今シーズンのプレミアリーグが終了した。しかし、だからといって、今シーズンに見るべき出来事やドラマ、笑いの種がなかったというわけではない。むしろ、まったく逆である。プレミアリーグの素晴らしいところは、賭けどころがなくなったとしても、楽しみを見つけることができることだ。
GOALのレッドカーペットを歩きながら、我々なりの授賞式をお楽しみいただきたい…
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今シーズンのプレミアリーグが終了した。しかし、だからといって、今シーズンに見るべき出来事やドラマ、笑いの種がなかったというわけではない。むしろ、まったく逆である。プレミアリーグの素晴らしいところは、賭けどころがなくなったとしても、楽しみを見つけることができることだ。
GOALのレッドカーペットを歩きながら、我々なりの授賞式をお楽しみいただきたい…
Getty Images Sport我々の最初の賞には数多くの候補があった。グディソン・パークでの最後のマージーサイド・ダービーで、エヴァートンとリヴァプールが2-2の劇的な引き分けを演じた試合は、今なお人々に強烈な印象を残している。しかし、我々が選んだのはアーセナルがマンチェスター・シティを5-1で破った試合である。この試合には、プレミアリーグで求められる激しい試合の要素がすべて詰まっていた。
2022-23シーズンと2023-24シーズンにタイトル争いを繰り広げたアーセナルとマンチェスター・シティが互いに激しいライバル心を抱いていることは明らかだ。9月の2-2の引き分けの試合では、マンチェスター・Cがアーセナルから勝ち点1をもぎ取ったが、その際、アーリング・ハーランドがミケル・アルテタ監督を挑発して「謙虚でいろよ」と言ったことは、この新時代のライバル関係にさらなる緊張を加えた。そして、その言葉は、ノルウェー代表選手自身にも跳ね返ってきたのである。
ディフェンディング・チャンピオンのマンチェスター・Cはエミレーツ・スタジアムで惨敗した。前の試合でハーランドの標的とされた10代のマイルズ・ルイス=スケリーは、ハーランドが得点を決めた際に披露する禅のポーズを真似て仕返しし、試合終了時にはケンドリック・ラマーの『HUMBLE.(謙虚)』がスタジアムで流された。だから何だって? そう、確かに些細なことだ。だが、サッカーにこのような刺激が必要かと問われれば、絶対に必要なのである。
Getty Images Sportマンチェスター・Cのファンにとって残念なことに、この項目は読み心地の良いものではない。ペップ・グアルディオラ監督とその仲間たちは、地球上でプレーされた最悪の試合のひとつにも、不名誉かつ悪名高い形で貢献したのである。
マンチェスター・シティが隣人のマンチェスター・ユナイテッドと0-0で引き分けたことは、歴史から抹消されるべきだ。この試合は、サッカー界全体を、かつてのサッカーにはあったものを求めて嘆く理不尽さの渦に巻き込んだ。幸いなことに、直近2カ月のサッカーは素晴らしいエンターテインメントをもたらしており、我々は皆、オールド・トラッフォードでの不名誉を忘れるべく、多くの努力をしている。
Getty Images Sport今シーズンの最終日にノッティンガム・フォレストがチャンピオンズリーグの出場権争いをすると予想していた人は手を挙げてほしい。シーズンの大半で上位3チーム内にいるだろうと予想した人も。
最も熱心なフォレストのファンでさえ、2024-25シーズンの好成績が予想外であったことを認めるだろう。プレミアリーグ史上初めて、前のシーズンから勝ち点を倍増させたチームとなり、来シーズンはヨーロッパ大会に出場することになる。シティ・グラウンドの混乱を乗り越えたヌーノ・エスピーリト・サント監督の手腕に拍手を送りたい。
Getty Images Sport今シーズン開幕前、マンチェスター・ユナイテッドが、エリック・テン・ハーグ監督を解任せずに夏を過ごし、代わりに2億ポンド(約386億円)相当の資金を投入して監督を支えるというデタラメな決断を下したため、クラブ外では多くの疑問の声が上がっていた。その後、赤い悪魔があのように悪いスタートを切り、オランダ出身監督を解任するしか選択肢がなくなったことは、正直言って驚くべきことではなかった。
ルート・ファン・ニステルローイが暫定監督としてチームを安定させた後、スポルティングCPから加入したルベン・アモリムには、クラブの内外から、状況を大幅に改善することが期待された。ところが、このポルトガル出身監督の下でマンチェスター・Uの状況は悪化し、1試合平均で勝ち点1も取れないという成績になってしまっている。
真の問題は、リーグを15位で終えただけでなく、マンチェスター・Uが水曜のヨーロッパリーグ決勝でトッテナムに敗れ、タイトル獲得の絶好のチャンスを逃したうえに、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を獲得できなかったことである。『若者たち、それがトッテナムだ』と言ったのは、誰だっけ?
