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ハーヴェイ・エリオット、グレイら…EURO2028の前にイングランド代表でデビューさせておくべき10人

EURO2024の決勝でスペインに敗れたイングランドの涙が乾いたら、未来に向けての再構築に目を向けなければならない。次にスリー・ライオンズが目指すのは2026年の北米でのワールドカップであるが、その先にもっと魅惑的な大会が待っている。

2028年、イングランドは、スコットランド、ウェールズ、アイルランドとともに、欧州選手権を共同開催する。開催国として主要な男子の国際大会のタイトルを獲得するチャンスが訪れるのである。ジュード・ベリンガムやコビー・メイヌー、フィル・フォーデンといった選手たちはこの大会に向けて活躍していくべき選手たちであるが、2024年の代表に選ばれた選手たちの中には、つかみ損ねた栄光が指の間から零れ落ちていくのを見るのはこれが最後という選手たちもいたかもしれない。

イングランド代表のファンにとっては幸いなことに、そうした選手たちに代わって、ウェンブリーでヨーロッパチャンピオンになることを目指している若く才能ある選手たちは大勢いる。以下に、現時点でフル代表に選ばれたことはないものの、2028年には活躍しそうな選手たちを挙げてみよう。

  • Jarrell Quansah England 2024Getty Images

    ジャレル・クアンサー(リヴァプール)

    リヴァプールは、ここ数年、何度も若きセンターバックを深い位置に投入せざるを得ないことがあり、直近でこの砲火の洗礼を受けたのはクアンサーであった。21歳のクアンサーは昨シーズン大いに活躍し、誰とでもコンビを組むことができることを知らしめたのみならず、レッズのプレミアリーグ最後の2試合で得点を決めてみせた。

    ガレス・サウスゲートもクアンサーを高く評価しており、EURO2024の予備メンバーには招集したほどだった。つまりクアンサーはイングランド代表としての生活を経験済みなのである。クアンサーがトップチームでデビューするのは時間の問題でしかない。とりわけ、レッズのアルネ・スロット監督の下で重要な選手としての地位を確立することができれば。

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  • Curtis Jones England 2023-24Getty

    カーティス・ジョーンズ(リヴァプール)

    まさかのタイミングでケガさえしなければ、ジョーンズはEURO2024のイングランド代表に選ばれてもおかしくなかった。しかしながら、大会前の数試合の国際試合に出場できず、自身の実力を示すチャンスを失ったのだった。

    ジョーンズは昨シーズン、キャリア最高のサッカーを披露していた。イングランド代表は中盤が薄く、これ以上彼が代表に選ばれないままである可能性は低い。現在23歳のジョーンズは、絶頂期を迎えているように見える。2024-25シーズンに華々しいスタートを切り、そのまま好調を維持できれば、EURO2028で重要な選手になると考えられないこともない。

  • Harvey Elliott England 2024Getty Images

    ハーヴェイ・エリオット(リヴァプール)

    エリオットはかなり前から活躍しており、まだ21歳であることを忘れてしまいそうになる。前述のリヴァプールの同僚2人と同じく、昨シーズン、非常に大きな進歩を遂げた。さまざまなポジションで何度もチームを勝利に導くプレーをしていたのである。

    U21代表としてすでに20試合に出場し、昨年の欧州選手権でも活躍した。ほどなくフル代表に呼ばれる位置にいることは間違いない。その多才さゆえに、大会でもとびぬけて魅力的な選手になることだろう。

  • Archie-Gray(C)GettyImages

    アーチー・グレイ(トッテナム)

    まだ10代にもかかわらず、グレイはリーズで大人でも背負いきれないようなプレッシャーを背負ってプレーしてきた。昨シーズン、そんな過酷な環境で、グレイという姓のために余計に注目されながらも、問題なく活躍した。アーチー・グレイは、クラブのレジェンド、エディー・グレイを大伯父に持ち、自身の祖父と父もリーズのエランド・ロード・スタジアムで名をはせた選手であった。

