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「この移籍にも運命を感じている」。山中亮輔、赤いユニフォームをまとう決意

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横浜F・マリノスから浦和レッズに完全移籍したDF山中亮輔。昨季、アンジェ・ポステコグルー監督率いる横浜FMで現代型左サイドバックとして存在感を示し、11月には日本代表に初選出された。負傷もあり、AFCアジアカップ(UAE)のメンバーには招集されなかったが、大会開始とほぼ同じくして浦和からオファーが届いたという。短期間に下した移籍の決断。そこには何があったのか。

■もう後ろ向きに考える必要はない

「僕、けっこう運命みたいなことを信じるタイプなんですよね」

1月16日、埼玉スタジアム。
新加入選手のお披露目会見を終えた浦和DF山中亮輔は、ポツリと言った。

「けがをして、日本代表としてアジア杯に出場できなかったのは、残念なことではありました。でもUAEに行っていたら、この移籍交渉がまとまることはなかったはずで。今日この場にいることも、きっとなかったと思うんですよね」

身にまとった真紅のユニホーム。胸のエンブレムをなんとなく眺めながら、語り続ける。

「そう思うと、けがをしたことも、アジア杯に出られなかったことも、もう後ろ向きに考え続ける必要はないなと。これからは日本一のクラブに身を置いて、厳しい競争の中で、日々自分を磨き続けることができるんですから」

■近年Jでは珍しい高額移籍金の意味

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10日に横浜からの移籍加入が発表されたばかり。

「引っ越しもまだ済んでないんですよね」と苦笑いする。

「移籍の話が動いたのは、1月7日でした。でも、移籍金もかかるし、無理なんじゃないかと思っていました」

昨夏にも、トルコ1部のバシャクシェヒルから獲得オファーを受けていた。
海外移籍は念願だった。だが残留争いを強いられていたクラブは、交渉にすら応じなかった。

横浜にとって、欠かせない戦力。契約期間中でもある。当然の判断だった。
クラブの期待通り、山中はチームをJ1残留に導いた。日本代表にも選出され、11月のキルギス戦では代表デビュー2分で得点という、最速記録も樹立。個人的にも価値を高めた。

クラブの看板選手のひとりになった。そして2019年も、契約は残る。このオフの移籍はないだろう。

自分が一番、そう思っていた。それが、降って湧いたように、現実的な移籍の話が出てきた。驚きだった。

「移籍するなら海外、そう思っていました。でも、オファーをくれたのは日本で一番のクラブでした。ほかのクラブからだったら、いくらありがたいオファーでも、移籍は考えなかったと思います」

「2億円移籍」という一部報道もあった。近年のJクラブ間移籍では珍しい高額移籍金が発生することになったのも、山中の背中を押した。

「去年の夏、個人的にはトルコに行きたかったのですが、育ててくれたクラブが降格の危機に瀕している中で、レギュラーを任されている自分が外に出るべきじゃないというのはわかっていました。クラブの判断には、僕も納得していました」

「僕は移籍金の正確な額はわかりませんが、マリノスが育ててくれたから、今の自分がある。だから今回移籍金ゼロじゃなく、ちゃんとマリノスに還元できるというのは、移籍を決めた理由の1つになりました。そして、それだけの評価をレッズのみなさんがしてくれたということを、すごくありがたく、重く受け止めました」

ただ、移籍金の金額は今後、山中について回ることになる。「2億」という数字に見合うプレーができているのか。常に問われ続ける。

「でも、そこについては、考えていたら何もできないと思っています。こういう判断には、多かれ少なかれリスクは伴う。それは僕らの宿命です。プレーで見せていくしかない。そもそも、移籍金の額に関係なく、レッズでのプレーを選んだ時点でチャレンジなので」

昨季に続きポステコグルー監督が指揮を執る横浜に残っていれば、今季も出場機会には恵まれていただろう。その中でアピールを重ねることは、再び日本代表に選ばれる近道のようにも思える。

「そういう考えがあるのも、すごくわかります。でも自分には、そういう環境に甘んじてしまうところがある。だから、常に競争の中に身を置かないと、成長し続けることはできないなと。レッズでレギュラーを取ることができれば、『代表の有力候補』というレベルから、一段上がって『Jリーグでは突き抜けた存在』になることができると思うんです」

昨年11月、日本代表に選ばれた際の記憶も、山中を「チャレンジ」へと駆り立てた。

「得点という結果が出せたことや、それが記録に残るゴールで、多くの人に自分のことを知ってもらえたのは、すごくよかったです。ただ正直、周囲のレベルがとても高くて、ビックリしてしまいました。そこへいくと、レッズの選手はみんな、まさに代表レベル。そういう中にいつも身を置くことが大事じゃないかというのは、強く感じていました」

■浦和でなければマリノスを離れなかった

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国内には、浦和のほかにも有力クラブはある。それでも山中は「レッズは日本一のクラブ」と繰り返す。

「ファン・サポーターの皆さんが持っていらっしゃる熱量、クラブの規模など、あらゆる意味で日本で一番の存在です。素晴らしい監督さんがいて、今季もタイトルに一番近い位置にいると思っています。だから、国内で移籍するならレッズだけ、と決めていたんです。ここじゃなきゃ、マリノスを離れることはありませんでした」

ファン・サポーターが持つ熱量は、すなわち温かくも厳しい視線が注がれる量でもある。そこも、山中の望むところだ。

「チームのために頑張っていれば、いずれ自然と認めていただけるんだと思います。そういう緊張感をもってプレーをするのは、プロとして必ずプラスになる。サポーターのみなさんには、個で打開できるところを見てもらいたいです。左足のキックはもちろん、ひとりで局面を打開できるところ。攻撃のところで違いをつくれる選手でありたいと思っています」

そしてもう一つ、見せたいのはタイトルへのこだわりだ。

「タイトルを取るために呼んでいただいたと思っていますし、自分もタイトルを取るためにここに来ました。移籍交渉中、レッズのみなさんのお話を伺う中で一番心を動かされたのは、リーグ、ACLの2冠を本気で狙っているんだという熱意でした。そして現場には、オリベイラ監督がいらっしゃる。常にタイトルとともにある方。本物の『勝者のメンタリティー』をお持ちの方の下で、ぜひやってみたかった」

オリベイラ監督からの要求に応えることで、自分のプレーの幅が広がっていくのではないか、というイメージも持っている。

「守備の部分を厳しく言ってもらえるんじゃないかと思っています。そこはまさに、自分にとっての課題。そこをクリアできてこそ、突き抜けた存在になれるんじゃないかと。そういう意味でも、指導をしていただけるのはとても楽しみ。もちろん、要求に応えられなければ、試合にも出られないとは思いますが」

■まずは、全力を尽くすこと

いつかは海外でプレーを。それはずっと、山中の夢だった。

「でも、今はとにかく、レッズでタイトル獲得に貢献する、というところにフォーカスします。運命の導きでここに来たわけですから、それに従って全力を尽くすのが、自分にとってベストな道だと思うんです」

迷いなく、思うところを語り続ける。

「まずは置かれた立場で、全力を尽くすこと。それを怠らなかったからこそ、今回もいい運命が待っていました。だからレッズで、僕は全力を尽くす。それしか考えていません」

運命の道は、トルシエ階段をたどり、真紅と深緑のコントラストの世界に通じている。

熱いファン・サポーターにプレーを披露する日を心待ちにしながら、まずはハイレベルなポジション争いに身を投じる。

インタビュー・文=塩畑大輔

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