イタリアのマッテオ・サルヴィーニ副首相兼内務大臣が7日、ローマで行われた会議に出席し、スタジアム内での暴力や人種差別問題について発言した。イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が伝えている。
12月26日に行われたインテル対ナポリ戦では、試合前のサポーター同士の衝突で1名が死亡する事故が発生したほか、試合中にはナポリのセネガル代表DFカリドゥ・クリバリに対して人種差別的なチャントが浴びせられて波紋を呼んだ。サルヴィーニ副首相は、スタジアム内外における暴力問題について厳しい姿勢をとることを会議において約束している。
「スタジアム内外における犯罪行為を根絶することが目標だ。このためにあらゆる手段を尽くしていく。防犯カメラを設置した自前のスタジアム建設の実現へサポートができるよう取り組みたい。またアウェーでの試合には、電車を利用させる案を提案した。電車の切符を購入する際に身分証明書が必要になるため、100台の車での遠征よりも、何千人にも及ぶファンの集団のチェックが容易になる。」
だが人種差別的なチャントが行われた場合、試合を中止する措置については言葉を濁した。
「難しいテーマだ。『ブー』というチャントが白人もしくは黄色人種、または黒人に対するものなのか、ナポリ人、それともユヴェントスファンに対するものなのか、差別を区別する基準が難しい。試合を中止するよりも未然に防ぐことを考えたい」
「ミラン対ユーヴェ戦では、ミランファンによる『ブー』の矛先は(レオナルド)ボヌッチだった。あれが人種差別かどうかを誰が決めるのか?客観的な基準が必要だが、区別は難しい。だから私は試合を中止することに反対だ」
■中東で開催する伊スーパーカップに不満も
またサルヴィーニ副首相は、16日に予定されているイタリアスーパーカップ決勝ユヴェントス対ミラン戦がサウジアラビアで開催されることに不満を漏らした。
「試合を見るかどうかはそれぞれの自由だ。私は見ないつもりだ。人生でこれまで様々なものを見てきたが、ブルカや被り物に囲まれてスーパーカップを見るなんて我慢できない。『ビジネスはビジネスだ』と言うお偉いさん方もいるが、私は試合を見るつもりはない」
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