European Season Winners Losers 2022-23 GFXGOAL

ハーランド、メッシら…2022-23シーズンの勝者と敗者

そう、いろんなことがあった。終わりを迎えた今シーズンは多くの論争と素晴らしいプレーを見せてくれたが、おそらく最も輝いたのはマンチェスター・シティだっただろう。ペップ・グアルディオラ監督のとてつもないチームは最後にチャンピオンズリーグを制覇し、歴史的な3冠を達成した。だが、過去15年にわたる偉業のすべてに反して、注釈をつけなければならないことがある。アブダビに後援されているシティは、プレミアリーグ財務規定に100以上も違反すると告発されたのだ。

同じようなことはイタリアでも起こった。ユヴェントスが、毎週のように勝ち点を剥奪されては再付与され、また剥奪されと、セリエAの順位を大いにかき乱したのである。完全に財政破綻する危険が現実に起こりうる現代サッカーにおいて、順位表は、時に嘘をつくことがあるようだ。

だが、悪いことばかりではなかった。心を奮い立たせるサクセスストーリーもいくつかあった。例えば、マンチェスター・Cの3冠とは真逆に、ナポリのセリエA優勝は、まさにおとぎ話のようであり、ナポリの街で起こったお祭り騒ぎは、世界がこれまで見てきた最大のお祭りのひとつであった。

そこで、これ以上浮かれることなく、2022-23シーズンのヨーロッパで最大の勝者と敗者を振り返ってみよう。

  • Lionel MessiGetty Images

    敗者:リオネル・メッシ

    物事を大きな目で見れば、ワールドカップ前後で今シーズンに起こったことは、リオネル・メッシに関するかぎり、無意味ではない。メッシはずっと以前、自分は愚か者だと証明したことがある。だが、カタールでの成功は論争にうまく終止符を打った。メッシは今や、代表でもクラブでもすべてのタイトルを手にしたのだ。

    しかしながら、2022-23シーズンの後半がメッシの計画どおりにいかなかったことは否定できない。PSGがチャンピオンズリーグのベスト16で敗退したことで、メッシは完全に自分を見失い、彼が去っていくのを寂しく思うファンはほとんどいなかった。それどころか、信じられないことに、メッシはブーイングや口笛、あざけりを耳にしながら去ったのである。

    さらに悪いことに、バルセロナへのロマンティックな復帰という希望は、2年前カンプ・ノウを出ていかなければならなくなったのときとまったく同じ、財政的な問題という冷酷な現実により、果たせなかったのである。

    財政的かつ家族的な観点からすると、インテル・マイアミはメッシの移籍先として、明らかに賢い選択だったが、メッシが最終的にはバルサに帰りたいと思っていることと、長く目標にしてきた5回目のチャンピオンズリーグ優勝を目指していたことは間違いない。

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  • XaviGetty Images

    勝者:チャビ

    バルセロナがチャンピオンズリーグのグルーブステージで敗退した後、チャビ監督には暗雲が立ちこめていたし、彼にはわかっていた。「クラブが(夏の移籍市場のあいだに)してきた努力のおかげで今のチームがあり、我々はタイトルを目指して戦わなければならない」と、記者たちに認めていたのだ。「それができなければ、(ジョアン・ラポルタ)会長が言ったとおり、まずは私から結論が出るだろう。だが、私はすべてをするつもりだし、うまくいくだろう」と言い、そのとおりになった。

    バルセロナのサッカーは確かに美しくはなく、ペップ・グアルディオラ時代ではなく、ルイ・ファン・ハール時代を思い起こさせた。だが、そのサッカーで4年ぶりのラ・リーガ優勝を果たし、チャビはクビを免れた。もちろん、来シーズン、バルサは何が何でもチャンピオンズリーグ制覇に挑まなければならない。少なくともクラブの財政のために。だが、今のところ、監督は自分がしてきた仕事を誇りに思うことができる。

  • Todd Boehly Chelsea facepalm 2022-23Getty Images

    敗者:チェルシー

    チェルシーの理事会は、クラブ史上最悪のプレミアリーグの結果が出た後、声明を発表し、もっとよい成績を出すために「やるべきことがたくさんある」と認めた。だが、実際のところ、チェルシーは来シーズン、すべてにおいて絶対的により良いことをしなければならない。過去1年は完全なる茶番劇であった。

