ブレシア、テルナーナなどのローン修行を経て、2021年からレッジーナに完全移籍(インテルは買い戻しオプションを保持)。2025年までの契約を結んだ。
すでにホンジュラスA代表でもプレーしており、2019年のパラグアイとの親善試合でデビューしている。
2大会ぶりのオリンピックに出場するニュージーランドのオーバーエイジ(OA)枠の1人として選出されたウッド。
2009年からイングランドに活躍の場を移した同選手は、バーンリーで現在4年間を過ごし、毎シーズン2桁得点を記録する活躍を見せる。今シーズンにはニュージーランド人初のプレミアリーグハットトリックを記録するなどクラブの最優秀選手にも輝いた。
29歳のストライカーは同じくOA枠のウィンストン・リードとともにチームを引っ張り、過去の出場2大会で手にすることができなかった勝利を掴めるのだろうか。
ブライトンからウクライナのディナモ・キエフにローン移籍しているバルツァ。
19歳でルーマニアA代表デビューを果たし、すでにUEFAネーションズリーグにも出場。2019年のU-21欧州選手権でベスト4進出に大きく貢献している。
MF登録だが、191センチの高身長を生かした強靭なフィジカルで最終ラインを務めることも可能。五輪で求められるユーティリティ性を兼ね備えたプレーヤーだ。
ロンドン五輪で銅メダルを獲得した韓国の中で注目されるのがイ・ガンイン。
幼少期にスペインに渡って17歳でバレンシアのファーストチームデビューを飾った同選手は、2019年U-20ワールドカップでチームを準優勝に導き、自身は大会最優秀選手に輝くなど、韓国の将来を背負って立つ選手として期待される。
今シーズンこそバレンシアで出番は限られていたものの、ラ・リーガ24試合で4アシストを記録した20歳の司令塔がタクトを振るう攻撃陣を擁する韓国は9年前に匹敵、さらにそれを凌駕する快進撃を見せられるのだろうか。
スペイン同様にC組の本命とされるアルゼンチンの攻撃陣を牽引するのがガイチ。
昨シーズン途中にCSKAモスクワからセリエAのベネヴェントに期限付きで加入した22歳のストライカーはユヴェントス戦でゴールを挙げるなどの活躍を残す。
190㎝と恵まれた体型を武器に3月のU-24日本代表との親善試合では、その高さを生かしたヘディングでネットを揺らしてチームに勝利をもたらしていた。アルゼンチンには珍しい大型フォワードは、フル代表のコパ・アメリカ制覇に刺激を受け、オリンピックでの金メダルを狙う。
2015年から3年間にわたり清水エスパルスでプレーした経験のある日本でもお馴染みのデューク。
オーストラリアのオーバーエイジ枠としてオリンピックメンバーに最年長として選出された同選手は、6月に行われたワールドカップ予選の3試合で2ゴールを記録するなど調子は上向き。
スペイン、アルゼンチン、エジプトと、格上揃いのグループCの中で、経験豊富な30歳のストライカーは3大会ぶりのオリンピック出場を決めたチームの精神的な支柱としての役割も期待されている。
モハメド・サラーやムスタファ・ムハンマドといった欧州でプレーするスター選手の招集が叶わなかったエジプトだが、心強いオーバーエイジが参戦することとなった。
東京五輪の招集リストに入った30歳のアハメド・ヘガジーは、イタリアのフィオレンティーナやイングランドのウェスト・ブロムウィッチなどでのプレー経験があるセンターバック。2018年のロシアW杯グループリーグ全試合にスタメン出場しており、A代表でも欠かせない存在だ。
“エジプトのネスタ”とも称されるヘガジーが、スター選手不在のエジプトを統率する。
昨シーズンに強豪バルセロナで公式戦52試合に出場するなど大きなインパクトを残したペドリ。
5月にはスペイン代表としてフル代表デビューを飾り、先のEURO2020では18歳にして6試合すべてに先発出場し、チームのベスト4入りに貢献した。
そのプレースタイルからアンドレス・イニエスタを彷彿させ、将来的にラ・ロハの中心選手になることを期待されるペドリは、2019年U-21欧州選手権を制したメンバーが中心の強力な攻撃陣のタクトを振るい、1992年のバルセロナオリンピック以来となる金メダルにチームを導けるのだろうか。
オリンピック連覇を目指すブラジルのオーバーエイジ枠で選出されたのがダニ・アウヴェス。
バルセロナやユヴェントス、パリ・サンジェルマンと長年ヨーロッパのビッグクラブで活躍してきた38歳の同選手は、2019年に帰国してからもサンパウロの10番を背負って活躍を続ける。
フットボール界で史上最もタイトルを獲得した選手としても知られるアウヴェスは、リシャルリソンやガブリエウ・マルティネッリら強力なチームメイトとともに自身にとって44個目のトロフィー獲得を目指す。
昨シーズンから遠藤渓太が所属するウニオン・ベルリンでプレーし、11ゴールをマークしたクルーゼ。
最終節にはRBライプツィヒ相手に劇的な決勝点を奪って所属チームを来シーズンのヨーロッパカップ戦出場に導いた33歳のストライカーは、U-21欧州選手権準優勝に輝いたドイツチームのオーバーエイジ枠の1人としてマクシミリアン・アーノルドとともに選出された。
6年ぶりに国の代表としてピッチに立つクルーゼ、銀メダルに終わった5年前のリベンジを見据えるチームに貢献できるのだろうか。
今年1月にマンチェスター・ユナイテッドに加入したディアロもコートジボワールのメンバーに選出された。
アタランタで40分余りしかプレー時間がなかったものの、その才能を見出された今月に19歳の誕生日を迎えたばかりの同選手は、リザーブリーグで3試合4ゴール3アシストと大爆発し、2月にファーストチームデビューを飾ったばかりだ。
また、3月からはフル代表でもプレーし、早速ゴールを挙げたディアロは、ブラジル、ドイツと前回大会のファイナリストが揃うD組の中でも大きな注目を集めそうだ。
サウジアラビアの名門、アル・ヒラル一筋でプレーする31歳のアル=ファラジュがオーバーエイジでメンバー入りを果たした。ACLでのJリーグクラブとの対戦経験もあり、ロシアW杯メンバーでもあることから、知っている方も多いのではないだろうか。
サウジアラビアは、9月に開幕するカタールW杯アジア最終予選で日本と同組に入っており、当然アル=ファラジュもメンバー入りしてくるだろう。
死の組を突破できるか否かは、アル=ファラジュら経験豊富なオーバーエイジ組がいかに若いチームをけん引できるかに懸かっているだろう。