――昨季のチャンピオンシップ優勝を改めて振り返ってほしいのですが、シーズン当初はどんな思いを持ちながらプレーしていたのでしょうか?
まずチームに入ってからは絶対に昇格しようと思っていました。ただ、正直なところ、こんなに多くの試合に出られるとは思っていませんでした。加入したのがギリギリだったので、連戦や代表ウィークがあって最初はちゃんと練習する機会がなかなかなかったんです。
ただ、10月の代表ウィーク前に2週間ぐらいしっかりと練習できたことで「ここでもやっていける」と思えました。もちろん、レベルはすごく高くて、最初は全然違うなと思いましたが、それと同時に「スタメンでやっていける」という自信もありました。「出たらやれるだろうな」と思いながら、チャンスを待って、そこでケガ人が出たこともあり、スタメンで出ることができました。
最初の2試合、3試合ぐらいは味方も自分のことを分かっていないので、少し安パイにプレーしましたけど、10月のシェフィールド(・ユナイテッド)との上位対決である程度、自分のプレーを出すことができてからは信頼を掴めたと思います。そこからはトントンと進んでいった感じです。
――最初の時期は焦りもあったんですか?
もちろん、代表にも入りたいので試合に出ないといけないなとは思っていました。ただ、試合に出られないことに対しての焦りは自分の力がない状況での焦りと、自分の力はあるけれど、出られないという焦りの2つのパターンがあると思っています。
自分でも「この選手のほうがいいな」と思って出られないときは冷静に仕方がないなと思いますが、自分の力が通用すると思っているのに出られないのが一番嫌なんです。そう思うと、当時はチャンスがないから出られなかっただけで、チャンスが来たらやれるだろうと思いながら、日々過ごしていました。
結局、チャンスを得てからは最後まで試合に出られたのでよかったと思います。あと、アンカーでずっと出続けるとは思っていなかったですね。もっと前に出ていくほうで起用されるのではと思っていました。
でも、それはそれで楽しくて、いい意味で繋ぐことと潰すことに徹することができました。数字的な結果は少なかったのですが、ちゃんとアンカーの役割を評価してもらえたからやりがいもあったし、やりやすかったです。
――デュッセルドルフ時代、クラブには日本人選手がいました。今回はまったくいない状況で、馴染むのが大変だったのではないでしょうか?
いや、すごく簡単でした。みんな、すごくいいやつなんです。個人的には馴染むことに結構ストレスを感じるタイプではあるのですが、自分より若い選手が多かったり、外国籍の選手が多いのもあって、すごく話しかけてくれました。言語が理解できる英語だったこともあり、仲良くなりやすかったです。
そういう環境も良かったですね。今までキャンプはあまり好きではなかったけれど、今回のキャンプを通してあまり苦じゃないなと。「こんな感じになるんだ」と思ったので、自分の変化も感じています。
それと馴染むという話で言えば、最初の2カ月くらいはホテル生活をしながら試合に出ていました(苦笑)。9月、10月は代表ウィークもあって、かなりタフでした。3週間のうち、2週間はミッドウィークに試合があったりして、全然家を決める時間がありませんでした。コンディションも落ちていたので、かなり大変でした。
ただ、試合に出られていたのは大きかったですね。新しいところでサッカーするのが楽しかったです。ステップアップとかの話ではなく、環境を変えるのがあまり好きではなかったけど、こうやって移籍して環境を変えることは面白いなと思うようになりました。