モウリーニョ本の著者が語るスペシャル・ワン失敗の理由…レアル帰還の可能性も?/独占インタビュー

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昨年12月にマンチェスター・ユナイテッドを追われたモウリーニョ。モウリーニョをよく知り、本を出版したこともある、マヌエル・ペレイラ氏はどう見ているのだろうか。モウリーニョの今後も含めてインタビューで語ってくれた。

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昨年12月にジョゼ・モウリーニョはマンチェスター・ユナイテッドの指揮官を電撃解任された。今となっては、主力選手との不和や首脳陣との摩擦など様々な要因が語られる。

ではこの解任劇を、モウリーニョをよく知る人物は捉えているのだろうか。『Goal』では、かつてモウリーニョに関する書籍を出版し、密着取材していた経験もあるマヌエル・ペレイラ氏に独占インタビューを実施。ユナイテッドに関する話題を中心に話を聞いた。

ペレイラ氏はモウリーニョについて「レアル・マドリーに戻る可能性もある」と衝撃的なコメントも残しつつ、モウリーニョの今後を推測している。

■失敗の原因は?

Jose Mourinho, Paul Pogba, Man Utd

――ペレイラさん、ジョゼ・モウリーニョとマンチェスター・ユナイテッドは何が悪かったのでしょうか?

その質問に対する答えは、モウリーニョ自身でも答えられないと思う。彼とマンチェスター・Uの首脳陣との間には、最初から困難があった。モウリーニョは欲しかった選手たちを連れてこられなかった。そのせいで彼はフラストレーションをためていった。このチームであらゆるタイトルを取るための戦いができるとは思っていなかっただろう。

それでも最初のうちは選手たちとうまくやっていた。ヨーロッパリーグを優勝したことでもわかる。だが、今シーズンが始まって、次第にロッカールームでも問題が起き、モウリーニョは耐えられなくなっていった。最後には、彼とチームとの問題がどれほど大きくなってしまったかはわかるだろう。後を継いだ監督のもとで、今チームがどんなプレーをしているかを見てみればいい。

――どうして選手たちとうまくやれなくなってしまったのでしょうか。レアル・マドリーでもチェルシーでも、モウリーニョは最終的に選手たちとうまくいきませんでした。

そのとおり。歴史は繰り返す。モウリーニョは同じチームで長く監督をやれるタイプではない。1つのクラブに2、3年ぐらいしかいられない。最初は成功する。だけど最後にはチーム内で争いになってしまう。それがモウリーニョなのだ。非常に野心家で選手への要求が多い監督だから、時が経つにつれ、何人かの選手たちは要求が厳しすぎると感じるようになる。つまるところ、リラックスや休息が必要だということだ。マンチェスターでもそうだった。シーズン前から予想していたことだよ。

――根拠があった?

(今シーズン開幕前に)アシスタントコーチのルイ・ファリアが去ったからね。モウリーニョの右腕、モウリーニョの鏡のような存在だった。モウリーニョの仕事のやり方を他の誰よりも理解していた。彼と別れたことと、またしても移籍に関して失敗したことが、モウリーニョにとって致命的なことだった。

■「彼は変われる。ただ公には…」

Jose Mourinho GFX

――クラブはモウリーニョに2500万ユーロ(約31億円)の違約金を払ったと言っています。

それでも、チーム全体にかかる金に比べたら監督をクビにしたほうが、安くつく。あそこの首脳陣に、他に選択肢はなかった。プレッシャーが巨大すぎた。マンチェスター・ユナイテッドが6位や7位にいることは許されない。リヴァプールやマンチェスター・シティのようなチームよりも大きなプレッシャーを負っている。チャンピオンズリーグに出場できるところにいなければならないのだ。たとえモウリーニョが欲しい選手をすべて確保できなかったとしても、多額の金が使われた以上、それに見合った結果を出さなければならない。

――あなたは個人的にモウリーニョと知り合いで、彼の相談相手、彼を取り巻く人々について知っています。今回の解雇に関して、彼はどう対処しているのですか?

マンチェスターでのことは、彼の監督人生において最も辛いことの一つだ。直接彼に聞いてはいないが、ここ数か月に起きたことは、彼を失望させ、多少なりともショックだったに違いない。

――実際のところ、モウリーニョは自分にも非があると思っているのでしょうか。インタビューや記者会見では、独りよがりで横柄な印象があります。

あれは公の場での彼の戦略で、イメージの一部でもある。ジョゼ・モウリーニョはジョゼ・モウリーニョであることをやめないと思って間違いない。簡単に態度を変えられるものなら、彼も多くの普通の監督の一人に過ぎなかったろう。彼が「スペシャル・ワン」なのは、彼がスペシャルだからだ。彼は自分であのイメージを作りだし、それに固執し続けるだろう。だからといって、彼が反省していないということではない。頭の良い人だし、気の置けない人たちにはすべてをさらけ出している。

今回のマンチェスターでの後は「なぜ、こんなことになったのか」と、何度も自問することだろう。モウリーニョは人の意見を聞かない人ではない。マンチェスター・Uで悪い方に物事が運んだことは自覚しているし、今後は同じ過ちをしないよう、解決策を探していくことだろう。成功するためには何でもする人だ。舞台裏でのやり方を変える必要があると思えば、そうするだろう。彼はまだ若い。たった55歳だ。変われるよ。ただ、公には誰もが知っているモウリーニョであり続けるだろう。

■ポグバと衝突の理由

Paul Pogba Jose Mourinho

――モウリーニョは、コントロール・フリークだと言われています。彼が時々、マンチェスター・Uの選手たちを監視していたというのは本当でしょうか?