    トッド・ベーリーと、彼と同じくらい無能な仲間たちがやったことで、正しかったことはたったひとつしかないと言えるだろう。すなわち、毎年のシーズン終了時の表彰式をキャンセルしたことで、彼らは、すでに怒り心頭のファンたちとうまくやれないことがわかっていたのである。

    マウリシオ・ポチェッティーノの監督就任により、スタンフォード・ブリッジに秩序のようなものが復活すると期待できるが、これまで見てきたことを振り返ると――トーマス・トゥヘル元監督の恥ずべき解雇、グレアム・ポッター元監督の計画の無残な放棄、滑稽ともいうべきフランク・ランパード暫定監督の就任、高値すぎる選手の次から次への加入――またすぐにカオスとなるのではないかと思うのが自然だろう。

  • Vinicius(C)Getty Images

    敗者:サッカー界における人種差別廃絶運動

    人種差別は社会問題である。我々は誰も無関係ではいられない。だが、サッカー界におけるこの問題への取り組みは、よく言って困惑するほど無計画であり、悪く言えば露骨に攻撃的である。真面目に言って、衝撃的だったのは、ヴィニシウス・ジュニオールが今シーズンのスペインで繰り返し受けた人種差別的な扱いと、それに対するラ・リーガ社長のハビエル・テバスの反応だ。テバスは、信じられないことに、犯人に対して何かするのではなく、被害者に対して悪口を言ったのだ。

    その後、テバスはみずからの恥ずべき対応を謝罪したが、このことはこの問題の根深さを露呈させた。ロメル・ルカクのように世界中からやってくる有色人種の選手たちが今でも無言の抗議を強いられるならば、サッカー界に期待される人種差別反対運動の中心における、この問題に対する無関心さがわかるというものだ。サッカー界は、明らかにまだ理解していないこの問題を、解決しようと始めることすらできないのではないか?

  • Luciano Spalletti Napoli 2022-23Getty

    勝者:ルチアーノ・スパレッティとナポリの人々

    ナポリが33年ぶりにセリエA優勝を手にし、史上最高齢のスクデット獲得監督となった直後のルチアーノ・スパレッティがチームを去るという事実を、ナポリのファンが理解するのは、まだ少し難しいようだ。第三者でさえ、スパレッティが、今シーズン、史上初めて準々決勝進出を成し遂げた、未経験だが陽気なチームとともに、チャンピオンズリーグで新たな快挙を見せてくれると期待していたというのに。

    だが、ほどなく、スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナが、スパレッティとアウレリオ・デ・ラウレンティス会長がふたり一緒にいるのには狭く、道を分かつのは避けられないということがはっきりした。プラス面を言えば、現在、スパレッティと、長く耐えてきたナポリの人々との関係が悪くなることはないということだ。

    「10年後にはここに戻ってきたいと思っている」と、スパレッティは言った。「ここにはまだ、友人と言える人が大勢いる」。もちろん、ファンにとって彼は友人以上の存在だ。今や彼はレジェンドのひとりであり、クラブにとって永遠の存在である。

  • Andrea AgnelliGetty

    敗者:アンドレア・アニェッリ

    アンドレア・アニェッリこそが、サッカークラブの中で最も力のある人物となると、完璧におぜん立てが揃っているように見えた時代があった。ところが今や、『メディア王~華麗なる一族~』に出てくるケンドール・ロイ(大富豪の次男で後継者とみなされていたが数々の失敗で家族から愛想をつかされる)に匹敵する人物に思えてならない。

    アニェッリを劇的に、かつ、あっという間に凋落させた理由の筆頭は、明らかにスーパーリーグである。この計画が早々にとん挫したことで、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長を含む、恐ろしいほど大勢の権力者の友人を失った。それでもまだアニェッリにはユヴェントスがあったのだが、それもこれまでだ。

