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恩師アラゴネスが亡くなって5年、F・トーレス「いつまでも覚えている」…二人の間にある感動のエピソードとは?

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2月1日、アトレティコ・マドリーやスペイン代表を率いた名将ルイス・アラゴネス氏が逝去してから丸5年が過ぎた。現サガン鳥栖FWフェルナンド・トーレスは恩師に向けてメッセージを記している。

選手、監督としてアトレティコで足跡を残し、スペイン代表指揮官時代にEURO2008優勝を成し遂げたアラゴネス氏は、2014年2月1日に白血病で逝去。アトレティコ、またスペイン代表でアラゴネス氏から指導を受けたF・トーレスは、『ツイッター』アカウントで「5年が経ったが、いつまでも覚えているよ。ありがとう、監督」とのメッセージを記している。

以下に続く

F・トーレスとアラゴネス氏は、まさに特別な関係にあった。アラゴネス氏が初めてF・トーレスを指導したのは2001-02シーズン、当時リーガ・エスパニョーラ2部に所属していたアトレティコを率いたときで、F・トーレスはまだ17歳だった。F・トーレスはスペインを代表するビッグクラブの一つでありながら、苦難の日々を過ごしていたアトレティコの象徴的選手となっていくが、アラゴネス氏の指導には不満を抱えていたという。

エル・ニーニョ(F・トーレスの愛称、子供の意)は当時のことを、次のように振り返っている。

「アラゴネスは本当に厳しくて、ひどい目にあわされた。ベンチに座らされ、たった一人で練習させられ……そのときには『こいつは俺を潰すつもりだ。痛めつけるつもりなんだ』って考えてしまったんだよ」

アトレティコを1シーズンで1部復帰に導いたアラゴネス氏は、2003年に同クラブを去り、その翌年にスペイン代表監督に就任。厳しく接していたF・トーレスを、同代表チームで指導し続けた。

そして前述の通り、アラゴネス氏率いるスペイン代表はEURO2008優勝を果たしたが、決勝ドイツ戦(1-0)で決勝点を決めたのはF・トーレスだった。そして、そのエル・ニーニョのゴールは、アラゴネス氏が予言していたものでもあった。F・トーレスはドイツ戦直前、選手のことを「あなた」と呼ぶアラゴネス氏と、このようなやり取りを交わしたという。

「ピッチに出る前、廊下でアラゴネスにつかまえられた。彼は僕を壁に押し付け、胸ぐらをつかんでこう言ったんだ。『私たちの時間だ、ニーニョ。あなたはピッチに立って、2ゴールを決めて、私たちはチャンピオンとなる』。彼はそう言ってから十字を切って、僕を解放した」

このドイツ戦のゴールは、F・トーレスがアラゴネス氏から受けた厳しい指導が報われた瞬間でもあった。F・トーレスは、アラゴネス氏の指導について「時間が経って、大切なことだったと気づかされたんだ」と回顧する。あの厳しい日々があったおかげで、今のF・トーレスがあることは間違いないだろう。

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