今シーズン、ブンデスリーガいや欧州中を驚かせているタレントの一人がジェイドン・サンチョだ。
昨シーズンにマンチェスター・シティから加入すると、すぐにトップチームデビュー。今季からはリュシアン・ファーヴル監督の下で主力選手に成長し、リーグ戦ではすべての試合に出場している。サイドアタッカーながら、7ゴールと高い得点能力を発揮し、好調をキープするドルトムントではすでに必要不可欠な存在だ。
そして、13日にはチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦でトッテナムとの重要な一戦を迎える。サンチョにとっては故郷への凱旋となるだけに並々ならぬ闘志を燃やしているようだ。『Goal』のインタビューで語った。
■「イングランドのファンにプレーを見せられるのは嬉しい」
Getty Images――5日はDFBポカールでブレーメンにPK戦の末に敗れました。この状況にチームはどう対応したのでしょう?
タフな敗戦だったよ。勝てたはずだったんだからね。でも僕たちはすでに乗り越えた。過ぎたことは過ぎたことだ。次に迫る試合に向けて前進しないといけないよ。
――間もなくトッテナムとの大一番を迎えます。あなたにとってはイングランドに戻ってのプレーになりますね。個人的にこの凱旋はどのような意味がありますか?
ドイツへ来て観戦できない、家族や友人の前でプレーできるってことだ。これは本当に嬉しいことだよ。イングランドにいるファンにプレーを見せられるという意味でもね。だって僕はイングランド代表にも呼ばれているけど、多くのファンは僕のプレーを直接見る機会がそう多くないでしょ? だからこういう形で僕の姿を見せられるのは嬉しいよ。
――何枚くらいのチケットを友人や家族に送ったんですか?
僕がもらえるのは最大で30枚なんだ、だから30枚全部配ったよ!
■プロになる前からここまでの道のり
Getty――あなたのキャリア初期を振り返ると、ユースチームで多くの才能あふれる少年たちとともにプレーしていました。それでもプロになれた者、プロ契約を勝ち取ることができなかった者もいました。何が違いになったと思いますか?
個人のパフォーマンスの問題だろうね。ピッチ上でベストの人間になることだ。コーチが求めるプレーを見せたり、チームに勝利をもたらせるか、そこが違いだよ。でもたとえ素晴らしいスキルを持っていても、ピッチ外でひどい態度だったら台無しさ。ピッチの内外を問わずに自分を律することができるかどうか、それも大事になる。その点で僕はベストな少年じゃなかったと思うけど、僕が見てきた人たちの中で悪い方ではなかったはずだよ。僕はチャンスが巡ってくるくらいにラッキーだった。それは本当に幸せなことさ。
――プロになるまでの道のりは簡単ではなかったはずです。疑問や不安を感じた時はどう対処してきたのですか?
人生はそういうものだからね。いつだって多くの疑問や不安がある。大半の人は自分で「自分が良いと思えない。世界でベストじゃない」と思っている。常に自分が望む100%になることは無理だ。だから僕たちはそれをどうにかしようとする。そう思うことこそがカギなんだよ。チームが僕を助けてくれたから、ここまでたどり着けたと感じている。
――いつもフットボールのことだけを考えていましたか? 無理だったら…と考えることはなかったんですか?
僕の場合はただフットボールだけさ、後ずさりはしなかったね。ただ学校の成績は優秀とは言えなかったよ(笑)。
――その中で何の科目が好きでしたか?
イングランドでP.E.(Physical Education=体育)というやつだ。要するにスポーツだね。そのまんまだ、僕はそういう生徒だったよ。でも学校の教育も僕にとっては良いものだった。悪いことなんて言えない。人生において前に進むためには教育は本当に大事なことなんだ。幸運なことに僕はそれを受けられて、自分のキャリアを進めることができた。本当に感謝している。これからも地に足を付けて前進し続けていきたいね。
■高め合う存在とお手本は?
Getty――現在、多くのイングランド人選手がブンデスリーガや他国のリーグでプレーしています。あなたのような若い世代では、海外へ挑戦する勇気があり、プレミアリーグからのオファーを断ってでも自分を成長させようという意思が昔よりも強いのでしょうか?
全員については何も言えないよ、僕には自分のことしか話せない。僕の場合はただフットボールをプレーしたかっただけなんだ。プロのフットボーラーになりたいといつも思っていたよ。多くの人に僕のプレーを見て歓声を上げてほしかった。ロナウジーニョを見て「ワオ、僕もいつか彼みたいになりたい」って思ったみたいにね。いつかそのレベルの選手になって、世界中のサッカーファンに「ワオ」と言わせてみたいね。
――あなたの友人の一人であるリース・ネルソンも今季からドイツ(ホッフェンハイム)でプレーしています。お互いに高め合う存在、互いにとっての手本という関係でしょうか?
同じ地域出身だから、いつも僕か彼か、どちらが優れているかって話になるんだ。僕たちは今でも友人だけど、どっちが優れているかという質問にはちょっとうんざりしている。でも気にしてはいないよ。僕たちはお互いを助け合えるし、それが大切なことだ。特に親友として、お互いハードワークを続けるように励まし合っている。だから彼がゴールすれば、自分が得点したような気分になるんだ、わかるだろう? こういう関係だからこそ、僕らは互いに高め合えるんだと思う。うまくプレーできないときは改善するようにアドバイスし合って、練習試合で実践してみるんだ。普段からそうやって話しているね。
――先ほどロナウジーニョの名前が出ましたね。彼はあなたにとってどんな存在でしょうか?
僕のお手本が彼なんだ。簡単に相手を抜き去って、彼以外誰もできないようなプレーを簡単にやってみせたからね。だから彼をロールモデルとして見ているんだ。
■ロイスは「成長の手助けをしてくれる」
――ともにプレーした中で最高の選手は誰でしょうか? クラブと、代表で。
難しいな。たくさんの素晴らしい選手たちとプレーしてきたからね。ラヒーム・スターリングはその一人になると思う。マルコ・ロイスも間違いないね。そう考えると、本当に多くの偉大な選手たちとプレーしてこられたんだ。誰か一人とは言えないよ、喜ばせちゃうからね!
――ではもう少し簡潔な質問で…。クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシ以外で、世界最高の選手は誰だと思いますか?
ネイマールと(キリアン)ムバッペだ。彼らが出す数字はクレイジーだよ。特にムバッペはあの若さだからね。すべての若者は彼をお手本にすべきだ。彼はあの年齢で信じられないことをやっている。若手最優秀選手賞とW杯を手にしたんだ。それでもまだまだ若い。このまま成長を続けたらもっと多くのものを勝ち取るだろうね。
――ロイスについても、偉大な選手だと言っていましたね。彼についてはどのように見ていますか? 間近で見ていてどんなインパクトを受けたのでしょう?
彼とスターリングは僕の人生に大きなインパクトをもたらした2人なんだ。ロイスの場合は、僕をより成熟した選手になる手助けをしてくれたんだ。彼は僕が試合に出る時もそうじゃない時もアドバイスをくれた。僕がフランクフルト戦でゴールを決めた時には、彼は僕に声をかけてくれた。「リラックスしろ、自分を保つんだ。ここまでよくやっているぞ」ってね。フランクフルト戦はビッグマッチで、僕はちょっとナーバスになっていたんだけど、彼の言葉でしっかり試合に入ることができたんだ。ピッチの外でも同じだ。一緒に楽しんだり、話したり、くつろいでいる。だから僕らはピッチの内外問わず最高の関係を築けているよ。
Gettyインタビュー・文=デイビッド・バインダー/David Binder
構成=Goal編集部
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