Matthijs De Ligt NxGnGetty/Goal Composite

マタイス・デ・リフトー18歳にして完成されたDFに見える明るい未来

ヨハン・クライフ・アレナでマタイス・デ・リフトを目にしたら、この一流DFが弱冠18歳であることを信じられないだろう。

アヤックスのエドウィン・ファン・デル・サールCEOは「もう6、7年もこうしてプレーしているみたいだね」と『Goal』の独占インタビューの中で熱く語る。

「マタイスは年齢にしては非常に成熟している。体格も24歳のようだ」

「両足も使いこなし、極めて優れたパスレンジを持っている。ヘディングもできるしゴールも決められる。18歳にしてすでに真のディフェンスリーダーだね。昨年ファーストチームに加入して以来、すっかり定着したよ」

実際、この188センチの長身センターバックはその若さながらすでにファーストチームのレギュラーであり、ヨーロッパリーグのファイナリストで、オランダ代表だ。もはやデ・リフトがヨーロッパの誰もが欲しがる選手の一人である事実は大した驚きではない。

Matthijs De Ligt NxGnGetty/Goal Composite

アムステルダムでは、ジャスティン・クライファート、ダヴィド・ネレス、ハキム・ツィエクによって構成されるアヤックスの攻撃陣が当然ながら最もメディアからの視線を集めているが、デ・リフトの卓越さ、力強い体格、そしてリアクションスピードは彼らの注目に引けを取らない。

昨年のヨーロッパリーグでは信頼感抜群のダビンソン・サンチェスとデ・リフトがアヤックスの決勝進出に大きな役割を果たしたが、この重要な相棒が4,000万ユーロ(約52億円)でトッテナムへ移籍したことで、今シーズンはこの若者の双肩に昨季を超える重責がのしかかっている。

しかしデ・リフトは年齢に似合わず、このプレッシャーにも悠々と対処し、フィールド外でも自身を重要なキャラクターとして確立させている。

チームメイトのマックス・ウーバーは「マタイスはロッカールームでディフェンスを作り上げる一人さ」と信頼感を語る。そして「試合が始まる直前にはフロアで全員を団結させ、皆に全力を尽くさせてくれるんだ」と続けた。

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デ・リフトのリーダーシップスキルは、昨年末に中盤を本職としていたフレンキー・デ・ヨングが彼の隣にポジションを変更してからさらにその重要度を増した。チームメイトのポジション変更を誰もが想像していた以上にスムーズに適合させたのだ。

デ・リフトはアクションと言葉で引っ張ることに熟達している。強靭なアタッカーにはボールのない場面でも体躯の強さを活かして対峙し、相手からボールを奪うためにスライディングを控えることは決してない。

時折プレーに引きずられて自身のポジションを置き去りにすることがあるが、スペースに対する意識は今後経験を重ねることで改善されるだろう。

他方で、ボールがある場面のデ・リフトは常に落ち着き払った冷静沈着なプレーを実行し、迅速かつ効率的にアヤックスのボールポゼッションを助けている。ボールをワイドに展開する際は安全なパスコースを選ぶが、チャンスと見れば前線に飛び出し、攻撃に参加することも好む。

一言で言えば、このティーンエイジャーはオールラウンドなDFに変貌しつつあるのだ。

Matthijs De Ligt NxGnGetty/Goal Composite

アヤックスの元監督であるフランク・デ・ブールは「デ・リフトは全てを兼ね備えているね。ほぼ単独で守備をこなしてしまう」と語る。現役時代は攻撃力も魅力だったDFは、「どこにでも顔を出し、正しいタイミングでチームメイトを配置する。彼のプレーを観るのは本当に大好きだよ」と称賛の意を示す。

フランクの双子の弟であり、もう一人のアヤックスのレジェンドでもあるロナルドも、デ・リフトの信じられないほどのポテンシャルに夢中となっているようだ。

「マタイスの素晴らしい点は生まれもった卓越性だ。18歳にして周りを取り巻く人々に大忙しさ。同年代のほとんどの少年はあれほどじゃない。マタイスは驚くべき成長を遂げるだろうね」

デ・リフト自身も正しい成長ができるように注意を払っている。トレーニングでは筋力トレーニングのし過ぎによって自身のスピードが損なわれないよう努力しているし、より効率のよい動きの方法や、自身の持つパワーをランに生かせるようにステップの幅を大きく広げる方法を学んでいる。敏捷性を強化するのはその次だ。

デ・リフトは早いペースでフィジカルを高めているだろうが、同時にメンタルの強さも証明している。

Matthijs De Ligt NxGn

このライデルドルプ生まれのDFが17歳で初めてオランダ代表に招集されたのは素晴らしいチャンスだったとはいえ、ダニー・ブリント元監督が勝利を義務付けられたワールドカップ予選のブルガリア戦において先発で起用したのは人々を大いに驚かせた。

デ・リフトの夢であった代表デビュー戦はオランダの悲劇へと変わる。自身が2失点に絡む悪夢のような前半を終えるとハーフタイムで交代となり、そのまま0-2で敗戦した直後にブリントは解任された。

しかし、デ・リフトはすでにこのトラウマとも呼べる経験を過去のものとしている。運命づけられた選手が持つ抵抗力の高さと円熟味を示し続け、非常に高いレベルで抜きん出ている。3-0で勝利したポルトガル戦では2ゴールを演出し、守備でもクリスティアーノ・ロナウドを今シーズン初の枠内シュート1本に抑え込んだ。

現在はバルセロナとバイエルン・ミュンヘンが獲得を真剣に検討しているが、2021年まで契約を更新した今、デ・リフトは早々にアムステルダムを去ることは考えていない。

彼はエリック・テン・ハーグ新監督率いるアヤックスの一員であることに幸せを感じており、若き新世代の代表選手として偉大な功績を残すことに自信を持っている。

確かにデ・リフトが移籍を急ぐ必要はない。時々容易に忘れてしまうが、彼は結局のところまだ18歳なのだから。

文=ピーター・マクビティ/Peter McVitie

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