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主力放出も光明…三笘薫らに続き新たなワールドクラスの誕生に期待【プレミアリーグ補強&戦力評価~ブライトン~】

『GOAL』では、昨季上位陣とビッグクラブの補強・戦力を評価する。第6回は、三笘薫が2年目も躍動を続けているブライトンだ。※文中の評価はB~SSの4段階

  • Joao Pedro Brighton 2023-24Getty

    今夏の主な移籍

    【IN】

    • ジョアン・ペドロ[ワトフォード]
    • カルロス・バレバ[リール]
    • バルト・フェルブルッヘン[アンデルレヒト]
    • イゴール[フィオレンティーナ]
    • マフムド・ダフード[ドルトムント/フリー移籍]
    • ジェイムズ・ミルナー[リヴァプール/フリー移籍]
    • アンス・ファティ[バルセロナ/ローン移籍]
    • アンディ・モラン[ブライトンU21]
    • カール・ラッシュワース[ブライトンU21]
    • エド・ターンズ[ブライトンU21]
    • レダ・カドラ[ブライトンU21]
    • マーク・レオナルド[ブライトンU21]
    • ジェンセン・ウェイア[ブライトンU21]

    【OUT】

    • モイセス・カイセド[チェルシー]
    • アレックス・マクアリスター[リヴァプール]
    • ロベルト・サンチェス[チェルシー]
    • ミハエル・カルボニック[ヘルタ]
    • レダ・カドラ[ランス]
    • アーロン・コノリー[ハル]
    • デニズ・ウンダフ[シュトゥットガルト/ローン移籍]
    • ヘイドン・ロバーツ[ブリストル・シティ/フリー移籍]
    • テイラー・リチャーズ[クイーンズ・パーク・レンジャーズ]
    • エド・ターンズ[レイトン/ローン移籍]
    • ジェンセン・ウィアー[ブラックプール/ローン移籍]
    • ヤシン・アヤリ[コヴェントリー/ローン移籍]
    • アンディー・モーラン[ブラックバーン/ローン移籍]
    • カール・ラッシュワース[スウォンジー/ローン移籍]
    • マーク・レオナルド[ノーサンプトン/ローン移籍]
    • ジェレミー・サルミエント[ウェスト・ブロムビッチ/ローン移籍]
    • キエル・スヘルペン[シュトゥルム・グラーツ/ローン移籍]
    • アブダラー・シマ[レンジャーズ/ローン移籍]
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    【補強評価:SS】売却益でトップクラス、穴埋めにも成功

    今夏はモイセス・カイセド、アレクシス・マクアリスターと中盤の主力選手2人を放出。だが、それぞれ1億1600万ユーロ(約182億円)、4200万ユーロ(約66億円)を得ており、巨額の移籍金を考えれば放出もポジティブに捉えることができる。さらに、マフムート・ダフード、ジェームズ・ミルナ―といった欧州での経験が豊富な選手をフリーで獲得。ジョアン・ペドロには史上最高額の移籍金を費やし、カルロス・バレバやバルト・フェルトブリュッヘンらにも相応の資金を使ったが、彼らはいずれも20歳前後。今後の成長次第には何倍もの売却益を受け取る可能性もあり、補強の指針としてブレはない。そして、市場終盤に驚きを提供したのがバルサの至宝アンス・ファティのレンタルでの獲得。三笘薫とのポジション被りが気がかりだが、選手層のアップという点ではポジティブだ。

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    【GK・DF評価:A】ビルドアップ武器も守備で課題

    守備陣ではミルナ―やフェルトブリュッヘンらが加入し、定位置を確保。イゴールは現状でルイス・ダンク、アダム・ウェブスター、ヤン・ファン・ヘッケらのバックアッパーという立ち位置となっている。デ・ゼルビ監督のスタイルでもある「疑似カウンター」を再現するため、いずれもボール扱いに優れた選手たちが後方には並ぶも、肝心の守備では穴も少なくない。開幕4試合ではいずれも失点を重ね、昨季まで中盤でフィルターとなっていたカイセド不在を感じさせている。とりわけ、敗れたウェストハム戦では同様のカウンターから失点を喫し、相手FWの対応にダンクとウェブスターは四苦八苦していた。ただし、チームのスタイルにおいて必要不可欠な選手であることは明らかで、今後も指揮官は基本的なメンバー選考の基準は変えないだろう。個人の守備能力アップではなく、チームとしてそういった場面を作らせないことが求められそうだ。

  •  Kaoru Mitoma of Brighton_20230819(C)Getty Images

    【MF・FW:S】三笘やマーチ好調で若手も台頭

    中盤以上で今夏に加わった主な選手はダフード、バレバ、ペドロの3名。マクアリスター、カイセドが退団していることを考えれば、戦力ダウンは避けられないと思われていたが、4試合でリーグ最多12得点を記録するなど、現在までその穴の大きさは感じられない。何より大きいのは三笘の覚醒だろう。開幕4試合で1ゴール3アシストを挙げ、8月の月間MVP候補にノミネート。ドリブルで与える脅威はリーグトップクラスとなっており、どのチームも警戒心を高めている。チームの古参選手であるソリー・マーチも好調なシーズンをスタートさせた他、ストライカーのエヴァン・ファーガソンも成長著しい。また、2年目のビリー・ギルモアがレギュラーを確保し、神童と呼ばれていた頃のプレーを取り戻しつつある。ペドロはデ・ゼルビ監督の要求に達していない部分もあるようだが、今後適応していけば、ブライトンの攻撃にさらなる幅をもたらすはずだ。

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    【成熟度・総合評価:A】三笘に続いて新たなワールドクラス誕生も

    今季は4試合を終えて3勝1敗。第3節ウェストハム戦では1-3と不覚を取ったが、直近のニューカッスル戦では欧州カップ戦出場権を争う直接のライバルを相手に3-1と快勝。デ・ゼルビ監督での2年目を迎え、チームの成熟度は高まっている。また、指揮官自身が希望したペドロやフェルトブリュッヘンといった新戦力を加えられたこともポイントのひとつ。いずれもまだ若手でワールドクラスとは言えないが、昨季もイタリア人監督の下で三笘やファーガソン、マーチらが大きく飛躍したことも事実だ。シーズンが終わる頃には、すでにトップレベルと呼べる選手も新たに現れている可能性もある。ヨーロッパリーグとの二足のわらじは簡単ではないが、それを乗り越えられる選手層もあり、サポーターの期待も大きく膨らむシーズンとなる。

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