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ミランの周辺が何かと騒がしい。
エースストライカーだったはずのイグアインを獲得からわずか半年でチェルシーに放出し、その後釜に今シーズンのセリエA前半戦最大の注目株だったピョンテクを獲得、昨秋のうちに契約を交わしていた新戦力パケタもデビューを果たすなど、冬の移籍マーケットで派手な動きを見せているのは周知の通り。
しかしその一方では、昨年12月、UEFAからファイナンシャルフェアプレー(FFP)規程違反(赤字超過)に対するペナルティとして、2021年6月決算での収支改善義務(ブレークイーブン未達の場合にはCL/EL参加資格剥奪)という厳しい処分を科されており、それに異議を唱えてスポーツ仲裁裁判所(TAS)に提訴するという動きも起こっている。
そしてピッチ上では、就任2年目のジェンナーロ・ガットゥーゾ監督の下、好不調の波が激しい戦いぶりを見せながら、今シーズンにおける唯一最大の目標であるCL出場権をめぐる4位争いをローマ、ラツィオという厄介な敵を相手に続けているという状況だ。
■混迷の名門
(C)Getty Images1980年代末から2000年代末まで20年間にわたって、CL5回優勝に象徴される黄金時代を築き、ヨーロッパでも指折りのエリートクラブとして君臨してきたミランだが、2010年代に入ると下降線をたどり始め、特にこの5年間は、ピッチ上とピッチ外のいずれにおいても「混迷」という言葉が似合う不安定きわまりない状況が続いてきた。
ピッチ上では、マッシミリアーノ・アッレグリが途中解任された2014年1月以降、ひとりの監督によるプロジェクトが2年と続かない。ピッチ外では、シルヴィオ・ベルルスコーニがやはり2014年にクラブを売りに出すと、一度はタイの投資家ビー・テチャウボンへの売却が決まりながら流れ、2016年夏に中国人投資家ヨンホン・リーへの売却が決まるもクロージングが2017年4月までズレ込む。しかもそのリーが債務不履行によりわずか1年で経営権を喪失、昨年7月からは債権者だったアメリカのヘッジファンド「エリオット」がオーナーとなるという迷走ぶりだった。
新オーナーとなったエリオットは、過去数年の混迷に終止符を打ち、経営とピッチ上のプロジェクトに安定性、継続性をもたらすべく、体制の整備に取り組んでいる。7月に経営権を握ると、まず最初に中国資本下で経営と強化を担ってきたマルコ・ファッソーネGDとマッシミリアーノ・ミラベッリSDを解雇、強化部門のトップにレオナルドを呼び戻して今シーズンのチーム強化を委ね、12月にはクラブ経営の最高責任者であるCEOの座に、米MLSの副コミッショナーを経て、アーセナルでこの職を9年間勤めたイヴァン・ガジディスを招へいした。今後は、このガジディスCEOが全権を握り、中・長期的な視点に立ってクラブの戦略を再構築していくことになる。
■フロント、CL権という共通目標へ

最優先課題はもちろんピッチ上の結果、とりわけ経営上も収入源として絶対不可欠なCL出場権(4位以内)の確保である。この点について現状における最大の問題は、経営トップ(ガジディス)、強化責任者(レオナルドとパオロ・マルディーニ)、監督(ガットゥーゾ)というラインが一枚岩とは言えないことだろう。
ガットゥーゾを選んだのはレオナルドではなくその前任者ミラベッリであり、レオナルド/マルディーニもガジディスが選んだわけではない。今シーズンの前半戦、2~3試合勝ち星から遠ざかるたびにマスコミで解任説が飛び交うなど監督の足場がたびたび揺らいだのも、UEFAによるFFP違反の処分内容が見えていない10月の時点でパケタの獲得に3500万ユーロ(約43億7000万円)を投じたレオナルドのオペレーションに、12月の就任早々ガジディスが苦言を呈した(と伝えられる)のも、それぞれの間に全面的な信頼関係が確立されていないことの表れである。
経営トップとして全権を握ったガジディスの立場からすれば、自らが選んだ強化責任者、そしてその強化責任者が選んだ監督という一貫性を持った体制を確立し、3年、5年単位のチーム強化プロジェクトを立ち上げ進めるというのが理想的な形だろう。しかしもちろん、今すぐそれに取り組むことは不可能だ。少なくとも今シーズンの残り半分に関しては、来季のCL出場権確保という共通の絶対目標に立って、現体制の全員が力を合わせることが不可欠になる。
■ピョンテクはフィットするか

ピョンテクの獲得は、イグアイン放出の穴埋めとしては理に適っているように見える。しかし、ガットゥーゾ監督が前半戦を通して直面し、最終的な解決を見出せないままに終わった、2人のセンターフォワード(イグアイン、クトローネ)と、ほとんどのチャンスを生み出す攻撃のキープレーヤーであるスソをどのように共存させるか(あるいはそれを諦めるか)という課題は、イグアインがピョンテクに変わっただけでそのまま残っている。指揮官には、4-3-3、4-4-2、3-5-2、3-4-3と何度もシステムを変えながら試行錯誤を続けてきたこの課題に解決を与え、後半戦を戦う基本フォーメーションを早急に確立することが強く求められている。
ウィンターブレイクが明けて以降、ガットゥーゾは11月から12月にかけて試してきた2トップを棚上げし、新戦力のパケタをインサイドハーフに起用する攻撃的な4-3-3をピッチに送り続けている。このシステムにうまくピョンテクがはまるかどうかが、当面のところは最大の注目点だろう。
最も薔薇色のシナリオは、ピョンテク、パケタという2人の新戦力を組み込んだこの布陣が軌道に乗り、監督は強化責任者の、強化責任者はCEOの信頼と支持を改めて勝ち取って三者が一枚岩となり、CL出場権確保、来シーズンも現体制継続という流れになること。しかしもしそうならない場合には、来夏さらにガジディスが大鉈を振るうことになる可能性も小さくない。
いずれにしても、これまで3年も4年も続いた混迷から、ほんの1ヶ月や2ヶ月で脱却するというのはあり得ないこと。実際、ピッチ上(CL出場権)、ピッチ外(FFP)ともに越えるべきハードルは決して低くはない。しかし、新オーナーのエリオットが経営の安定性と継続性を保証し、経営の全権がガジディスCEOに委ねられて、復活への道筋がついたことは、ミランにとって大きな一歩であると言える。
(文=片野道郎)
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