■国内組主体でもぎ取った勝利
森保一監督は、アジアカップ開幕から海外組を軸とした先発メンバーで戦ってきた。9日の初戦・トルクメニスタン戦はGK権田修一(サガン鳥栖)とDF槙野智章(浦和レッズ)を除く先発全員が欧州クラブに所属する選手で構成されていた。13日の第2節・オマーン戦も国内組は権田とFW北川航也(清水エスパルス)のみだった。
しかし、17日のウズベキスタン戦は塩谷司(アル・アイン)と乾貴士(ベティス)、武藤嘉紀(ニューカッスル)以外の8人が国内組だった。いわば「Jリーグ勢の底力が問われる一戦」とも言えた。1位通過のためには勝利しかないという状況。Jリーグ勢は、公式戦(12月1日・明治安田生命J1最終節)から1カ月半以上遠ざかっており、試合勘の不足やコンディション面の調整といった課題もあって、立ち上がりは非常に硬かった。
「まず外国人選手相手の環境に慣れなきゃいけなかった。コンタクトや独特の雰囲気があった」。キャプテンマークを巻いた青山敏弘(サンフレッチェ広島)はこう振り返る。右サイドの伊東純也(柏レイソル)も「このメンツで90分やるのは初めて。最初は合わないところもあった」と、試合の入りが不安定だったことを認めている。
しかし、時間が経つにつれて連係がスムーズになると、チャンスも増えてきた。と思われた40分、槙野と三浦弦太(ガンバ大阪)の間を突かれて失点したのは痛かったが、その3分後、武藤嘉紀(ニューカッスル)が同点弾を叩き出す。1-1で迎えた後半も意思統一と結束力を維持しつつ賢くゲームを運び、塩谷が目の覚めるような豪快な左足ミドルを決めて逆転に成功した。
得点こそ海外組の2人が挙げたものの、国内組中心のメンバーで2-1の勝利をもぎ取り1位通過を引き寄せたのは、森保ジャパンにとって非常に大きな意味をもたらしたと言っていい。
■チームの新たなオプション

特に光ったのが、室屋成(FC東京)と伊東の右サイドだった。
サイドバックの室屋は相手とのデュエルで勝ち切り、一気にドリブルで持ち込んで精度の高いクロスを蹴り込み、武藤の1点目をアシスト。さらに塩谷の2点目につながるクロスをゴール前に入れたのも室屋だ。伊東も爆発的なスピードで何本も右サイドの奥深くまで侵入し、決定的なチャンスを演出。“違いを作れる男”としてウズベキスタン守備陣に脅威を与え続けた。
彼らの推進力と突破力を引き出した青山の展開力とタテパスのうまさも評価に値する。武藤や北川ら前線との連係含めて、右のホットラインの活躍はチームに新たなオプションをもたらしたと見ていいだろう
「1点目の場面は、結構サイドで孤立していたので、仕掛けるしかないと思っていました。1回ボールを戻したときに相手サイドハーフの選手が食いついてきたので、『このタイミングだったら来るな』と思って行ったらうまく引っかかってくれた。クロスはよっちくん(武藤)とか中に強い選手がいたので、GKにキャッチされないくらいふんわりしたボールを上げたらうまくいくと思った。特別誰かに合わせるというよりは、スペースに上げるイメージで蹴りました」
室屋は失点直後の追い込まれた状況でも冷静さを失わず、的確な判断を下せたことを明かす。その落ち着きは数々の年代別代表の経験値もあるだろう。この試合で酒井宏樹(マルセイユ)という絶対的な右サイドバックに挑戦状を叩きつけたことは、前向きな点だと言える。
また、室屋から武藤というFC東京新旧ホットラインから値千金の同点弾が生まれたことも、サポーターを湧かせる材料になった。武藤と室屋はFC東京で一緒にプレーしてはいないが、代表でもJ所属時の蓄積が生かされることもある。それは青山、塩谷、佐々木翔の広島勢、あるいはロシア・ワールドカップで輝いた大迫勇也(ブレーメン)、柴崎岳(ベティス)、昌子源(トゥールーズ)の旧鹿島ラインがそうだ。
■サウジ戦以降、森保監督は…
©Getty Images伊東は「タテに速い攻撃やスプリントは自分の持ち味なので、そういうところは出せたと思います」と堂安律(フローニンゲン)との違いを鮮明にした。
彼の上がりをサポートした室屋は、「純也くんといった1人で前に行ける選手がいたので、そこは安心していた」と伊東に自由にスペースを使ってもらうことに努めたようだ。こうした援護射撃を受け、ドリブル突破から右足を振り抜いた54分の強烈なシュートが決まっていれば文句なしだったが、そこが彼の課題でもある。
「もっとシュートの精度やミドルシュートのところ(精度)は上げなきゃいけない」と本人も反省するが、爆発的なスピードで相手をはがせて得点も取れるウインガーに成長すれば鬼に金棒だ。その可能性をこの日の伊東が示したことは、今後の戦いを踏まえても力強い。
21日の次戦、ラウンド16の相手は強豪・サウジアラビアに決まった。今大会あまり状態がよくないが、日本にとって難敵なのは事実。そこで森保監督がこれまで通りの酒井・堂安コンビを出すのか、それとも室屋・伊東を抜擢するのか。うれしい悩みといった勢いを右のタテのラインは見せた。
選手個々が能力を発揮し戦術の幅が広がれば、さらにチームに勢いが生まれる。“Jリーグ組の真価を問われる一戦”で自信と手ごたえを得た国内組が、サウジアラビア戦そしてその後の戦いで重要な役割を担うことを期待したい。
文=元川悦子
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