アメリカ下院議員約70名は、FIFA(国際サッカー連盟)に対してワールドカップのチケット価格引き下げや開催都市への財政支援を求める書簡を提出したようだ。
いよいよ開幕まで残り約3カ月となった2026年FIFAワールドカップ。アメリカ、カナダ、メキシコによる史上初の三カ国共催となるが、中東情勢悪化によるイラン等の参加可否に加え、高額なチケット価格や開催地の治安など、様々な問題が浮上している。
『The Athletic』によると、FIFAは2026年大会で110億ドル以上の収益を見込んでいる一方で、支出は約40億ドルにとどまると予想。FIFA側は収益の最大化と支出の最小化を目指しており、「可能な限り多くの収益を世界中のサッカー発展に投資する」と広報担当者が明かしたようだ。その一環として、開催都市に警備費用やその他の運営に必要な費用の大半を負担させる方針をとっている模様。しかし、各開催都市は資金確保に奔走することを強いられ、一部ではファンフェスティバルなどイベントを縮小せざるを得ない状況に追い込まれていると伝えられている。
そうした中、シドニー・カムラガー=ダブ下院議員を中心とした下院の民主党議員68名は、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に対して書簡を提出。「世界最大の国際スポーツイベントの基本原則に反する構造的な不均衡」に加え、「FIFAの決定によってファンや開催都市の費用が増加するという深刻な懸念」を表明。チケットの価格引き下げに加え、苦しむ開催都市への財政支援を求めたという。今回の書簡には、アメリカのワールドカップ開催地である11の都市圏からそれぞれ最低でも1名以上が署名したようだ。
カムラガー=ダブ下院議員は『The Athletic』に対し、「誰もがいらだちを覚えている。私が話をしたファンも怒っていた。地元の業者やレストラン、事業主も憤慨している。市長たちもFIFAに支援を求めている現状だ」とコメント。また、他のルートを通じてFIFAに不満を伝えようと試みたものの返答がなかったとし、「私の印象では、FIFAはかなり閉鎖的な組織だ」と語っている。
『The Athletic』は、今回の書簡が「開催都市へのFIFAの圧力に対し、これまでで最も強力かつ公的な議会の反応を示すもの」と指摘。FIFAの広報担当者は、カムラガー=ダブ下院議員と関係者とは直近1カ月の間に何度も協議を行ってきたとしつつ、FIFAが今回の書簡を受理して内容を検討していると明かしたとのこと。今後の動向に注目が集まっている。
