ネイマールにキリアン・ムバッペ……。今年の夏、パリ・サンジェルマン(PSG)は1人ならず2人もの世界で最もエキサイティングなアタッカーと契約を交わし、サッカー界を驚かせた。その間、世界のビッグクラブの代名詞、バルセロナとレアル・マドリーは、指をくわえて見ているだけだった。
ムバッペは先月、世界一の若手選手に贈られる、ゴールデンボーイ賞を受賞。この事実は、なぜこの夏、バルサとレアルはムバッペと契約しようとしなかったのかという疑問を再燃させることとなった。
バルサと密接な関係をもつ代理人のジョゼップ・マリア・ミンゲラ氏は先日、「バルサはムバッペを加入させることができたし、そうするべきであった」と発言。ミンゲラ氏によると、ネイマールが出ていくと分かったとき、バルサはすでにムバッペを手中に収めていたというのだ。
「私はムバッペの父とも話をしたんだよ。彼はネイマールが出ていくと知り、バルサのためにプレーしたいとも言ったんだ。その時点では、パリにも、BBC(ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド)がいるレアルにも行くつもりはなかったはずだ。それにムバッペは『リオネル・メッシとプレーすると考えると頭がおかしくなるくらい幸せだ』とも言っていた。しかし問題はバルサだ。バルサは(ウスマン)デンベレのことしか考えていなかったんだよ」
Goal確かにバルサはネイマールがPSGへ移籍するとわかったとき、デンベレと、リヴァプールのフィリペ・コウチーニョにターゲットを絞り、獲得に意欲を燃やしていた。
デンベレは1億5000万ユーロ(約198億円)という金額で、バルサに加入。バルサはセンターフォワードよりもウィングの選手と契約することを目的としていたし、ドルトムントから移籍してきたデンベレは、ムバッペよりもわずかながら先をいっていると見られていた。
そして移籍期間終了のギリギリまで、バルサはコウチーニョのことも狙っていた。その裏には、高齢になってきたアンドレス・イニエスタをカバーするために、フォワードとしてもミッドフィルダーとしてもプレーできる選手を獲得したいという考えがあったのだ。最終的にその移籍は実現しなかったが、来年の夏には、バルサはまたブラジル代表テクニシャンを狙う可能性が高い。
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Getty Imagesミンゲラ氏は率直にものを言うタイプだ。そしてその言葉には多少の皮肉がこもっているときがある。ラジオ局のインタビューで、バルサのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長について語ったときは特に攻撃的であった。昨年の夏、バルサの理事会で議論はされたものの、ムバッペは決してバルサの移籍ターゲットではなかったと明らかにしている。
さらに言えば、レアルも当初はエムバペに興味を持っていたものの、熱心に追求していたわけではなかった。それはジダン監督のコメントからも感じ取れる。
「ムバッペはとてもよい選手だよ。18歳にしては才能があるし、個性もある。でも私の選手ではない。だからこれ以上は話すことはできないよ」
ムバッペはロナウドに憧れており、14歳のときにはレアルの練習に参加した経験もある。しかし彼が最初に選んだチームはレアルではなくモナコだ。そして今夏、レアルが再びフランスのワンダーボーイとコンタクトを取ったときには、BBCの存在を懸念しサンティアゴ・ベルナベウのピッチに立つことを躊躇したのだった。
レアルはムバッペの移籍を容易にするため、ガレス・ベイルの放出を考えていた。だが、ベイルに興味を示していたマンチェスター・ユナイテッドが実際にはまったく動かなかったうえ、ベイルもレアルを出たいという意思を示さなかった。その間、PSGはムバッペとの契約に邁進していたというわけだ。
Getty Imagesそして最終的にネックとなったのは、ムバッペの年俸だ。PSGが若きフランス代表フォワード、ムバッペに提示した額はおよそ1800万ユーロ(約24億円)であり、欧州王者の中ではロナウド以外のどの選手よりも高額だ。それほどの報酬を10代の選手に支払うリスクを負うことはできなかった。
その結果、ムバッペは当時所属していたモナコにPSGに加入したい旨を伝え、PSGと交渉する以外の選択肢がほとんどない状態でモナコを去った。こうして移籍は決まり、はじめはレンタルで、翌年の夏は総額1億8000万ユーロ(約237.5億円)を支払うことで完全移籍することになる。
「僕にとってPSGは、自分を成長させるためのプロジェクトだったんだ。勝ちながら学べるし、勝つこと自体も容易だ。人生は一度きりだから、時間を無駄にできないよ」
そうは言ってもムバッペはまだ18歳。将来、バルセロナにもレアル・マドリーにも加入する時間はたっぷりある。そのファーストステップとしてPSGを選んだのであれば、出だしは今のところ上々だ。
文=ベン・ヘイワード/Ben Hayward
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