Getty Imagesもともとは単一のユニフォームデザインに対する賞だが、イプスウィッチ・タウンの3つのユニフォームはどれも素晴らしく、例外を認めざるをえなかった。トラクター・ボーイズは2002年以来のプレミアリーグでのシーズンを生き残ることはできなかったが、順位表を転がり落ちる間も、少なくとも見た目は素晴らしかったのだった。
ホーム用の青いユニフォームはクラシックなデザインと質感で、ピンストライプと盾形の記章。アウェイのユニフォームは気品が漂う深紅。第3のユニフォームはピンクが鮮やかで細部へのこだわりが見てとれる。素晴らしい!
申し訳ないが、ミッキー・ファン・デ・フェンのようなプレーをするセンターバックなど、絶対にありえない。自陣のハーフウェイ・ライン付近でボールを奪い、敵サイドのタッチラインまで疾走し、ブレナン・ジョンソンが簡単に決められるような完璧なマイナスのパスを出すなんて、馬鹿げている。
この賞の受賞者は、9月のマンチェスター・ユナイテッド戦でのファン・デ・フェン。心ゆくまで何度でもご覧あれ…
Getty Images Sportシーズン2週目、チェルシーはウルブスと対戦すべくウォルヴァーハンプトンに遠征し、試合前日に現地で一泊した。ノニ・マドゥエケは町が気に入らなかったようでインスタグラムに「クソ」と投稿し、地元住民の怒りを買った。
翌日、マドゥエケはハットトリックを決め、ブルーズが6-2で勝利を収めた後、地元住民に謝罪した。「傷つけたかもしれない皆さんに謝罪したい。あれは単なるミスで、事故のようなものだ。SNSに投稿するつもりはなかった。ウォルヴァーハンプトンは間違いなく良い町で、申し訳なく思う。ブーイングは予想していたし、それもサッカーの一部だ。そういうプレッシャーのもとでプレーする力が必要なんだ」。
AFPウナイ・エメリはアストン・ヴィラを戦えるチームに育てあげただけでなく、その実力に相応しい独自のスタイルも備えさせた。容赦なく攻撃し、チャンスを作ることを楽しむように作られたチームであり、そのせいで相手にも多くのチャンスを許してしまうことも辞さない。
エメリのチームは、ヴィラ・パークで息もつけないほど執拗にプレーする。選手たちは互いにハードワークを惜しまず、過去3シーズンでこのイギリス第2の人口を誇る都市で培われた団結力は称賛に値する。
チャンピオンズリーグでも、決勝に進出したパリ・サンジェルマンに対して、驚異的な逆転勝利をほぼ手中に収めそうだった。このような偉業達成まであとほんの数センチのところまで迫ったことこそ、ヴィラが、ユニークで比べるもののない、見応えのあるサッカーをしている証拠である。
Getty Images Sportまず、ちゃんとした基準を決めることにしよう。プレミアリーグとPFAの「年間最優秀若手選手賞」は、あまりにも基準が緩すぎて、比較的経験豊富な選手がこの栄誉を獲得できてしまう状況にある。
関連する当局は、新たな制限を導入する必要がある。シーズン開始時に20歳未満で、プレミアリーグ(またはそれに相当する5大リーグ)で出場経験が500分未満の選手のみが対象となるべきだ。そうすれば、2024年9月でデビューし、今シーズン負傷者続出のガナーズで、それまでプレーしたことのなかった左バックを急遽務めるようになった、アーセナルのマイレス・ルイス=スケリーが、年間最優秀若手選手賞を受賞するべきだ。この少年は特別な存在だ。
