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【東京五輪】オーバーエイジで注目すべき選手たち…アセンシオ、ケシエ、ダニエウ・アウヴェスら|男子サッカーOA選手
(C)Getty ImagesU-24日本代表:DF吉田麻也(32歳)
サンプドリア(イタリア)
日本史上最高級のセンターバックと言っていいだろう。A代表キャップは100試合以上、2度のワールドカップと3度のアジアカップで主力として出場。クラブレベルでの欧州キャリアは10年を超えており、経験値を見れば今大会出場選手の中でもトップクラスだ。昨シーズンもセリエAの32試合に出場し、イタリアの地でさらなる進化を遂げた。冨安健洋と共に絶対的なセンターバック2人がいることは、日本代表にとって大きなプラスとなる。3度目となるオリンピックで、初のメダルを獲得できるだろうか。
(C)Getty ImagesU-24日本代表:MF遠藤航(28歳)
シュトゥットガルト(ドイツ)
昨シーズン、シュトゥットガルトでは出場停止となった最終節を除き、全試合に先発した遠藤航。所属クラブで絶対的な地位を築き上げて、オーバーエイジとして招集された。本人は東京五輪が1年間後ろ倒しとなったことも「シュトゥットガルトでチャンスを得て活かすことができたので、結果的にはラッキーだった」と話す。その魅力は対人戦の強さ。178センチと小柄ながら、屈強な大男がひしめくブンデスリーガでデュエル勝利数1位となった。U-24日本代表ではチームに加わって間もないが、すでに田中碧とともに中盤で確たるコンビを確立。「オーバーエイジがプレーで存在感を見せるのは当たり前」と頼もしい言葉を口にし、前回大会に続き2度目の五輪へと挑む。
(C)Getty ImagesU-24日本代表:DF酒井宏樹(31歳)
浦和レッズ(日本)
昨季のマルセイユでは本職ではない左サイドバックとしても起用され、パフォーマンスも低下するなど難しい時間を過ごしていた酒井宏樹。今夏の浦和レッズ加入でのJリーグ復帰は大きな話題となった。一方で、U-24代表へのオーバーエイジとしての招集は「呼ばれると想像していなかったし、驚きました」とも話す。それでも、「役割としてはピッチ内外でのすべて。プレーで若い選手を引っ張っていけるように、しっかり出して頑張っていきたい」と強い責任感を口に。ダイナミックなオーバーラップが持ち味であるのと同時に、吉田麻也や冨安健洋らと形成する最終ラインはA代表とほぼ同じメンバーで、守備面での不安も少ない。後方から安定感をもたらし、9年前のロンドン五輪では手にできなかったメダル獲得を目指す。
(C)Getty ImagesU-24メキシコ代表:GKギジェルモ・オチョア(36歳)
クラブ・アメリカ(メキシコ)
フランス、スペイン、ベルギーなどでプレーしてきたオチョアは、2019年から古巣クラブ・アメリカへ。所属クラブでは絶対的守護神であるのと同時に、A代表でも正キーパーであり、4度のワールドカップ出場を誇るレジェンドだ。183センチとGKとしては小柄な部類でありながら敏捷性に長けており、一度波に乗ると止められないビッグセーバー。ワールドカップなど大舞台でこそ活躍してきた実績を持つだけに、五輪という初舞台でも期待は大きい。若いチームを最後方から支えて、メダル獲得を狙う。
(C)Getty ImagesU-24フランス代表:FWフロリアン・トヴァン(28歳)
ティグレス(メキシコ)
フロリアン・トヴァンは負傷に苦しんだ一昨シーズンを経て、昨季に見事復活。リーグ戦36試合で8ゴール8アシストを記録した。今夏にはマルセイユを退団し、メキシコのティグレスへとフリーで加入している。やはり最大の魅力はカットインからのフィニッシュとチャンスメイク。とりわけU-24フランス代表は多くのクラブの招集拒否によって、チーム全体の小粒感が否めないため、A代表経験もあるトヴァンの活躍は必要不可欠だ。運命のいたずらか、マルセイユで見事な連携を発揮していた酒井宏樹と相まみえることに。ともに今夏でマルセイユでの戦いに終止符を打ち、手強い相手として東京で再会する。
(C)Getty ImagesU-24フランス代表:FWアンドレ=ピエール・ジニャック(35歳)
ティグレス(メキシコ)
ジニャクは2015年、当時29歳でマルセイユからメキシコのティグレスへ。欧州を離れたことで都落ち感は否めなかったが、そこから第二の春をスタートさせた。2015-16シーズンにいきなりリーグMVPを獲得すると、4度のリーグ優勝に貢献するなどメキシコで多くの栄誉を獲得した。A代表は2016年以来遠ざかっているが、言わずもがな経験は豊富。チーム最高齢の選手として若きレ・ブルーを牽引する働きが求められる。また、マルセイユでともにプレーした経験を持つトヴァンとのホットラインにも期待だ。
