24日、日本代表はAFCアジアカップ2019(UAE)準々決勝でベトナム代表と対戦し、VAR判定で得たPKから堂安律が決めて1-0の勝利を収めた。中2日の日程、警告を受けている複数の選手がいながらも、森保一監督はラウンド16サウジアラビア戦からほぼメンバーを代えずにこの試合に臨んだ。その真意はどこにあるのか? 現地で取材を続ける飯尾篤史氏は、その理由をこう見る。
■半年前とまったく同じ采配
中2日という厳しい試合間隔でありながら、代えざるを得ないひとりだけしかスタメンを変更しない――。それは半年前とまったく同じ采配だった。
森保一監督率いるU-21日本代表が臨んだ昨年8月のインドネシア・アジア大会。ラウンド16から準々決勝まで中2日しかなかったが、負傷した原輝綺を除き、同じ10人をそのまま準々決勝のピッチに送り出した。
このとき、森保監督はその狙いについて、こんなふうに語っていた。
「試合に勝つという結果にこだわってやっていますけど、選手がちょっとキツい状態でもプレーさせることも状況によって考えています。結果と個の成長、チームの成長という部分をいろいろと考えながら、選択していきたいと考えています」
そして今回のベトナム戦も、出場停止の武藤嘉紀に代えて北川航也を選んだ以外、まったく同じ10人をスタメンに指名した。
もちろん、入念にトレーニングを積む時間がないから、ラウンド16のサウジアラビア戦での連係・連動をそのまま持ち込みたい、という狙いもあっただろう。
だが、そこには半年前と同じように、こんな思惑もあったのではないだろうか。
ちょっとキツい状態でプレーさせることで、成長できることがある――。
■前半、ベトナムの対策にハマった日本

▲元水戸で、ベトナム代表の10番グエン・コン・フォンの突破にも手こずった
韓国人のパク・ハンス監督率いるベトナムが、日本対策をしてきたのは明らかだった。
これまで攻撃的だった両ウイングバックはオーバーラップを自重していたし、日本のディフェンスラインから縦パスを誘い、それをインターセプトして速攻につなげてきた。その術中にまんまとハマった吉田麻也が振り返る。
「僕から出るクサビのボールを狙ってカウンター、っていうのは意識していたんじゃないかな。わざと空けているように感じました」
おまけに本来はシャドーの19番グエン・クアン・ハイとボランチの16番ド・フン・ドゥンが最初の10分間だけポジションを入れ替え、撹乱してきた。
1トップに入る10番のグエン・コン・フォンの強引なドリブルにも手を焼き、38分にはGK権田修一のパスを吉田がトラップしたところを狙われ、ピンチを招く。「集中して入ったけれど、少し頭がぼやっとしたところがあった」と長友佑都が振り返ったように、疲労の影響があったのかもしれないが、チーム全体が精彩を欠いていたのは間違いない。
日本がようやく目を覚ますのは、後半に入ってからだ。
「ハーフタイムに森保さんから、回して、疲れさせて、空いてきたら仕留めろ、という指示があった」と原口元気は明かす。パススピードと攻撃のテンポが上がり、ボールの出し入れが活発になる。右サイドの酒井宏樹、堂安律、南野拓実を中心にコンビネーションによる攻撃も生まれ始め、距離感も改善された。
決勝点となるPK獲得のシーンもコンビネーションからだった。遠藤航の縦パスを受けた原口が堂安へスルーパス。抜け出したところを倒され、PKを獲得した。終盤にはベトナムの反撃に遭ったが、決定的なチャンスを与えず、1-0で逃げ切った。
■チームが身に着けつつある力
もちろん、改善すべき点、修正しなければならないポイントは少なくない。
「まだまだ良くしていかないといけない」と長友も認めるように、相変わらず左サイドの連係・連動は芳しくなく、原口と長友のどちらがどのレーンを使うのか整理されていない。
「明確な攻撃のパターンというものは、まだ出来上がっていない」と冨安健洋が明かしたように、依然としてディフェンスラインから中盤への配球がスームズではないシーンも目立つ。
とはいえ、中2日の試合間隔で「トレーニングできない状況」(森保監督)なのだから、それは仕方のないことでもある。むしろ今は、2試合連続1-0の完封勝利を掴み取った“握力の強さ”を頼もしく感じるべきだろう。長友が胸を張る。
「今までは自分たちのサッカーができなかったり、相手にボールを持たれたりすると、みんながナーバスになってネガティブな状況が生まれたけれど、今はそんな状況でも大丈夫だと。締めるべきところを締めて身体を張れているから問題ないよと。精神的なところで、したたかなチームというか、成熟してきているのを感じます」
準決勝の相手は現在、アジア最強との呼び声が高いイランである。おそらくラウンド16のサウジアラビア戦のように防戦一方になるだろう。だが、今の日本代表はそんな状況に焦れたり、集中を切らしてしまったりすることはないはずだ。
締めるところを締め、ワンチャンスを仕留める――そのしたたかさが本物かどうか、次のイラン戦で明らかになる。
文=飯尾篤史
▶サッカー観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう
【DAZN関連記事】
● DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
● DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
● DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
● DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
● 野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