Getty Images Sportラウール・ヒメネスはかつてプレミアリーグで最も優れたセンターFWのひとりであった。2019年から2021年にかけてウルブスで全公式戦通算44得点を記録している。しかし、アーセナル戦での頭蓋骨骨折によりキャリアが中断され、メキシコ代表の背番号9は完全回復を果たした後も、以前と同じようなプレーを見せられなくなっていた。
だが、今シーズンは状況が一変した。昨シーズン、フラムでの最初のシーズンは平凡な成績に終わったヒメネスだが、今シーズンは有望な若手ストライカーのロドリゴ・ムニスから先発の座を奪取し、残り1試合を残して、ヨーロッパに移籍してから2番目に多いリーグ得点数となる12得点を記録している。
Getty Images Sportこの賞の唯一の候補者は、まさにこの賞にふさわしい素晴らしい仕事をした人物である。それは、実際にプレミアリーグ最優秀監督賞にノミネートされたウルブスのヴィトール・ペレイラ監督で、パブで一杯やる国民を感動させ、多くの称賛を浴びてきた人物だ。
ウルブスは、この得体のしれないポルトガル出身監督が就任した当時、19位に沈んでおり、残留争いのライバルであるイプスウィッチに敗れたばかりだった。ピッチ外では、スター選手のマテウス・クーニャが1月に移籍すると噂され、7年連続で所属してきたイングランド・トップリーグからの降格が近づいているように思われていた。ところが、5月になった今、ウルブスはELを制覇したトッテナムを上回りシーズンを終えている。
Getty Images Sportこの賞は、今年どんな時でも努力を惜しまなかった唯一の監督に捧げる。そう、ペップ・グアルディオラ、あなたは勝った。今シーズンはタイトルこそ手に入らなかったが、コミュニティ・シールド優勝よりも名誉ある賞を手に入れたんだ。そうだろ?
Getty Images Sportブレントフォードがまたやってくれた。毎年チームの中核を成す選手を失いつつも、それでも何とか戦い続け、進化を遂げている。昨夏、イヴァン・トニーがサウジ・プロリーグのアル・アハリに4,000万ポンド(約77億円)で移籍したにもかかわらず、ブレントフォードより強力な攻撃陣を築き上げた。
その要因は、ブライアン・ムベウモとヨアネ・ウィサというコンビにある。現代のバークレイズマンと呼べる2人は得点感覚に優れ、2人合わせて今シーズンのプレミアリーグで38得点を記録。これはブレントフォードの得点の58.5%に当たる。
ムベウモにはマンチェスター・ユナイテッドやリヴァプールが関心を寄せており、今夏ブレントフォードを離れる可能性が高いと噂されているが、ウィサはGtechコミュニティ・スタジアムに残りそうである。
Getty Images Sportプレミアリーグにおいて、グディソン・パークほど記憶すべき恒久的な存在はほとんどない。エヴァートンの歴史ある古き良きスタジアムは、個性と色彩に満ち溢れている。伝統的なサッカースタジアムといえばここ、と言っていい存在なのだ。
日曜に行われた、この「グランド・オールド・レディ」との別れは、感傷的で賑やかで感動的だった。このスタジアムを失ったプレミアリーグは、もはや今までと同じでなくなったが、少なくともトフィーズのファンには、ウォルトン・ホール・パークから移転することになっている女子チームを応援するために、ここを訪れる機会がまだ残されている。
グディソン・パークに注目。前述したエヴァートンと宿敵リヴァプールとの試合で、ジェームス・ターコウスキーがアディショナルタイムに同点ゴールを決めた後、エヴァートンの熱狂的なサポーターがどれだけ熱狂したかを見てみよう。
