■移籍市場最終日に起きた謎
まだ移籍ウィンドウが開く前から、ネイマールはレアル・マドリーへ向かうと盛んに報じられ、その標的はキリアン・ムバッペへと移り、そして再びネイマールに戻ってきた。だがそれから数カ月が経ったいま、2人ともエディンソン・カバーニの両脇でプレーしている。
ポール・ポグバが、ギャレス・ベイルが、そしてジェローム・ボアテングが(彼の場合は後に実現しかけた)、ダニー・ローズ、イヴァン・ラキティッチ、クリスティアン・エリクセン、ヌゴロ・カンテ、そしてクリスティアーノ・ロナウドまで、パルク・デ・プランス行きに向け荷物をまとめていると伝えられた。
だが、これはあくまでも夏の移籍ウィンドウでの話だ。常々馬鹿げた噂が立っては消えるものだということを忘れてはいけない。ブラジル人の青年に2億2200万ユーロを費やすことができる金満クラブがある一方で、紙面を売り、クリック数を稼ぐために汗をかく人がいるのだ。

■スケールダウンした補強策
結局は、そうした狂った噂と真逆のものが現実のものとなった。8月31日、PSGはストークからエリック・マキシム・チュポ=モティングをフリーで獲得したのだった。日頃からPSGを追わない人々でさえ目を疑った。「なんだって?」
確かに記憶をたどれば、トーマス・トゥヘルが率いていた当時のマインツでチュポ=モティングは最高のシーズンを過ごしていた。それを考えれば、そこまでおかしな補強ではない。それでも、40歳のジャンルイジ・ブッフォン獲得が最大のビッグネームというのは、たった2人の選手を獲得するために3億6700万ユーロを費やしたクラブとしてはやはり奇妙というほかない。
アレックス・サンドロとフェリペ・ルイスを左サイドバック補強のターゲットにしていたが、いくらかグレードは下がるバイエルン・ミュンヘンのフアン・ベルナトを獲得。そして、人気選手であったハビエル・パストーレをローマに売却した。

一体何が起きているのか?
■PSGに立ちはだかる問題
一つにはファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の問題がある。新オーナーによるここ数シーズンのとんでもない支出は人々の注目を浴びてきた。そしてまたその話題に注意が向いている。
PSGの野望は大きい。FFP違反は、彼らのヨーロッパでの勢いを削ぐことになるだろう。
パストーレはゴンサロ・ゲデス、ユーリ・ベルチチェ、オドソンヌ・エドゥアール、そしてジョナタン・イコネらとともに売られた。ジョバンニ・ロ・チェルソとグジェゴシュ・クリホビアクは200万ユーロ、100万ユーロでそれぞれレンタルに出された。こうした放出によって、金銭面で奔放だったフランス王者がバランスを取り始めたのだった。

だが単純な収支バランス以上に、目が向いてしまうのは、獲得に対するプロジェクトの稚拙さ。セルタのMFスタニスラフ・ロボツカと夏の間交渉を行っていたが、合意に至ることはなく公式発表は行われなかった。
加えて、広大なネットワークを張っており、ターゲットを選ぶにあたってフォーカスを絞るということがない。その乱射する手法は選手に市場評価額以上を支払ってきたチームでうまく機能していない。カタール・スポーツ・インベストメント(PSGのオーナー企業)には選手の市場価値を正しく判断できる人はいないのだろうか。
ティロ・ケーラーに3700万ユーロを支払うことに、他のチームはどんな反応を示すだろう?
先に書いた通り、ボアテングはパリ行きに向けて動いていた。だがケーラー獲得に動いたスポーツディレクターのアンテロ・エンリケの無関心なアプローチによってこの交渉は破談になったと、後にバイエルン側から明かされている。
結局、PSGは昨シーズンと似たような状況になりつつある。強力なチームを擁し、再びリーグ・アンの頂点に至る道だ。だがチャンピオンズリーグはどうだろう? おそらくリーグタイトル以上に、それがクラブの最大の目標のはずだが。
文=サブリナ・ベラルミ/Sabrina Belalmi
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