『GOAL』では、昨季上位陣とビッグクラブの補強・戦力を評価する。第8回は、今夏も大型補強を連発したチェルシーだ。※文中の評価はB~SSの4段階
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Getty Images今夏の主な移籍
【IN】
- モイセス・カイセド[ブライトン]
- ロメオ・ァヴィア[サウサンプトン]
- クリストファー・エンクンク[ライプツィヒ]
- コール・パルマ―[マンチェスター・シティ]
- アクセル・ディザジ[モナコ]
- ニコラス・ジャクソン[ビジャレアル]
- レスリー・ウゴチュク[レンヌ]
- ロベルト・サンチェス[ブライトン]
- ジョルジェ・ペトロヴィッチ[ニューイングランド]
- デイビッド・ワシントン[サントスFC]
- アンヘロ・ガブリエル[サントスFC]
- イアン・マートセン[チェルシーU21]
- レヴィ・コルウィル[チェルシーU21]
- ルイス・ホール[チェルシーU21]
【OUT】
- カイ・ハヴァーツ[アーセナル]
- メイソン・マウント[マンチェスター・ユナイテッド]
- マテオ・コヴァチッチ[マンチェスター・シティ]
- カリドゥ・クリバリ[アル・ヒラル]
- クリスティアン・プリシッチ[ミラン]
- エドゥアルド・メンディ[アル・アハリ]
- ルーベン・ロフタス=チーク[ミラン]
- イーサン・アンパドゥ[リーズ]
- ロメル・ルカク’[ローマ/ローン移籍]
- カラム・ハドソン=オドイ[ノッティンガム・フォレスト]
- ケパ・アリサバラガ[レアル・マドリー/ローン移籍]
- ティエムエ・バカヨコ[ロリアン/フリー移籍]
- ピエール・エメリク・オーバメヤン[マルセイユ]
- アブドゥル・ラーマン・ババ[PAOKサロニキ/フリー移籍]
- セサル・アスピリクエタ[アトレティコ・マドリー/フリー移籍]
- エンゴロ・カンテ[アル・イテハド/フリー移籍]
- ハキム・ツィエク[ガラタサライ/ローン移籍]
- ガブリエル・スロニナ[オイペン/ローン移籍]
- ダヴィド・ダトロ・フォファナ[ウニオン・ベルリン/ローン移籍]
- ルイス・ホール[ニューカッスル/ローン移籍]
- アンヘロ[ストラスブール/ローン移籍]
- アンドレイ・サントス[ノッティンガム・フォレスト/ローン移籍]
Getty Images【補強評価:A】若手中心の補強へ転換
今夏もチェルシーの補強は派手なものになった。メイソン・マウント、カイ・ハヴァーツ、マテオ・コヴァチッチといった昨季までの主力をライバルクラブへ放出した一方で、モイセス・カイセドをプレミアリーグ史上最高額となる1億1600万ユーロ(約183億円)で獲得すると、同ポジションのロメオ・ラヴィオの争奪戦も制す。それ以外にもクリストファー・エンクンク、アクセス・ディサジ、ニコラス・ジャクソン、コール・パルマー、レズリー・ウゴチュクといった今後ワールドクラスに成長しうる選手たちを加えた。新戦力の大半が25歳以下で、補強方針としてはポジティブに捉えることができるが、それはあくまでも費やした金額を考慮しなかった場合だ。今季もトップ4に入ることができなければ、今夏も浪費したと非難されることになるだろう。それでも、余剰戦力となったカリドゥ・クリバリ、エドゥアール・メンディらをサウジアラビアに売却できたことは評価できる。
Getty【GK・DF評価:S】負傷者続出も若手が定着
昨季と比較してガラリと入れ替わったのが守備陣。チアゴ・シウヴァ、ベン・チルウェルを除けば、新顔がスタメンに名を連ねている。アクセル・ディサジ、マロ・グスト、レヴィ・コルウィルといった各国で結果を出してきた若手選手がすでに定位置を確保。最後方はブライトンから加入したロベルト・サンチェスが現状でリードしているが、今後ジョルジェ・ペトロヴィッチとのポジション争いが予想される。ここまで公式戦5試合でクリーンシートは1試合のみだが、負傷離脱者が特に多いのも守備陣でリース・ジェイムズ、トレヴァー・チャロバー、ベノワ・バディアシル、ウェスレイ・フォファナらレギュラークラスの選手が揃って戦線を離れている。彼らが戻ってくれば、もう1チーム作れるほどのスカッドとなるだけに、選手層を加味してS評価となった。
Getty【MF・FW評価:S】若手タレントの宝庫に
大型補強を敢行しているのが中盤以上。目玉の一人であったクリストファー・エンクンクは長期離脱を強いられているが、未来のエースと目されていたニコラス・ジャクソンが最前線で存在感を発揮。スピードとパワーを併せ持ち、スケールの大きさはレジェンドであるディディエ・ドログバ級だ。その他、カイセド、ラヴィア、パーマー、ウゴチュクも中盤に加えており、先10年を支えられるタレントが揃っている。一方で、コナー・ギャラガー(昨夏レンタルバック)、ラヒーム・スターリング(昨夏加入)ら2年目の選手が好調を維持し、現時点でスタメンを確保しているのも見逃せないところ。新戦力との熾烈なポジション争いも注目で、攻撃陣が噛み合い出せば一躍プレミアリーグトップクラスの破壊力をもたらすかもしれない。
(C)GOAL【成熟度・総合評価:A】序盤出遅れも伸びしろ十分
今季からポチェッティーノが指揮を執っているチェルシー。チームのスタイルを変え、ロッカールームでの空気も一変させたことが伝えられている。また、スターリングやギャラガーといった選手を復活させ、ノニ・マドゥエケやグスト、コルウィルら積極的に若手を起用。将来が楽しみなチームを作り上げていることは間違いない。一方で、開幕4試合で1勝1分け2敗という難しい序盤戦に。ポチェッティーノ自身もチームビルディングの真っ最中であることを認め、今後も不安定な戦いは続いていくことを示唆している。また、リース・ジェイムズやクリストファー・エンクンクといった新チームの柱となるであろう選手が負傷離脱していることも小さくない打撃に。とはいえ、スカッドを見ればプレミアリーグ屈指であるだけに、大きな伸びしろを残すA評価と言えるだろう。
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