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ao-tanaka(C)Ryohei Hayashi

「楽しみだけど、ちょっと恐怖も」…田中碧、いざプレミアリーグの舞台へ。「ここでできればどこでもできる」/独占インタビュー第1回

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2024年夏にデュッセルドルフからリーズに加わり、今季で移籍2年目を迎える田中。移籍1年目の昨季はチャンピオンシップ(イングランド2部)43試合出場5得点2アシストとチームをチャンピオンシップ優勝&プレミアリーグ復帰に導き、個人としてもチームメイトによる年間最優秀選手賞&年間最優秀ゴール、そしてリーグの年間ベストイレブンと“3冠”に輝いた。

そんな26歳の日本代表MFが今季、満を持して初のプレミアリーグに臨む。19日(現地時間18日20時)に行われるエヴァートン戦からリーズのシーズンが始まるが、移籍1年目と同様の輝きを放てるか。来夏に迫ったワールドカップにも通ずるプレミアリーグでのシーズンを前に、心境、チームでの立ち位置などを語った。

聞き手=林遼平 構成=玉田裕太(GOAL編集部)

▶︎第2回:安堵と同時に「次はプレミアか」…田中碧が回想するチャンピオンシップ優勝&プレミアリーグ復帰のリーズ1年目

▶︎第3回:「ステップアップする選手も多いし、仮に上がれなくても…」 田中碧が感じたイングランド2部の魅力とは?

▶︎第4回:プレミアリーグで楽しみの1つは“対三笘薫”… 田中碧「人生、最初で最後かも。面白いだろうな」

  • “恐怖”の先にある“楽しみ”

    ――ついにプレミアリーグの舞台に立ちますが、現在の心境はいかがですか?

     楽しみだけど、ちょっと恐怖もある感じです。

    ――恐怖はあるものですか?

     あまりチームの調子がよくなくて、それでいて自分もよくなくて、「これではプレミアリーグでできない」となるのが一番嫌。そこは自分のなかで見極めたいというか、ちゃんと自分のなかでできている感触を得るのが大事だと思っています。

     だから、個人の感覚で「あっ、意外とできる」となるのか、「この選手たち凄すぎる」となるかは楽しみですね。もちろん、「全然できない」となったらなったで、1年間をかけて「全然できるようになった」となれればいいとも思っています。恐怖もあるし、不安もあります。だけど、楽しみが勝つ、みたいな感じです。

    ――チャンピオンシップとは違う感覚でしょうか?

     世界一のリーグですからね。選手も含め、全然レベルが違います。だから、個人的にここでできれば、どこでもできるだろうなという感覚になると思っています。それこそワールドカップで準決勝や決勝までいくような選手と毎試合やるわけですから。そこが世界一のリーグたるゆえんだと思います。

     そういう意味でも、現時点ではやはり楽しみのほうが大きいですね。ただ、スタートダッシュは大事だと思っています。チームとしても、個人としても『やれる』という手応えをどこでつかめるかによって、その後の流れが変わってくるのは間違いないです。

     もちろん、チームとして課題がたくさんあるのは分かっていますが、どれだけ押し込まれようが失点しなかったら勝ち点1も拾えます。そのへんの感覚はやってみて分かってくることだと思います。

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  • ao-tanaka(C)Getty Images

    大事なのはどれだけ自分が成長できるか

    ――プレシーズンではマンチェスター・ユナイテッドやミラン、ビジャレアルなど、“いい相手”と対戦しました。

     正直、急に異世界に来たのかと思いました(笑)。違う国のトップチームと試合をすることもあまりなかったですから。相手の選手もすべて分かっているわけではないので、ミランやビジャレアルの選手も含め、すごくいい選手なのにサブなのかとか、世界は広いなと思いました。そういうのも楽しかったですね。

    ――プレミアリーグでの戦いに向けていい教材になりましたか?

     個人の局面で言えば、「意外とやれるな」という感覚はありました。例えば、以前(マンチェスター・Uの)カゼミーロがいるブラジル代表と対戦したときに「とんでもなくうまい」と思った記憶がありますが、プレシーズンで対戦したときは「そこまで大したことない」と感じました。

     もちろん、それが公式戦になったら違うのは分かっています。1回かっさらわれて失点につながったとして、また同じプレーができるかと言われれば簡単ではないですから。だから、今の感覚的には「意外とやれそう」という感じです。ここから本番のスピード感や雰囲気にアジャストしないといけないと思っています。

     自分ができなかったら、チームとしてもうまくいかないと思っているので、自分のなかで早くアジャストできるようにならないといけないと考えています。

    ――ここまでの話を聞いて不安も理解できます。

     特に最初の試合ですよね。エヴァートンは多分ガツガツくると思いますが、自分にできないことがたくさんある前提でやろうと思っています。別に奪われてもいいし、ミスしてもいいです。大事なのは短い時間のなかでどこまで自分が成長していけるか。1試合のなかでもそうだし、シーズンを通してもそうです。その両方でどれだけ成長していくことができるかは楽しみなところです。

  • 「全部勝ちを目指してやります」

    ――プレシーズンを見る限り、(セントラルMFの)昨季とポジションが変わりそうです。新たなポジションでのイメージは?