選手のプライバシーをコントロールしようとするような人では決してない。それは彼の正義ではないからだ。ただ、サッカーに関しては、完全にコントロールしたいと思っている。練習や試合で最大限の実力を発揮していない選手がいれば、モウリーニョはすぐに疑いの目を向ける。そういうことは1度か2度、3度と起こりうることだが、定期的なことではない。選手たちが遊び回ることには反対だし、規律を求め、サッカーをきちんとすることを望んでいる。それは、選手たちがサッカーでお金をもらっているからだ。

――ポール・ポグバとうまくいかなかったのはそれが原因でしょうか?

おそらくね。100%の力でプレーする選手なら、モウリーニョは何も言わない。当然、コントロールする、しないの問題はなくなる。だが、モウリーニョがそうではないと思い、選手が何かを控えなければならないと感じてしまったら、問題が起こる。現代のほとんどのクラブは、選手のプロ意識を信じているし、選手自身で、食生活とか、シーズン中はアルコールを飲まないとか、どんちゃん騒ぎをしないとか、気を使うだろうと思っている。だが、ウスマン・デンベレの例を見ても、そういうことを嫌がる選手がまだ少しはいることは明らかだ。たとえばレアル・マドリーでは、過去には、すべての選手が真夜中にケアを受けなければならなかった。現在では、そういうルールはありえない。現在の監督には、ピッチ上に監督の代わりになる選手を置くことが、以前よりもずっと重要になっている。

――リーダーということですか?

そのとおり。監督の考えをチーム全体に伝える、リスペクトされた選手だ。選手の中における監督と言ってもいい。マンチェスターに来る前のモウリーニョには、常にそういう選手がいた。たとえばレアル・マドリーのときはシャビ・アロンソ、チェルシーではフランク・ランパード、インテルにはハビエル・サネッティがいた。25人もの選手を率いてコーディネートするのは、いつだって大変なことだ。特にモウリーニョのような要求の多い監督の場合は。そんなことができるのは、少数の監督だけだ。

ディエゴ・シメオネがアトレティコ・マドリーの監督になってから数年は、いつもチアゴに気を使っていたことを思い出す。チアゴは並外れたサッカー選手ではない。だけど信じられないくらい強い選手で、シメオネのアイデアや考え方をきちんと吸収して他の選手に伝えられる、良い伝達者だった。後に、ガビがこの役割を受け継ぎ、今ではディエゴ・ゴディンがやっている。マンチェスターではもうそういうリーダーは見られない。ポール・スコールズも、ライアン・ギグスも、リオ・ファーディナンドもいなくなってしまった。そういうリーダーがいれば、モウリーニョももっとやりやすかっただろう。

■モウリーニョの今後の行末は?

Jose Mourinho 2018

――これからモウリーニョはどうするつもりでしょうか? ポルトガルではベンフィカが彼に接触しているという噂があります。

彼がすぐにクラブを乗り換えるとは思えない。最も可能性が高いのは、夏まで休んで、新しいチャレンジに必要な力を蓄えるということだ。慌てる必要は彼にはない。いつだってサッカー界に戻ってこられる。

――専門家の間では、今回の失敗でもうモウリーニョはトップクラブには戻れないという人がいます。

私はそうは思わない。彼は非常に野心家だし、沈みこんで姿を隠すようなことはしないだろう。彼にはまだ、監督としての先が長くあるし、彼を奮い立たせるような多くのチャレンジが待っているだろう。これまで監督をしてきた国は、ポルトガル、イングランド、イタリア、スペインだけだ。たとえば、ブンデスリーガでは監督経験がない。もし明日、カール=ハインツ・ルンメニゲから呼び出しがかかって、バイエルンの監督をしてくれと言われたら、モウリーニョはきっと受けると思う。パリ・サンジェルマンだって、彼にとって魅力的な仕事に違いない。

――ですが、今のところそうしたクラブはどこも、近い将来に監督のポストが空くようには見えません。

確かにね。夏に行くクラブが見つからなかったら、ポルトガル代表の監督になるのではないかと私は思っている。その方が彼にとってストレスが少ないだろう。そうなったら、マンチェスターで大いに傷ついた私生活に、もっと力を注げるからね。あそこには、彼の本当の家庭はなかった。夜はほとんどホテルで過ごすか、家族のいるロンドンへ飛んでいくしかなかった。いずれにせよ、夏には多くのことが起こるだろう。特にレアル・マドリーでね。

――モウリーニョがレアルに戻ることもありうるということですか?

もちろん。フロレンティーノ・ペレスがレアルの会長でいるかぎり、そういう選択肢もありうる。ペレスはモウリーニョが大好きで、大いに評価しているし、理想的な監督だと思っている。モウリーニョが意地を張らなかったら、2013年に彼を放出することはなかった。モウリーニョはペレスとも首脳陣とも、何の問題もなかった。彼らは世界一の親友同士ではないが、とてもうまくやっている。レアルへ戻るドアは開かれている。タイミングを待つだけだ。

Santiago Solari Betis Real Madrid LaLiga 13012019

――そのタイミングはもう来ているのでしょうか? サンティアゴ・ソラーリが今後監督でいられるかどうかはたしかにわかりませんが…。

ソラーリは昨年12月にクラブ・ワールドカップを制したから、すぐには解雇されないだろう。ただ、夏にどうなるかは、誰にもわからない。シーズン終了時には、レアル・マドリーに多くのことが起こるに違いない。これからの数か月、ソラーリはモウリーニョの息づかいを感じ続けることだろう。

インタビュー・文=ケリー・ハウ/Kerry Hau

構成=Goal編集部

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