さて、この項目に関して、アーセナルのファンは、PGMOL(イングランドプロサッカー審判協会)のカルテル(またはそれに類するもの)のせいで追い出しをくらったと文句を言うだろう。だが、事実として、今シーズンの最悪の判定の被害者は彼らではない。
その栄誉もしくは不名誉は、ブレントフォードとウクライナ出身の選手イェホル・ヤルモリュクに帰属する。ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンのジョアン・ペドロが、まったくもって意図的な肘打ちでヤルモリュクの頭をほぼ吹き飛ばしたのである。主審のアンドリュー・マドレイとVAR担当のクリス・カヴァナは、これをレッドカードに値する暴力行為ではないと判定した。ならば、どんな基準で退場処分が下されるというのか…
Getty Images Sportルベン・アモリム監督が3日ごとにマンチェスター・ユナイテッドの記者会見に臨み、自身と選手たちを完全な失敗者だと主張する姿は、チームがプレミアリーグ史上最低の成績でシーズンを終えようとしている今シーズン、チームを鼓舞するどころか逆効果だった。まったくもって驚きだ。
最も有名なのは、1月にブライトンに負けた試合の後での発言で、赤い悪魔の監督は次のように述べた。「我々はマンチェスター・ユナイテッド史上最悪のチームかもしれない。あなた方はニュースの見出しになるものが欲しいんだろうが、私は、自分たちが史上最悪であることを認め、それを変えなければならないと思うから言うのだ。さっさと行って、ニュースの見出しを書きたまえ」。
「プレミアリーグの10試合で3勝しかしていない。それがマンチェスター・ユナイテッドのファンにとって、どういうことなのか、私にとって、どういう意味をもつのか、想像してほしい。新監督が前の監督より多くの試合で負けている。その事実を私は完全に理解している。何があっても私は何も変えない。成功できると信じているが、この瞬間を生き延びなければならない。私は世間知らずではない。今、生き延びることが必要なのだ」。
Getty Images Sportこの授賞式もどきを締めくくるため、我々独自の、プロ選手としての成功のために多大な犠牲を払ってきた個人やグループに贈られる「人生をかけたで賞」を発表する。この賞は、今年国内のカップ戦で優勝し、一世代にわたる苦悩を終わらせ、生涯忘れられない思い出を築いたニューカッスル・ユナイテッドとクリスタル・パレスの長く苦しんできたファンに贈ろう。
これこそがサッカーの真髄だと言う、イーグルスの監督オリヴァー・グラスナーの言葉はまったくもって正しい。「トロフィーを獲得すること自体が最大の成果なのではない。ファンに幸せを与えられるかどうかが重要なのだ。ファンは決して一時的な存在ではない。私はいつも、ファンについて話す時はひとりひとりのファンのことを思い、チームについて話す時はチームに関わる全ての人々、ひとりひとりのことを考えている」。
「思い出や感情について話す時、私は鳥肌が立つ。なぜなら、それは永遠に残るものだからだ。すべてのファンには、それぞれの物語がある。悲しいものもあれば、非常にポジティブなものもある。すべてのファンのひとりひとりの背後には、その人なりの物語が存在するのだ」。
「確かなことは、土曜のパレスのファンは、ひとり残らず全員が誇りを持っていたということだ。全員が遠征を楽しんだ後、この大きな成功を経験した。数時間、あるいは数分間、人によっては、人生で起こっていること全て忘れることがある。だからこそ、サッカーは世界一のスポーツなのだ。サッカーに何ができるか、サッカーはどうあるべきかの最高の例だった」。