     今年はアンカー的な立ち位置ではないので、比較的自由にプレーができるかなと思います。3ボランチのような形で、アンカー以外のもう1人の選手もどちらかというと守備ができて、フィジカル的に大きい選手なので、自分が一番、攻撃で違いを作らなければいけないポジションになるかなと。

     かといって、10番(トップ下)みたいな選手を置いていないのは(自分も)守備に戻らなければいけないから。そこの強度はプレシーズンをやってすごくきついなと感じています。その強度を高く保ちつつ、どれだけ長く維持できるかは自分のなかで現状の課題だと考えています。

    ――チームとしての手応え、課題はありますか?

     プレシーズンでは一応、負けていないので、そこの手応えはあります。だけど、それと同時に課題は個人的にたくさん感じています。まだまだやらなければいけないことは多いなと。個人としても課題はたくさんあると思います。

    ――では、具体的にチームとして手応えを感じている部分はありますか?

     ボールは多少持てるなと思います。プレシーズンでユナイテッドとやったときも持てるし、剥がせる場面も作れました。ただ、ペナルティーエリア内に入っていけるかと言えば、結局そこまでいけていないというのもありました。ミランも5バックだし、ユナイテッドも5バックだったので、なんとも言えないところはありますが、そもそもペナ内に入っていくのが簡単ではないです。結局、際のところでちゃんと守られたりしています。

     そう考えると、攻撃は点を取る作業のところですごく苦労するかなと。守備に関しても強度を高くできるか、際の部分で負けないかという2つのところが大事になると思います。あとはブロックを組んだときにちゃんと守れるかが試される場面が出てくると思いますし、キーになってくると感じています。

    ――プレシーズンの価値は大きかったですか?

     やはりいいチームと試合ができましたよね。今後は大前提に「負けない」というのがすごく大事になってくるので、引き分けというものはポジティブに立場上、捉えていかなければいけないと思います。

     ただ、まだ始まってないから言えますけど、大前提にそもそも僕は全部勝ちを目指しているので。最低限はもちろん残留です。現実的に残留が目標なんだけど、やる前から残留を目標にするのはある程度負けるのを想定していることになるじゃないですか。もしかしたら100分の1を38回当て続ける可能性もあるわけで。だから、僕は全部勝ちを目指してやります。毎試合、勝ちたいと思っている以上、ワールドカップと一緒ですけど、どの大会でも一番になりたいです。

     現段階では全部勝ちを目指しつつ、状況によって勝ち点1でも悲観せずに考えたいです。そうやってシーズンを通して戦っていくことが大事だと思います。

  • ao-tanaka(C)Getty Images

    「エヴァートン戦、楽しみだなぁ」

    ――「全部勝ちを目指す」は今季への覚悟を感じさせます。

     やるからには毎試合、勝つというメンタリティで戦います。その先に優勝があるというスタンスです。残留できれば、結果としては100点です。でも、全試合勝ちたいという目標があるから、この試合は「こうしよう、こうしよう」と考えることができます。

     これが「引き分けでいい」というスタンスだと、戦う前からプラン自体が変わってきてしまいます。そうなったらやはり成長もしなくなってしまうと思っています。相手がリヴァプールだろうが、シティだろうが、まず勝ち点3を取りにいくために準備をするし、それに向かって行動します。

     そこで初めて「これが違ったな、あれが違ったな」という発見があります。スポーツに限らず、何かをするときには状況がどうであれ、そこはぶらしてはいけないなと思います。

    ――いよいよ、初のプレミアリーグに臨みます。

     正直、自分からしたら対戦相手が「ウイイレで使ってた!」って選手ばかりですから。エヴァートンを調べていたときにも「(イドリッサ・)ゲイェも使ってた選手だ」となりました。エヴァートン戦、楽しみだなぁ。勝ち点3がほしいです。できないとは思っていないです。できると思っています。

     そこでダメだったときに選手を獲ってくるみたいになるのが嫌だし、ここで中盤を獲ってこようという考えにさせてしまってもダメ。だからこそ、試合に勝つことに意味があります。8月の3試合が本当に大事。最低限、勝ち点4は狙っていきたいです。