9月から始まるアジア予選の新ステージは、一般に過去の例から“最終予選”と呼称される。ただ、日本サッカー協会の表記は「最終予選(3次予選)」であり、英語表記は「3rd round」(つまり3次予選)である。
イメージ含めて現実的な言い方をすると、「最終になるかもしれない予選」と言うべきだろうか。
ここまで残った18チームを6チームずつ3ブロックに分けてホーム&アウェイでの2回戦総当たり戦方式で対戦。各グループの上位2チームがワールドカップへの切符を手に入れられる。その意味で、“最終”の場となる“可能性がある”ステージである。
ただし、3位と4位のチームはアジア内のプレーオフステージとなる4次予選へと進むことになり、そこからさらに5次予選、そして“0.5枠”の行方をかけた大陸間プレーオフと続く形になる。
正直な話、ここには行きたくないのだ。ここまでいくと心理的なプレッシャーも相当あるので、かなりリスキーな戦いを強いられるからというのも当然ある。ただ、そこに加えて“世界大会への準備時間を削り取られる”ことのほうが重い。
ワールドカップで過去4度16強を経験した日本代表の現実的目標は8強以上にある。たまたまではなく、実力で8強に入れるチームは頂点を狙う可能性を持ったチームである。
だから森保一監督や選手たちから「世界一」という目標設定が出てくるわけだが、アジア予選に絡め取られる時間が長くなればなるほど、この目標のリアリティは失われていく。
現実的にアジアと世界の“差”は大きいのだから、予選を抜けるための戦いと、世界大会の高い壁をぶち抜くための戦いはまるで違ってくるのだから当然だ。
中国、バーレーン、サウジアラビア、オーストラリア、そしてインドネシアとの対戦が続くこの3次予選を“最終”にして、直接ワールドカップへ行くのはマストと言える。
その上で、できればギリギリ突破も避けたい。
赤道近くもあれば、季節反転の南半球もあり、中東気候もあるアジアを転戦するこの予選はコンディションの負荷も大きい。できれば早めに突破を決めて、新しい戦術や選手を試すくらいの余力を持って世界大会への準備を予選のうちに始められれば理想的だ。
6位でもなく、やっぱり1位で抜けたい。いま開幕前に目標を定めるなら、そのラインだろう。