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2年目補強で戦力アップも…問題続出の中で最適解を見出せるか【プレミアリーグ補強&戦力評価~マンチェスター・ユナイテッド~】

『GOAL』では、昨季上位陣とビッグクラブの補強・戦力を評価する。今回は、エリック・テン・ハーグ監督の2年目で、昨季3位からの上昇を狙うマンチェスター・ユナイテッドだ。※文中の評価はB~SSの4段階

  • Rasmus Hojlund Manchester UnitedGetty

    今夏の主な移籍

    【IN】

    • ラスムス・ホイルンド[アタランタ]
    • メイソン・マウント[チェルシー]
    • アンドレ・オナナ[インテル]
    • ソフィアン・アムラバト[フィオレンティーナ/ローン移籍]
    • アルタイ・バユンドゥル[フェネルバフチェ]
    • ジョニー・エバンス[レスター/フリー移籍]
    • セルヒオ・レギロン[トッテナム/ローン移籍]

    【OUT】

    • アンソニー・エランガ[ノッティンガム・フォレスト]
    • ディーン・ヘンダーソン[クリスタル・パレス]
    • フレッジ[フェネルバフチェ]
    • アレックス・テレス[アル・ナスル]
    • アルバロ・フェルナンデス[グラナダ/ローン移籍]
    • メイソン・グリーンウッド[ヘタフェ/ローン移籍]
    • ブランドン・ウィリアムス[イプスウィッチ/ローン移籍]
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  • mount(C)Getty Images

    【補強評価:S】手薄のポジションを着実に補強

    テン・ハーグ監督は初年度に選手を見定め、2年目に向けて必要なポジションを着実に補強した。アンソニー・エランガとフレッジ、アレックス・テレス、ディーン・ヘンダーソンの4選手を総額5000万ユーロほどで売却した一方、デ・ヘアに代わる新守護神としてアンドレ・オナナを確保。また、ブルーノ・フェルナンデスの負担が大きかったプレーメーカー兼アタッカーとしてメイソン・マウントを獲得し、必須だったセンターフォワードとして、アタランタから20歳のラスムス・ホイルンドを推定7500万ユーロで引き入れた。

    移籍市場最終日には、控えの左サイドバックであるセルヒオ・レギロンをレンタルで獲得。また、中盤複数ポジションをこなせるソフィアン・アムラバトを買い取りオプション付きのレンタルで引き入れることに成功しており、売却での資金確保に物足りなさは残ったものの、補強としては及第点以上の夏としている。

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    【GK・DF評価:A】レギュラー組の質は高いも…

    類まれなレスポンスとセービング力が武器ながらもビルドアップに難があったデ・ヘアから、足下の技術を活かして最後方から起点をつくれるオナナがレギュラーとなったことで、攻撃面における戦術の幅は大きく広がった。

    最終ラインでは、一対一に強いアーロン・ワン=ビサカ、統率力とパス出しに優れるリサンドロ・マルティネス、経験と実績が豊富なラファエル・ヴァラン、攻守における安定感と一貫性が魅力のルーク・ショーと、レギュラー4選手の質は高い。それでも、レギュラー陣のフィットネスへの安定感、代わりとなる選手の質という面においては、マンチェスター・シティやアーセナルには及ばない。レギュラー組が、いかに怪我なく出場試合を積み重ねることができるかがカギになりそうだ。

  • Højlund(C)Getty Images

    【MF・FW評価:S】ウイングに問題、一貫性がカギに

    カゼミーロ、クリスティアン・エリクセン、ブルーノ・フェルナンデスの3枚に頼る部分が大きかった昨季からマウントとアムラバトが加入したことで、中盤中央の選手層と戦術の幅は広がることに。また、開幕前に負傷したものの、コビー・メイヌーも18歳らしからぬ落ち着きとインテリジェンスを備えている選手で、今季に台頭していく可能性がある。

    攻撃陣では、昨季公式戦30ゴールのマーカス・ラッシュフォードを軸に、アントニー、ファクンド・ペリストリ、アレハンドロ・ガルナチョ、ジェイドン・サンチョと、スピード豊かで活きの良いアタッカーが在籍。それでも、パフォーマンスの一貫性という点ではいずれも全幅の信頼を置ける選手ではなく、アントニーやサンチョはピッチ外での問題が取りざたされている状況だ。ウイング陣の一貫性と、1年目のホイルンドの出来次第で総得点数は大きく変動することになりそうだ。

  • manutd(C)GOAL

    【成熟度・総合評価:S】指揮官が最適解を見出せば優勝争いも

    序盤の4試合では、トッテナムとアーセナル相手に敵地で敗戦。昨季に8敗を喫したアウェーでどれだけ勝ち点を積み重ねていけるかというところで、今季序盤も躓いた。とはいえ、新たなチームの核となるセンターフォワードのホイルンドが負傷で欠場を余儀なくされていた点はエクスキューズとなる。アーセナル戦の途中出場でポテンシャルの一端を示したホイルンドが、プレッシャーがかかる中で1年目からコンスタントにネットを揺らすことが、昨季から上昇するうえで不可欠だ。

    また、再開を前にサンチョが指揮官の起用法に異議をとなえたことで問題となり、アントニーは恋人への暴力行為の疑惑により、一定期間チームから離脱することに。そのため、右ウイングのポジションに不安を抱えている。これに伴い、B・フェルナンデス、マウント、エリクセン、アムラバト、カゼミーロを擁するセントラルMF陣を活かす、4-3-1-2などの新たなオプションをテン・ハーグ監督が確立していく可能性もあるだろう。いずれにせよ、機能性を発揮できる最適解を早急に見出せるかどうかが、優勝争いに加わっていけるかどうかのポイントとなるだろう。

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