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「ステップアップする選手も多いし、仮に上がれなくても…」 田中碧が感じたイングランド2部の魅力とは?/独占インタビュー第3回

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プレミアリーグデビュー戦のエヴァートン戦でチームの白星発進とともに自身もファン投票のMVPに輝くなど、さっそく輝きを放った田中。翌節のアーセナル戦で残念ながら負傷してしまったが、今後もプレミアリーグでの躍動に期待が膨らむ。

そんなプレミアリーグでのプレーに繋がった昨季だが、イングランド挑戦1年目から活躍できたのはなぜか。デュッセルドルフ時代に経験した2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)との違いや、チャンピオンシップでプレーする意義などを話してもらった。

聞き手=林遼平 構成=玉田裕太(GOAL編集部)

▶︎第1回:「楽しみだけど、ちょっと恐怖も」…田中碧、いざプレミアリーグの舞台へ。「ここでできればどこでもできる」

▶︎第2回:安堵と同時に「次はプレミアか」…田中碧が回想するチャンピオンシップ優勝&プレミアリーグ復帰のリーズ1年目

▶︎第4回:プレミアリーグで楽しみの1つは“対三笘薫”… 田中碧「人生、最初で最後かも。面白いだろうな」

  • チャンピオンシップでJリーグに似た感覚

    ――改めてブンデスリーガ2部とチャンピオンシップの違いはどんなところに感じていますか?

     レベルは違うと感じています。(チャンピオンシップのほうが)技術も含めて上だなと。まずドイツと比べて、イングランドのフットボール自体が組織としてちゃんとしていると感じました。ドイツは結構オープンな展開になりやすいです。それは局面の戦いが多いから。1対1が多いために結果的にオープンな状態になります。

     イングランドはカウンターもすごく多いですけど、基本的にチームとしてちゃんとオーガナイズされています。ドイツもオーガナイズされていないわけではありませんが、より局面にこだわる瞬間が多いです。チャンピオンシップはあまりそういうのがなくて、局面だとしても周りに人がいるので、全体的にコンパクトな状況ができているなと思いました。

     それぐらいコンパクトに試合をやるので、ロングボールを蹴ってもディフェンスが間に合うからピンポイントじゃないといけないこともあります。コンパクトかつ速い。選手もサイズが大きくて、なおかつ速い。技術力も世界トップクラスだと感じました。もちろん、これはリーズでチャンピオンシップを経験した上での見方です。

     もしかしたら中位同士の対決のほうがよりチャンピオンシップを感じられるかもしれません。個人的な印象としてはそう感じました。

    ――コンパクトな戦いでこれまでと違った感覚を感じたところはありますか?

     昨年を思い返すと、ドイツのときよりもかなりボールを奪えていると思います。局面が近いから取りやすいし、そういった状況を作りやすいです。ドイツはオープン過ぎて、なかなか奪えませんでした。そういう意味では(チャンピオンシップは)、Jリーグと感覚的に似ているところがあります。

     もちろん、日本にいるときと比べて守備の仕方が変わりましたが、状況としては似たコンパクトさがありました。試合に出始めてから「コンパクトにちゃんと戦ってくるから、ボールを奪いにいく回数は多いだろうな」と思ったし、インターセプトの回数も増えました。そこの違いはありますね。

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  • 3_ao_tanaka_16_9_2.jpg(C)Getty Images

    戦い抜ければ選手としての価値もアップ?

    ――個人としてはチャンピオンシップ全46試合のうち、43試合に出場。先発も実に37試合を数えました。

     怪我をしなかったのが何よりも成長できたところだと思います。だいたい、どの選手も怪我をします。だから、怪我をしないだけで選手として価値が高くなります。

     個人としても「ここで怪我しなかったら、あとはどこに行っても怪我しないだろうな」と。外傷は別だけど、筋肉系などはちゃんと自分がやることをやっていたら、怪我しないだろうなと思いました。もちろん、コンディションが上がらない時期もありましたけどね。

    ――コンディションが上がらないというのは試合数の多さからくるものですか?

     そうですね。トレーニングができないことに加えて心がキツいんです。元気が出ない。「もう試合が来るのか」という気持ちになります。それは初めてでした。代表にも参加させてもらっていたので、かなりタフでした。夜に試合をして、中2日で普通に昼間の試合とかありましたから。

     行く前に(中山)雄太君から「1月が過ぎると全チームのコンディションが下がるから、そこでいかに勝ち点を詰めるかが大事」と教えてもらいました。僕らは1回、躓いたあとに勝ち点を積めたので、そこでちゃんと積み上げられたのが昇格する上でキーだったと思います。でも、改めてチャンピオンシップはキツいなと思います。

    ――最近はチャンピオンシップでプレーする日本人選手も増えています。

     今後も増えると思います。チャンピオンシップからステップアップする選手も多いし、仮に上がれなくてもここでプレーしていたらある程度いいクラブに行く選手もいる。そこも1つの魅力だと思います。

  • 3_ao_tanaka_16_9_3(C)Ryohei Hayashi

    個人賞4冠はリーズというチームがあってこそ

    ――個人としてはチャンピオンシップのベストイレブンにチームメイト投票のクラブMVP、ファン投票のクラブ年間最優秀ゴール賞、そして選手が選ぶ年間ベストイレブンと個人賞4冠に輝きました。この結果をどう捉えていますか?

     個人4冠は率直に嬉しいです。結果として5ゴール2アシストで、もうちょっとやれたと思いますが、この成績でちゃんと評価されているのは嬉しいなと。それにチームメイトに選んでもらうのはすごく嬉しいです。ちゃんと認められていると思えますから。でも、忘れてはいけないのは僕がリーズに所属していなかったらベストイレブンに入っていないということです。

     チームがあってその賞をもらえています。それはすごく感じています。あとは自分のようなタイプがいないチームを選べたことがすごくよかったと思います。チームのなかで自分にしかできないことがあった。昨年はたまたまアンカーで使われて、自分がいるからボールが回るというチームになったからこそ、こういった賞につながったと思うし、それはサッカーをする上ですごく楽しかった要因でもありますね。

    ――ご自身が選ぶチームの最優秀選手は誰ですか?

     CBのジョー・ロドンですね。46試合すべてに出場しました。僕は彼がMVPだと思っています。本当にいい選手なんです。それにここまで話していて分かると思いますが、46試合に出るのは本当にすごいことですから。キャプテンではないですけど、それぐらいちゃんとチームを締めていた。僕は彼に投票しました。

     後ろからボールをつなげるし、運べて、守れる。昨年で言えば、彼がいないと個人的にはビルドアップが大変でした。彼からはボールがくるし、見てくれるし、助けられました。ラインも高く設定してくれていて、本当に素晴らしいパフォーマンスだったと思います。

    ――ファンショップやスタジアムに行くと、田中碧選手のポスターなどが貼られていました。かなり現地サポーターから愛されていそうですね。

     結構、チームやサポーターからの愛を感じています。僕も何でかと思うくらいです。本当に自分のようなタイプの選手がいないから好きなんだろうなと。それにめっちゃ一生懸命、戦いますから(笑)。スタジアム(のピッチ)に立ってもそれは感じていて、僕がボールを取ったときにもすごい歓声をくれます。

     局面を打開したときや、キープして密集地帯を抜け出したときも歓声がすごいです。プレーしている側からすると、あれは気持ちいいですね。ベンチスタートのときにもアップしに出ていくと、応援歌を歌ってくれますから。スタメン発表のときもチームでもトップクラスの声援をもらえてすごく嬉しい。プレミアリーグになれば、もっとすごい雰囲気になると思うので楽しみです。