    アニェッリと取り巻きの残りは、昨年11月に辞職し、クラブの口座は2つの別々の投資の結果について激しい調査が行われた(ひとつはキャピタルゲインの集中、もうひとつは給与の操作)。アニェッリの仲間の中には、それ以降疑惑が晴れたものもいるが、アニェッリの追放は支持されている。

    アニェッリは二度とサッカー界で仕事ができないと思われる。ユーヴェで前代未満の長期にわたり成功を収めた男は、単により重い財政的およびスポーツ的制裁を免れるためにイタリアサッカー連盟(FIGC)やUEFAと司法取引をして、家族のクラブを屈従させたとして永遠に記憶されるだろう。

  • Mendilibar SevillaGetty Images

    勝者:ホセ・ルイス・メンディリバル

    ホセ・ルイス・メンディリバルは「新監督の躍進」というアイディアを、まったく別のレベルに引き上げた。彼はただ降格の恐怖を食い止めただけでなく(3月に監督に就任したときには、セビージャはラ・リーガの降格圏までたった勝ち点差2しかなかった)、ヨーロッパリーグでマンチェスター・ユナイテッド、ユヴェントス、ローマに勝利し、アンダルシアのクラブを7度目の優勝にも導いた。ヨーロッパ規模の大会で優勝したのは、18年前、アトレティック・クルブでインタートトカップを制して以来の監督にしては、悪くないどころの結果ではない!

    ブダペストでセビージャが勝利して以降ですら、メンディリバルは、自身の短期契約がこの夏更新されるかどうかまだわからないと認めていた。だが、彼はあれ以来、サッカー史上、自力で契約延長を勝ち得た監督のひとりとして記憶されている。

  • 20230521 Roberto De Zerbi(C)Getty Images

    勝者:ロベルト・デ・ゼルビ

    確かに、ペップ・グアルディオラ監督からの称賛は、常に眉唾で受け止めるべきである。マンチェスター・シティの監督は、自身のサッカー哲学とわずかでも似たものを持っている敵を分析する際、しばしば、大きく誇張する癖があるのだ。だから、グアルディオラ監督が、デ・ゼルビ監督を「過去20年で最も影響力のある監督のひとり」と言ったことを、あまり大きく取り上げるべきではない。

    だが、たとえば、イングランドのサッカーファンで、昨年9月にデ・ゼルビ監督がブライトンを率いることになった時、彼について知っているものはほとんどいなかった。グレアム・スーネスがデ・ゼルビ監督を知らなかったことは間違いなく、急いでグーグルで調べた後、このイタリア人を「我々のサッカーを知らない」という事実にのみ基づいて、大きなリスクだと結論付けた。

    だが、デ・ゼルビ監督は、サッカーの美しいプレー方法、素晴らしく訓練されたチームをまとめる方法、それも、わずかな予算で行う方法を知っている。それをサッスオーロで成し遂げ、再びブライトンで行ったのだ。ブライトンはクラブ史上初めてヨーロッパリーグ出場を果たし、プレミアリーグでも6位というセンセーショナルな結果を残した。

    シーガルズは現在、ヨーロッパで最もうまくいったクラブにすぎないかもしれないが、デ・ゼルビ監督という、最もエキサイティングで若い監督を手にしていることは間違いない。

  • Cristiano Ronaldo Piers Morgan interviewGetty/Talk TV/GOAL composite

    敗者:ピアーズ・モーガン

    すべてを話すというクリスティアーノ・ロナウドのインタビューを放送することで、ピアーズ・モーガンは明らかに、彼のアイドルとしての評判を復活させる手伝いをしようとしたのであった。ところが逆に、彼の評判は完全にズタボロになった。

    今シーズンの最初の数カ月、C・ロナウドがオールド・トラッフォードで見せた、おそろしく不機嫌な様子は、実にひどく失敗した、痛ましいPR運動で判明したこととは比べ物にならない。それは、C・ロナウドと、代理人のジョルジュ・メンデスとの仕事上の関係を終わらせることにすらなった。報道によると、メンデスはこのインタビューを「く*たれ」と言ったという。

    この後、2022年ワールドカップでの子どもじみた行動でまたしても酷評されたC・ロナウドだけでなく、モーガンにも、さらに悪いことが起こった。イングランド出身のモーガンは、アーセナルがプレミアリーグの優勝争いで失速したことを批判し、アーセナルの最も嫌悪すべきファンとしてのイメージが固定されたのである。