(C)Getty ImagesU-24ニュージーランド代表:DFウィンストン・リード(33歳)
カンザスシティ(アメリカ)
長年プレミアリーグのウェストハムで活躍したリード。190cm 87kgと強靭なフィジカルを誇り、ペナルティエリアに構えて相手の攻撃を跳ね返し続ける“典型的な”センターバックだ。ユース年代では10歳で移住したデンマークを選択していたが、A代表では生まれ故郷のニュージーランドを選択。10年以上招集されており、キャプテンも務めている。本大会では押し込まれる展開が予想されるニュージーランドにとって、このベテランDFの存在は重要なものとなりそうだ。
(C)Getty ImagesU-24ニュージーランド代表;FWクリス・ウッド(29歳)
バーンリー(イングランド)
充実の時を迎えるウッドがニュージーランドを最前線から牽引する。17歳でA代表入りしたストライカーは、2009年から一貫してイングランドでプレー。とりわけ近年のバーンリーでの活躍は目覚ましく、2017-18シーズンから4シーズン連続でプレミアリーグ二桁ゴールをマークしている。抜群のフィジカルを活かした確度の高いポストワークと高い打点から放たれる強烈なヘッドが武器。大柄ながらスペースへの抜け出しもうまく、確実に相手センターバック陣の脅威になれる選手だ。
(C)Getty ImagesU-24オーストラリア代表:FWミッチェル・デューク(30歳)
ウェスタン・シドニー(オーストラリア)
2015年から2019年まで清水エスパルスでプレーした経験を持つミッチェル・デューク。日本では苦戦したものの、国内リーグに復帰するとゴールの感覚を取り戻し、2021年からA代表にも定着し始めた。186センチで空中戦を得意としていることはもちろん、スピードも兼ね備えており、裏への抜け出しのパターンも多彩。アルゼンチン、スペイン、エジプトと同組の厳しいグループに入っただけに、ワンチャンスをモノにする力を日本のファンの前で見せたい。
(C)Getty ImagesU-24エジプト代表:DFアハマド・ヘガジー(30歳)
アル・イテハド(サウジアラビア)
エジプトA代表のベテランセンターバックが東京五輪に参戦する。A代表で62キャップ、クラブレベルでもウェスト・ブロムウィッチで100試合以上に出場し、プレミアリーグでもプレー。2020-21シーズンはアル・イテハドでのリーグ戦26試合で2ゴールをマークした。193センチの身長と抜群のフィジカルを活かした空中戦の強さが持ち味。スペインやアルゼンチンといった相手に対し、セットプレーが重要になることが想定される中、FK・CK時のヘディングはチームにとっての大きな武器になるはずだ。
(C)Getty ImagesU-24韓国代表:FWファン・ウィジョ(28歳)
ボルドー(フランス)
日本のサッカーファンにはおなじみの韓国代表ストライカー。2017年~2019年までガンバ大阪で活躍した後、フランスのボルドーへと完全移籍。昨季はリーグ・アン36試合で12ゴールを奪ってみせた。韓国代表としても、2018年のアジア競技大会で9ゴールを挙げる大活躍で優勝の立役者に。A代表でも36試合14ゴールをマーク。ソン・フンミン不在のチームにとって、ピッチ内外でリーダーになることが期待される。
(C)Getty ImagesU-24スペイン代表:MFダニ・セバージョス(24歳)
レアル・マドリー(スペイン)
2年前のU-21 EURO優勝の立役者が、オーバーエイジ枠で東京五輪に参戦。これまでは、傑出した足下の技術とパス度を武器に、積極的にラストパスを狙うテクニシャンタイプだったが、過去2シーズンプレーしたアーセナルで進化。低い位置でのビルドアップに効果的に関われる他、守備時のポジショニングと状況判断が大幅に改善された。激しい肉弾戦の飛び交うプレミアリーグで揉まれることによって、厳しい展開でも消えずに戦えるようになっている。今大会“本気で”金メダルを狙いにきたスペインの10番に注目だ。
(C)Getty ImagesU-24スペイン代表:FWマルコ・アセンシオ(25歳)
レアル・マドリー(スペイン)
世界最高クラスの若手として名を馳せたアセンシオがオーバーエイジとして来日した。2016-17シーズンからレアル・マドリーの主力として活躍し、2度のチャンピオンズリーグ制覇などに貢献。2019年の前十字靱帯断裂の重傷から復帰後、2020-21シーズンは絶対的な存在にはなれなかったが、それでも公式戦48試合に出場した。新たにレアル・マドリー指揮官に就任したカルロ・アンチェロッティ監督へのアピールの意味としても、今大会のパフォーマンスが注目される。
