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モウリーニョにより封印されていた王者の笑顔。スールシャールはいかにしてポグバにサッカー愛を思い出させたのか

ポール・ポグバのキャリアの中で、ジョゼ・モウリーニョ率いるマンチェスター・ユナイテッドでの時間は、決定的な瞬間のひとつとなった。

ミッドフィールダーはキャリントン(ユナイテッドの練習場)で行われたファーストチームの練習に現れたとき、笑顔を浮かべ、足取りも軽く、コーチ陣やスタッフと握手を交わしていた。

だが、カラバオカップでPK戦の末に敗れたダービー・カウンティー戦の前夜にインスタグラムに投稿していたことに激怒したモウリーニョの決定が、彼から笑顔を奪った。

そして残るチームメイトの前でも数分間にわたり怒りはぶちまけられ、その日のトレーニングは非常に息苦しい幕開けとなったことは記憶に新しい。

このエピソードは、小さな宇宙における二人の関係性を物語るものだ。ポグバは表現や発信の場を欲しており、一方でモウリーニョは厳しい構造や規律を求めた。

3-1でリヴァプールに敗れた12月の試合、モウリーニョは2戦連続でポグバを起用しなかった。この決定が、指揮官の運命を決めた。

■スールシャールの就任が転機に

pogba3(C)Getty Images その敗戦から僅か2日で彼はクラブを去り、それから24時間後、もし自分に指揮する機会があれば、ポグバを中心としたチームを築くだろうと語った男――オレ・グンナー・スールシャールがオールド・トラフォードにやって来た。

これを機に、ポグバはユナイテッド所属する中で最高の時期を過ごしている。ポグバ対モウリーニョの構図を塗り替えたノルウェー人指揮官の下、彼は最初の5試合で4ゴール4アシストを記録した。

ポルトガル人指揮官のもと、彼は明らかに動揺していた。スールシャールはポグバに自由を与え、惜しみない称賛を与えた。そして、リーグ6戦6勝でユナイテッドのシーズンを様変わりさせた。

サー・アレックス・ファーガソンはかつて、自身とポグバの代理人ミーノ・ライオラとの関係を「水と油」と表現したが、それはポグバとモウリーニョとの関係性にも当てはまる。この二人の共存で得するものはクラブのどこにもいなかった。

モウリーニョはピッチ上でポグバを縛り付けた。ユヴェントスでプレーしていた守備的な役割をこなすようにこだわったのだ。

ユナイテッドがその布陣を4-2-3-1から4-3-3-に変えても、中盤の左で起用されたため、チームがボールを持った時でさえ、ポグバはその前線への推進力を発揮できずにいた。

この点が、スールシャールのポグバ起用とのここまでの決定的な違いだ。

中盤3枚の本来のポジションの中に押し込めることなく、ワールドカップ優勝チームの一員にその転生の攻撃センスを発揮するように奨励した。そのために彼と共にネマニャ・マティッチとアンデル・エレーラを起用し、エンジンルームのセーフティネットを確保したのだ。

その結果、彼は思うままにボールを運び、スペースを見つけることができるようになった。またすぐに下がって守備陣形を取り、ゆっくりと次のチャンスを待つのではなく、ハイプレスで相手のミスを誘い、高いポジションから攻撃を展開することを求められた。

「僕はフットボールをプレーすることを楽しめているよ。(モウリーニョの)システムでは難しかったよ、かつてのプレー戦術ではね。もっと攻撃的に、プレスをかけて、高い位置でプレーしたいんだ」

マーカス・ラッシュフォードへの鮮烈なアシストを記録したトッテナム戦のあと、『スカイ・スポーツ』のインタビューで彼はこう語った。

「僕は時々(前に)上がることがある、でもディフェンスは僕が一番貢献できるタスクじゃないんだ。お互いのことを理解してプレーできているし、一番快適に感じられるポジションでプレーできているよ」

「(ともに中盤を構成するマティッチとエレーラは)僕を助けてくれるよ。マティッチがいてくれるから、僕らはハイプレスに出られるし、シュートやパスを出せるんだ。(スールシャール)監督が来てからこういうことができるようになった。後ろにセキュリティーがいてくれる、だから僕は自由にプレーできるのさ」

■ポグバを縛ったモウリーニョ

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長い間、人々は疑問に思ってきた。

「なぜポグバはユヴェントスで見せていたようなプレーをユナイテッドでできないのか?」

アンドレア・ピルロやアルトゥーロ・ビダルの横で信じられないプレーを見せていたスターが、なぜ敵陣でほとんどプレーしない、不確実で、自信なく、ミスの多いミッドフィールダーになってしまったのか、人々は不思議に思っていた。

だが彼のフットボールそして個性の両面において、2年半の間にポグバはその生来のスタイルをモウリーニョに合わせようとしすぎていた。

モウリーニョの指示はポグバを成長させるどころか、現在スールシャールのもとで披露している天性の才能を侵食してしまっていた。

「正直言って、スコットは彼がいま得ている以上のものに値すると思う」

モウリーニョは自身が2018年初頭にポグバより好んで起用するようになったスコット・マクトミネイについてこう語った。

「彼は普通の髪型で、タトゥーもなく、大きな車だとか大きな時計も持たない少年だからだ。9歳か10歳の頃からクラブにいる謙虚な少年だ」

だがポグバにはピッチの内外で振る舞いを変えるよう、制約を課した。ポグバがピッチを縦横に走り回り、ロッカールームでチームメイトを鼓舞してワールドカップでフランス代表を優勝に導いた後でさえ、モウリーニョは彼の自信を削ぐことに執心した。

■ポグバに笑顔が戻る

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スールシャールはクラブに到着するや否や、このMFが世界で最も脅威となる本来のポジションに戻し、彼を縛り付けるのではなくその溢れるエネルギーを役立てるように転換した。そしてモウリーニョが解任されるまで封印されていた笑顔が戻ってきた。

「これが私の知るポールだよ。彼のことはリザーブチームやユースにいた頃から知っているんだ」とスールシャールは最近の記者会見で語った。

「彼はいつだってハッピーボーイだった。いつも大きな笑顔を見せていたんだ」

モウリーニョの戦術という拘束と日々行われていた人格面での戦いから解放され、ポグバはブラック&ホワイト(ユヴェントス)で見せていたかつての自分の姿を取り戻した。

その結果、マンチェスター・ユナイテッドは再び勢いを取り戻した。キャリントンの通路には不快と不満が取り巻いていたが、スールシャールはより明るい手法で、彼が唯一知る「ユナイテッドのやり方」を貫いた。

そしてポグバの人間性を疑うこともしない。彼はハッピーな男に戻り、そのクオリティを再び発揮するようになった。

スールシャールにしてみれば、チームのスター選手を型にはめることなくその強みを最大化させることは極めて自然なことだった。その結果、選手とチームの両方が強さを取り戻した。

ポグバは再びサッカーへの愛を取り戻した。その結果、マンチェスター・ユナイテッドのファンは、彼らが愛するユナイテッドのサッカーをもう一度楽しむことができている。

文=クリス・ヴォークス

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