  • Edin Terzic Borussia Dortmund 2022-23Getty

    勝者:イエロー・ウォール(黄色い壁)

    ボルシア・ドルトムントがブンデスリーガ優勝を果たせなかったことは、今シーズンの物語のひとつであった。バイエルン・ミュンヘンの11年連続優勝を阻止するには、最終日にホームで順位表中位のマインツに勝ちさえすればよかったのだが、2-2の引き分けに終わった。「優勝は手の中にあった」と、ジョヴァンニ・レイナはインスタグラムに書いた。「あんなにハードワークして獲得しようとしたものを逃してしまった」。

    だが、ドルトムントはこの経験からさらに強くなるだろうというエディン・テルジッチ監督の言葉は、本気で信じられる。なぜか? それはファンがいるからだ。チームの最終日の惨事を見たファンががっかりしたことは理解できる。それでも、ヴェストファーレンシュタディオンであの有名な「イエロー・ウォール」を作りあげたサポーターたちは、全員で、目に涙を溜めたテルジッチと崩れ落ちた選手たちを慰めたのだった。

    そんな痛ましい経験から立ち直るのは簡単なことではないだろう。特に、ジュード・ベリンガムがレアル・マドリーに行ってしまったのだから。だが、あれほど感動的で、残念なほどレアな無条件の愛と忠誠を示してくれるファンがいるドルトムントには、少なくとも立ち直るチャンスはあるだろう。

  • Paolo MaldiniGetty

    敗者:パオロ・マルディーニ

    パオロ・マルディーニの衝撃的なACミランからの離脱をめぐる状況については、恐ろしい話が山ほどある。すでに報道されているように、重役会レベルでの恨みは、是が非でもラルフ・ラングニックにクラブの主導権を渡そうとする試みが失敗したことから始まっているが、マルディーニはステファノ・ピオリ監督をやめさせてアンドレア・ピルロを就任させたがっていたとも言われている。

    だが、明らかなのは、マルディーニとオーナーのジェリー・カルディナーレは、ミランが進むべき道に関して、まったく異なる見解を持っていたということだ。伝説の左サイドバックは、ミランが本気で8度目のチャンピオンズリーグ制覇を果たしたいと思うなら、チームにもっと投資する必要があると、公言していた。これは当然の意見で、特に現代はカネが物言う時代であるが、上層部が同じ考えではなかったようだ。

    ミランのパオロ・スカロニ会長は、マルディーニはもはやサン・シーロに必要でないと主張しているが、これは、ラフェエウ・レオンやマイク・メニャンといった選手たちが崇拝し、昨シーズンは多くのお買い得の選手とともにスクデット獲得という快挙を成し遂げた中心人物でもある、クラブのレジェンドに対する言葉としてはひどすぎた。

    昨年夏の契約が散々だったことは明らかに証明されたが、カルディナーレと仲間たちが今していることは、大きな賭けであり、彼らはそれを名誉回復のために必要としている。そうでないとしたら、ファンの反応は、より冷酷にすらなるだろう。

  • BenzemaGetty Images

    敗者:レアル・マドリー

    ジュード・ベリンガムの獲得発表は、レアル・マドリーのファンにとって遅すぎた。彼らは今にも興奮しそうだった。レアル・マドリーは今シーズンのコパ・デル・レイを優勝したが、スペインでもヨーロッパでも王者になることはできなかった、それも心配になるような姿で。

    カルロ・アンチェロッティ監督率いるレアル・マドリーは、ラ・リーガの優勝争いでバルセロナに独走を許し、エティハド・スタジアムで行われたチャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグでは、マンチェスター・シティに0-4と惨敗し、中盤の若返りが必要なことが痛烈に明らかになった。

    この点に関して、ベリンガムが大々的に役に立ってもらわなければならないことは明らかである。来シーズンはオーレリアン・チュアメニが充分に大人の選手となり、エドゥアルド・カマヴィンガを間に合わせのディフェンダーとして起用しなくてよくなるだろうが、それでも、カリム・ベンゼマがサウジアラビアに行くという衝撃に見舞われたレアル・マドリーは、ワールドクラスのストライカーと契約しなければならないという予想外の状況にある。