(C)Getty ImagesU-24アルゼンチン代表:GKヘレミアス・レデスマ(28歳)
カディス(スペイン)
アルゼンチン唯一のオーバーエイジ枠となったレデスマ。下部組織から過ごす母国のロサリオ・セントラルに長年所属し、トップチームデビューは24歳と遅咲きの守護神だが、2020年に加入したカディスで注目を集める存在に。GKとして身長は高くないが機動性に優れ、至近距離のシュートや厳しいコースでも素早いレスポンスとバネを発揮してゴールを守る。果敢に飛び出す勇敢さも武器の1つ。3月の日本代表戦で国際デビューを飾ったが、本大会でも守護神としてゴールマウスを守ることになるだろう。
(C)Getty ImagesU-24ブラジル代表:DFジエゴ・カルロス(28歳)
セビージャ(スペイン)
セビージャ移籍初年度(2019-20)でヨーロッパリーグ優勝を経験し、UEFAが選ぶラ・リーガのベストイレブンに選出。昨季も公式戦46試合に出場、トップ4フィニッシュに大きく貢献するなど、今大会屈指のセンターバックだ。強靭なフィジカルに加えてスピードも十分。対人守備や空中戦でも大きな存在感を発揮する。また、長短のパスを蹴り分け、ビルドアップでも起点になることも可能で、数々のメガクラブが狙う才能だ。A代表の経験はないが、今回の五輪チームの中心的存在になるだろう。
(C)Getty ImagesU-24ブラジル代表:DFダニエウ・アウヴェス(38歳)
サンパウロ(ブラジル)
今大会最大の“ビッグネーム”だ。これまで獲得したタイトル「43」は世界記録。選手が手にし得るほぼすべてのカップを掲げてきたが、唯一手にしていない金メダルをかけてオーバーエイジでの参加が決定した。「オリンピックは夢だった。大きな責任はあるけど、だからこそ僕は生きている」と、38歳になった今でもまったくモチベーションは衰えない。バルセロナでの圧巻のプレーで「現代サイドバック像」を作り上げた1人だが、2019年からプレーするサンパウロではトップ下からボランチまで主戦場としており、ほぼすべてのエリアで試合を支配することが可能。2大会連続で金メダルを狙うセレソンにとって、これ以上のオーバーエイジはないだろう。
(C)Getty ImagesU-24ドイツ代表:MFマックス・クルーゼ(33歳)
ウニオン・ベルリン(ドイツ)
ブンデスリーガで250試合以上に出場してきた経験豊富なマックス・クルーゼ。2020-21シーズンは昇格クラブであったウニオン・ベルリンで22試合11ゴール5アシストと、さすがの活躍を見せて残留に大きく貢献した。U-24ドイツ代表はフィールドプレーヤーが15人のみと戦力的に危機的な状況にあるだけに、ベテランのクルーゼにかかる期待は大きい。左足でチャンスメイクからフィニッシュまでこなせるだけに、攻撃陣の柱としてトップ下で起用されることが予想される。本人は「一体、オリンピックの何に魅力を感じないというのか聞きたいくらいだ。これこそかけがえのない体験だよ」と話すほど五輪出場を前向きに捉えているのもチームにとって心強い。
(C)Getty ImagesU-24コートジボワール代表:DFエリック・バイリー(27歳)
マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)
コートジボワールの最終ラインの中心として期待されるのがバイリーだ。度重なる負傷癖が改善されず、ここ4シーズンでリーグ戦14試合以上に出場したシーズンはなし。それでもビッグクラブにとどまり続けることができているのは、そのポテンシャルに疑いの余地がないからだ。好調時のソリッドな前方へのチェックとカバーリングスピードは非凡。クラブでは基本的に相方のセンターバックに“使われる側”のため、今大会ではリーダーの一人として統率力を発揮できるか注目だ。
(C)Getty ImagesU-24コートジボワール代表:MFフランク・ケシエ(24歳)
ミラン(イタリア)
ブラジル、ドイツと同居する非常に厳しいグループに入ったコートジボワールにとって、ケシエの存在は非常に心強いだろう。攻守における強烈なインテンシティとダイナミズムを生むことができる万能ミッドフィルダーで、2020-21シーズンはミランで公式戦50試合に出場。セリエAでは37試合で13ゴール6アシストと、インサイドハーフとしては特筆すべき成績を残し、2位フィニッシュに大きく貢献した。コートジボワールの心臓としての活躍が期待される。
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