ユヴェントスが期限付き移籍による補強を進めている理由について、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が23日、分析している。
ユーヴェは今冬、放出予定のアンドレア・カンビアーゾらの売却による資金捻出を待つ中、強化担当のクリスティアーノ・ジュントリ氏が「特別な資金がないまま」、期限付き移籍を推進した点に注目。「多くの者が、なぜユーヴェはシンプルなローンの形式を繰り返し行っているのか疑問に思っているだろう」とつづり、背景を分析した。
イタリア紙はまず「収支の負担にならず、期待された補強を保証できる」ほか、「選手を放出するクラブのニーズもある」と説明している。例えば、ランダル・コロ・ムアニの場合、保有元のパリ・サンジェルマン(PSG)はフランクフルトから評価額9000万ユーロ(約146億円)以上で獲得しており、「トリノでこれほど高額な買い物を負担することは不可能」だった。だが「こうしたケースにおいて、保有元のクラブは、選手の年俸や減価償却を節約しようとしている」ため、ある程度、責務がばく大となるとも指摘している。ユーヴェは今回、レンタル料として100万ユーロ(約1.6億円)、代理人に200万ユーロ(約3.2億円)、シーズン終了までの年俸900万ユーロ(約15億円)の合計1200万ユーロ(約20億円)を負担することになると説明されている。
ユーヴェが獲得を狙うチェルシーのレナト・ヴェイガについても、ユーヴェはブレーメルやカバルの負傷により生じた穴を埋めることができる「半年の契約に満足」しており、同時に、他の大型補強のための資金を残しておくことができる。一方、「シーズン初めに1400万ユーロ(約23億円)を投資したロンドンでは、セリエAの経験により才能が成熟して評価が高まることを期待」しつつ、レンタル料を得ることで収支の面でもメリットがあることを伝えた。
ユーヴェは、「チアゴ・モッタにとって不可欠なクオリティの高い補強を連続して成功させるためには、メルカートのあらゆるチャンスを考慮しなければならない」状況にあり、「その結果、ローン補強が応急処置になっているように見える」と同紙は指摘。「財政面で苦しむことなく、収支を合わせるために必要な対策だ」と結論づけている。