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12年ぶりの昇格へ。横浜FCは鋭いロングカウンターで東京Vを仕留める/J1参入PO

■ポゼッションから堅守速攻への転換

2006年以来、12年ぶりの昇格を懸けて横浜FCは12月2日、J1参入プレーオフに挑む。

明治安田生命J2リーグ戦は、自動昇格圏2位・大分トリニータに得失点差で届かず3位でフィニッシュした。J1ライセンスを保持していないFC町田ゼルビアが4位にランクインしたため3位の横浜FCはシード扱いとなり、この2回戦からの登場となる。

最終的に3位でのプレーオフ参加となったが、困難を極めたシーズンだった。昨年10月に就任したタヴァレス監督が、開幕当初に掲げていたのはポゼッションサッカーだ。GKもビルドアップに参加して地上戦で主導権を握ることを徹底。だが、ブラジル人指揮官による自由度の高い戦術に、選手たちは戸惑いミスを繰り返して失点を重ねた。

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この悪循環に拍車を掛けるかのように、ディフェンス陣を中心にケガ人が多発。スタイルの転換を余儀なくされた。そこで指揮官が選択したのは「選手の特性に見合ったチームを構成していくこと」。「それが自分のスタイル」と語るように、ピッチでプレーする選手のストロングポイントを生かす形へとシフトした。

システムをそれまでの4-2-3-1から3-5-1-1に変更。現在のプレーモデルである守備時には5-3-2に可変する陣形を取り守備の強度を高め、攻撃面ではセカンドトップのレアンドロ・ドミンゲスを中心に、鋭いロングカウンターでワンチャンスを仕留めるというスタイルを突き詰めていった。加えて選手たちもピッチ内外で密なコミュニケーションを取り、各試合で浮き彫りになる課題を改善。そうして徐々に「堅守速攻」という明確なサッカーが確立されていく。

■徐々に浸透してきた監督の流儀

2018-11-30-yokohamafc-formation©Goal

▲東京V戦の予想フォーメーション

「守備では相手が4枚で来たり、3枚で来たり、前が2トップ、1トップだったり。いろんな経験をしていく中で(自分たちの)守り方を見つけてきた。ファジーなポジションを取ってくる相手に対しては結構やられていたけど、少しずつ自分たちで守り方を見つけて、結果に出てくるようになってきている。そのへんはある程度積み上げられていると思う」。最後尾からチームを支える守護神・南雄太は語る。

加えて、タヴァレス監督が常に求めてきたのは自主性。試合状況によって、プレスの開始位置を見極める。相手のフォアチェックが緩いのであれば自分たちがボールを保持しながら主導権を握っていく。これをピッチ上の11人に局面ごとに判断させてゲームを運ぶことを説いてきた。生え抜きの齋藤功佑が「シーズンを通して選手たちが何とかしようとして、自主性を持ってやっていた」と話すように、これら指揮官の流儀が浸透していったことが、リーグ戦を3位でフィニッシュできた一因でもある。

■一番の強みは「誰が出てもよい」チーム

そして、中でも最大の強みは、「誰が出てもよい状況」(イバ)にあるということ。ケガ人の続出や出場停止が多かったこともあって、「ほとんどみんなリーグ戦に出ている。普段出ていない選手が出たとしても、彼らが良い試合をしてくれる。チーム全体として本当に自信を持って誰でも送り出せる」とタヴァレス監督は目を細める。

昨季はイバやカルフィン・ヨン・ア・ピンを失って失速してしまったが、今季は主力選手が欠けたとしてもチーム全員で乗り切って、粘り強く勝ち点を積んできた。「試合に出ているメンバーの中でも良い感じでやれているし、サブのメンバーや、メンバー外の選手も全員がまとまってきている感じがする」(齋藤功佑)

シーズンで重ねてきた自信を胸に迎える東京ヴェルディ戦。リーグ戦では今季1分1敗の未勝利と苦杯をなめている。相手は横浜FCのスキを突き、前回対戦のように、ほとんどの時間ボールを支配されて苦しい展開になる可能性が高いだろう。

だが「われわれも強いチーム。ウチにとってはリベンジ」(イバ)の一戦でもある。今季の積み重ねを今こそピッチで表現し、落ち着いてゲームコントロールできれば最高の結果を手にすることができるはずだ。

今大会は引き分けであれば、リーグ戦順位が上の横浜FCが勝ち上がれるレギュレーション。しかし、横浜FCには6年前の苦い経験がある。2012年のJ1昇格プレーオフ準決勝・ジェフユナイテッド千葉戦。同様の状況で0-4の大敗を喫した。ドローを意識していたわけではないが、ミスを恐れて後ろ向きのプレーが足かせになって敗退した。その試合を経験している主将の佐藤謙介は、「周りを引っ張って前に前に出せれば」と同じことを繰り返さないと誓う。

今季の横浜FCはさまざまな困難を乗り越えてきたからこそ、チームとして強くなっていった。12年ぶりのJ1昇格へ――。エース・イバは決意を込める。

「すべての集中力をかけて110%の気持ちで臨む」

文=高澤真輝

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