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戦力充実も気になるサブとのギャップ…“おなじみの光景”回避へ必要なことは?【プレミアリーグ補強&戦力評価~ニューカッスル~】

『GOAL』では、昨季上位陣とビッグクラブの補強・戦力を評価する。第4回は、近年の積極補強で復活し、21年ぶりのチャンピオンズリーグにも挑戦するニューカッスルだ。※文中の評価はB~SSの4段階

  • tonali(C)Getty Images

    今夏の主な移籍

    【IN】

    サンドロ・トナーリ(ミラン/完全移籍)

    ハーヴィー・バーンズ(レスター/完全移籍)

    ティノ・リブラメント(サウサンプトン/完全移籍)

    ルイス・ホール(チェルシー/レンタル)

    【OUT】

    アラン・サン=マクシマン(アル・アハリ/完全移籍)

    クリス・ウッド(ノッティンガム・フォレスト/完全移籍)

    カール・ダーロウ(リーズ/完全移籍)

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  • tonali howe(C)Getty Images

    【補強評価:S】近年の補強路線を継続

    サッカー界の話題をさらうPIF(サウジアラビア公共投資基金)に2021年に買収されて以降、世界的なスーパースターではないが、各地で結果を残してきた若き実力者の獲得に豊富な資金を投じてきたニューカッスル。その路線は今夏も継続し、ミランの絶対的中心だったトナーリを引き抜くことに成功した他、バーンズにリブラメントとプレミアリーグでの経験豊富かつさらなるポテンシャルを秘める若きイングランド人選手を補強した。スカッドの充実だけでなく、将来的に放出する場合も高額な移籍金が期待できる選手の獲得は賛辞に値するだろう。

    また、メガクラブからの関心も伝えられていたブルーノ・ギマランイスなど主力陣の残留にも成功。苦しい時期を支えてファンからも愛されたサン=マクシマンは去っていったが、トップ4フィニッシュを飾った昨季よりも確実に戦力はアップしたと言えるはずだ。ちなみに、移籍収支は3シーズン連続でマイナス1億ユーロ以上となっている。

  • trippier(C)Getty Images

    【GK・DF評価:A】実力者揃いも層にやや不安

    GKはイングランド代表にも定着したニック・ポープが正守護神に君臨。ビルドアップはあまり期待できないものの、ショットストップや空中戦、DFライン統率などGKに求められる基本的な技術は世界最高レベルであり、安心してゴールマウスを任せられるはず。第2GKのマルティン・ドゥブラフカもプレミアリーグや代表での経験も豊富なベテランであり、頼もしいバックアップになる。

    一方でDF陣は、右サイドバックとは思えないほどチャンスを量産するキーラン・トリッピアーに加え、スヴェン・ボトマン&ファビアン・シェアのスタメンは確実か。だが、センターバックは長いシーズンを考えるとやや選手層に不安を抱えることに。主将ジャマール・ラッセルズはロッカールームのまとめ役であるものの、エディ・ハウ監督の求めるスタイルへの適応には難を抱えている。また左サイドに関しては、マット・ターゲット、ホール、さらにリブラメントの3人が争う形になりそうだ。

  •  Harvey Barnes(C)Getty Images

    【MF・FW評価:S】夏の補強で大幅戦力アップ

    中盤は何と言ってもトナーリの補強が大きい。チームの中心であるギマランイスを補完する最高のパートナーの加入により、一段階上のレベルに到達。そして3センターのもう1枠を高身長でパワフルなジョエリントン、抜群の運動量とボックス内への飛び出しが魅力のジョー・ウィロックが争うことになる。一方でギマランイス&トナーリは替えがきかないため、シーズン中に彼らの負担を減らす策を講じる必要がありそうだ。

    アタッカー陣については、パワフルかつ抜群のスピードとドリブルで強引に状況を打開できるアレクサンデル・イサクが、重傷から復帰して以降は見事なパフォーマンスを見せており、ミゲル・アルミロンと今季本領発揮のアンソニー・ゴードンと共に3トップを形成。頼れるベテランFWカラム・ウィルソンに加え、短い出場時間でも結果を残せるジェイコブ・マーフィーも控えている。さらにバーンズが加入したことで、リーグでもトップレベルの3トップが期待できるだろう。

  • newcastle-fom2(C)Goal

    【成熟度・総合評価:A】課題はレギュラー陣と控え陣の差

    昨季からの積み上げ&今夏の補強により、チームレベルを引き上げることに成功したニューカッスル。直近3連敗ではあるが、特にリヴァプール戦(1-2)は失点まで内容では圧倒しており、マンチェスター・シティ戦(0-1)でも決して悪くない戦いを見せている。レギュラーメンバーが揃えばどんなチームでも互角以上に渡り合うポテンシャルを持っていることは間違いない。

    しかし前述したように、各ポジションで選手層に不安が残ることに。特に今季は21年ぶりにチャンピオンズリーグを戦うこともあり、試合数は大幅に増加する。前シーズンに躍進を見せたクラブが欧州カップ戦出場権を手にしたことにより転落していくのは、もはやプレミアリーグでは“おなじみの光景”だ。そうした慣例に乗らないためにも、エディ・ハウ監督にはシーズンの早い段階から主力のケアを常に考える必要がありそうだ。

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