    ベンゼマの移籍はアンチェロッティ監督にとって完全に驚きであり、今のレアル・マドリーは「過渡期にあるチーム」であると言ったのは、決して大げさではなかった。むしろ、控えめなくらいだ。フロレンティーノ・ペレス会長がこの夏、ハリー・ケインかキリアン・エンバペを加入させられなかったら、レアル・マドリーは来年のタイトル争いでも苦しむにちがいない。

  • Cristiano Ronaldo Al-NassrGetty Images

    勝者:中東諸国

    今シーズンは中東にとって何というシーズンだったことか。カタールがオーナーのパリ・サンジェルマンはまたしてもチャンピオンズリーグで失望したかもしれないが、カタール発のワールドカップは「ソフトパワー」という観点からすると、この上なくうまくいったと言えるだろう。実際、決勝ではPSGのふたりの選手、リオネル・メッシとキリアン・エンバペのシュート合戦が繰り広げられたのだ。さらに、グレイザー・ファミリーからマンチェスター・ユナイテッドを買収することさえ、カタールの関係者ができそうなのだ。

    この取引がうまくいけば、プレミアリーグは3チームが湾岸各国から資金を得ることになる。アブダビがバックアップするマンチェスター・シティは6シーズンで5回目のタイトルを獲得したばかりだし(3冠達成のうちのひとつ)、サウジアラビアがオーナーのニューカッスルは、リーグ4位となって10年ぶりのチャンピオンズリーグ出場を決めた。サウジ・プロリーグが現在、サッカー界の風景を完全に変えることのできる求人活動をしていることも付け加えておこう。

    つまり、オイルマネーが事実上ゴルフ界を買い占めたように、次はサッカー界がそうなるということだ。

  • Mourinho Anthony Taylor Getty Images

    敗者:マッチ・オフィシャル

    始まりは、ヨーロッパリーグ決勝の後、ジョゼ・モウリーニョ監督が、駐車場でアンソニー・テイラー他マッチ・オフィシャルのメンバーを待ち受けていて、罵詈雑言を浴びせたという痛ましい光景だった。その後、そうした忌まわしい行動が実際に恐ろしいほど続いた。テイラーがブダペスト発の飛行機に乗りこもうとしたとき、ローマのサポーターが、怯えた家族のいる前でテイラーをののしったのだ。

    もちろん、モウリーニョだけが審判を苦しめる監督ではない。ユルゲン・クロップは、リヴァプールがトッテナムに4-3で勝った後、第四の審判の面前でわめき、自分のほうがケガをしたほどだった。

    サッカーは情熱的なスポーツであり、敗者は地獄に落ちたかのように傷つく。だが、監督やファンたちが審判に対して行う行為のいくつかには、言い訳のきかないものもある。試合をめぐるとげとげしい雰囲気がきちんと改善しなければ、誰かが取り返しのつかない大ケガをするのも時間の問題になってしまうだろう。

  • HaalandGetty Images

    勝者:アーリング・ハーランド

    今シーズン、アーリング・ハーランドは52得点をあげ、プレミアリーグとチャンピオンズリーグの両方で得点王となった。その後、マンチェスター・シティの3冠達成の最後の試合の後で、ハーランドはこういった。「僕は多くの面で成長できる」と…。

    まったく恐ろしいことに、それはたぶん真実なのだ。ハーランドはまだたったの22歳。ハーランドが「世界最高の監督」と呼ぶペップ・グアルディオラ監督の下で今後もプレーすれば、もっと素晴らしい選手になることは間違いない。ただ、全公式戦で最後の8試合ではエヴァートン戦で1得点しただけで、今シーズンの最終盤には覇気がなかったという指摘もある。

    とはいえ、ことによれば、ハーランドが絶頂期を迎えたとき、リオネル・メッシの1シーズン73得点という記録を本気で更新することもありうるのではないか! メッシがそんな笑ってしまうほどのすごい記録を達成したのは、まさに同じ監督の下でプレーしていたときだったのだから。