仮にこの試合に勝利していても、大宮MF小島幹敏の表情は晴れなかったのだろう。
18分にMF泉柊椰のゴールで先制点した大宮は前半の勢いを考えれば勝利したい一戦だったが、98分に逆転弾を許した。ボランチの位置で先発フル出場した小島は、攻撃の舵取りを任されていた。だからこそ内容面にも、悔しさをにじませる。
「前半はプレッシャーもあまり来なかったので、うまくやれていたと思います。だけど(後半はボールが)来たときに失う数が多くなって、リズムをつかめなかったところが残念かなと…。もっとボランチの俺と(中山)昂大が引き出せたら良かったけど、なかなか受けられなくて全然でした」
右サイドバックのDF関口凱心らを筆頭に、大宮はサイドから多くのチャンスを作った。躍動した攻撃を披露しているようにも見えたが、小島の認識は少し違った。
「凱心が(一人で)いけちゃうような感じもありましたけど、それだけじゃなくて中とかも使いながらチャンスを作りたい。全部が凱心頼みのようになっていて、それだと凱心もキツいと思います。もうちょっと、いい攻撃ができると思うんですけど…」
小島の指摘通り、大宮はなかなか中央から迫力のある攻撃を仕掛けられず、サイドからのクロスボールは磐田の堅守に阻まれた。
背番号7は「単純にゴール前のクオリティが低いんだと思います。相手を揺さぶりながら崩すクオリティが低いから、上げていかないといけないと、(1-2で敗れた第8節ヴァンフォーレ)甲府戦あたりから思っていました」と攻撃のバリエーションを増やしていくべきだと訴える。
大宮は直近の甲府戦をはじめ、1-4で敗れた前節の松本山雅FC戦でも敵軍の5バックを崩し切れないという課題にも直面していた(今季はPK戦を含めて5バックのチームにすべて敗戦)。そして次節の対戦相手である藤枝MYFCも守備時に5バックを組んでくることが予想される難敵だ。
何としてでも3連敗は避けたい。小島が危機感を強める。
「またスリーバックですか。スリーに勝てないですね。5(バック)のブロックを崩せるようにならなきゃ26-27シーズンが絶対にキツくなる。ここでどうにか5(バック)を崩せることをやらないとダメですね。スリー相手にずっと負け続けていたら、苦手意識になってしまう。攻撃の連係を合わせていかないと」
J1の舞台に戻るため、乗り越えなければいけない壁がある。小島は百年構想リーグと、その先も見据えてパスを出す。
取材・文=浅野凜太郎
