W杯に向けた腕試しだ。英国遠征の初戦となったスコットランド代表戦で1-0の勝利を飾った日本代表は、聖地ウェンブリーでイングランド代表と対戦する。互いにベストメンバーではないといえ、チケット完売の敵地で難しい試合を強いられることは間違いない。いまの自分たちの力がイングランドを相手にどれほど通用するのか。その答えが、超満員のウェンブリーで出る。
初戦のスコットランド戦は”試す”色が強かった。もともと主力として見られる選手の起用は数人程度で、これまで出場機会が少なかった選手を積極的に起用。そこで大きなアピールをした選手もいれば、もう一歩といった内容に終わった選手も出た。”誰が出ても同じサッカーができるように”という観点からすれば、明確な上積みがあったゲームだった。
さらに、後半には主力組を組み込みながら得点を奪いにいくための[3-1-4-2]システムもトライ。まだまだ完成度は低かったものの、そこから得点を奪う力強さを見せ、収穫の多い試合になった。
そこから迎える中2日でのイングランド戦。前回の選手起用を踏まえれば、今回はベストメンバーで試合に臨む可能性が高いだろう。今まで自分たちが積み上げてきたものがどのレベルにあるのか。それを測る試合となるはずだ。
「今の実力をさらに積み上げて、レベルアップしていくことが必要だと思う。W杯優勝基準、世界トップ基準でどれくらいできるかを試したい」(森保一監督)
ブラジルやドイツ、スペインなどを破ってきたように、ここでイングランドに勝利することができれば、本番で対戦したとしてもいいイメージを持って戦えるはず。森保監督の言葉で言えば、「インテンシティ高く、フィジカル的にも強い」イングランドに対し、結果と内容、両方にこだわりながら勝利に向かっていく。
■予想スタメンは?
スコットランドからロンドンへと移動した中、佐藤龍之介が体調不良から復帰したのはポジティブな要素だ。出場時間をうまく限定しながら戦ったこともあり、スコットランド戦からの負傷者もゼロ。万全の状態でイングランド戦に挑むことになる。
今回は前述した通りベストメンバーをぶつけると考えていい。シャドーの組み合わせは三笘薫と堂安律を予想スタメンに並べたが、ここは中村敬斗と伊東純也になることだってありえる。選手によってキャラクターが異なるため、対峙する相手に応じて柔軟に入れ替えることができれば、戦術の幅はさらに広がっていきそうだ。
中盤の組み合わせとしても鎌田大地と佐野海舟を並べる形は楽しみな部分が大きい。互いにプレミアリーグ、ブンデスリーガで主力を張り、攻守に強度の高さを見せつけている。イングランド相手にもそのインテンシティは見劣りせず、バランスを見ながら攻守にどれだけ変化を与えるか注目したい。
あとは、どういった選手が途中から投入されるか。リード時、ビハインド時、どういった展開であれ、イングランドのような相手に勝っていくためには途中交代で入ってくる選手たちの重要度は高まる。スコットランド戦で評価を高めた後藤啓介や塩貝健人、鈴木唯人といった選手たちが勢いをつけるのか、それとも小川航基や町野修斗といった実績のある選手が安定感をもたらしていくのか。ラストアピールの場で、当落線上と考えられているサブの選手たちの奮起にも期待したい。
予想スタメン(3-4-2-1):
GK:鈴木彩艶
DF:渡辺剛、谷口彰悟、伊藤洋輝
WB:伊東純也(右)、中村敬斗(左)
CM:佐野海舟、鎌田大地
CAM:堂安律、三笘薫
FW:上田綺世
■優勝候補イングランド
6月に開催される北中米W杯の優勝候補と言っても過言ではないだろう。
近年、イングランド代表は国際大会であと一歩という成績が続いている。EURO2020では決勝戦まで勝ち進むも、PK戦の末にイタリアに敗れて準優勝に。前回のカタールW杯はフランスに敗れてベスト8に沈み、EURO2024は決勝でスペインに敗れて準優勝に終わった。その結果、ガレス・サウスゲート前監督が退任を決断。2025年1月からトーマス・トゥヘル監督が指揮官を務めることになった。
新指揮官のもとイングランド代表はさらなる強化を図り、W杯欧州予選は8戦8勝という圧倒的な成績で8大会連続でのW杯出場を確定させた。北中米W杯では悲願のW杯制覇を見据えており、優勝を目標に掲げる日本としては、乗り越えていかなければいけない相手となる。
今回、ベストメンバーでのガチンコ勝負を楽しみにしていたが、日本戦を前に8人の選手が離脱。デクラン・ライスやブカヨ・サカ、鎌田大地のチームメイトであるアダム・ウォートンらがメンバーから外れることが決まった。そういった事情もあり、主力数名が不在となる。それでも、マーク・グエイ(クリスタル・パレス)やニコ・オライリー(マンチェスター・シティ)、モーガン・ロジャース(アストン・ヴィラ)、ハリー・ケイン(バイエルン)ら実績十分の選手たちが揃う。イングランドの選手らしい強度とフィジカルを持った選手が多く、そこで差をつけられないことが日本の最低条件になる。
また、多くの選手から名前が聞かれたケインを抑えることは重要なミッションとなる。最前線に張るだけでなく、流動的に動きながらチャンスメイクもできるストライカーは、隙を与えてしまうと簡単に得点に絡んでくる。ケインを抑えながら、攻撃に出ていくタイミングを作る。日本がここでどんな答えを出すか。注目の一戦となる。