    2023-24シーズンはリーズでほぼフル稼働し、この夏、トッテナムへ高額移籍を果たして、アンジ・ポステコグルー監督の若手へのチーム大改造に加わることとなった。指揮官は若い選手たちの起用に積極的で、イングランド代表入りを目指すグレイにとってトッテナムほどうってつけのチームはない。

  • Mikey Moore Tottenham 2023-24Getty Images

    マイキー・ムーア(トッテナム)

    2028年に注目されるだろうスパーズの選手はグレイだけではない。16歳のムーアは、ハリー・ケイン以来の最もエキサイティングな、トッテナムのアカデミー出身選手となる可能性がある。この夏のU17欧州選手権で、ヤング・ライオンズのグループステージの試合で4得点を挙げた。

    これらの得点は、昨シーズン、ポステコグルー監督がトッテナムのトップチームにムーアを昇格させた後に起こったことである。プレミアリーグ終盤ではピッチに数分立つこともあった。スパーズはファンに辛抱を強いているが、ムーアに才能があることは明らかであり、ワクワクしないほうがおかしいだろう。4年後のイングランド代表に貢献する準備も、すでにできているかもしれない。

  • Lewis Miley Newcastle 2023-24Getty Images

    ルイス・マイリー(ニューカッスル)

    ニューカッスルは『収益性と持続可能性に関する規則』のために移籍市場で常に挫折させられており、マイリーの出現がどれほど重要だったか、どんな強調してもしすぎることはない。もともとニューカッスルのファンだった若者は、昨シーズンプロ契約を結ぶと、たちまちチームに馴染んだ。

    典型的なボックス・トゥ・ボックスのMFであるマイリーは、密集したエリアでも楽々とボールを受けることが出来、戦術理解が早く、ゴールを脅かすこともできる。ジュード・ベリンガムの代わりというのは困難な仕事だが、レアル・マドリーのスーパースターがプレーできないような場合には、マイリーが適切な代替選手となるだろう。

  • Jacob Ramsey Aston Villa 2023-24Getty Images

    ジェイコブ・ラムジー(アストン・ヴィラ)

    この夏はラムジーにとって大事な夏になる。昨シーズンはちょっとしたケガが続いてプレー時間が少なかったが、アストン・ヴィラが悲願のチャンピオンズリーグへ復帰を成し遂げた今シーズン、自身の力を示したいとうずうずしているに違いない。

    2022年10月に就任したウナイ・エメリ監督がこんなにも早くヴィラの運命を好転させることができたのは、ラムジーの力によるところも大きい。絶好調を取り戻せば、たとえスリー・ライオンズに攻撃的MFの選手が相変わらず大勢いるように見えたとしても、イングランド代表監督の目にとまることもありえるだろう。

  • Bobby Clark Liverpool League Cup 2023-24

    ボビー・クラーク(リヴァプール)

    クラークもカラバオ・カップ決勝で活躍し、チェルシーを破ったユルゲン・クロップの申し子のひとりである。元ニューカッスルのリー・クラークが父親で、自慢の息子がカラバオ・カップを掲げた時にはリーは嬉し涙を流していた。19歳のボビー・クラークは昨シーズン、プレミアリーグと欧州リーグで何度か先発した。

    何日も走りつづけられそうなエレガントな選手で、今後正しく成長していければ、イングランド代表の中盤のひとりになれるかもしれない。この夏、昇格を目指すチャンピオンシップのチームにレンタル移籍するのは、クラブにとっても代表にとっても、本人にとっても良いことであろう。

  • Jamie Bynoe-Gittens Borussia Dortmund 2023-24Getty Images

    ジェイミー・バイノー=ギッテンス(ボルシア・ドルトムント)

    プレミアリーグを離れてプレーしているバイノー=ギッテンスは、イングランドの他の将来有望選手ほど注目されていないが、ここ12カ月ほどで、密かにボルシア・ドルトムントで高い評価を築いている。

    マンチェスター・シティからジグナル・イドゥナ・パルクに加入したジェイドン・サンチョが、昨年1月に復帰したせいで皮肉にもバイノー=ギッテンスのプレー時間は影響を受けた。しかし、マンチェスター・ユナイテッドを離脱したサンチョがドルトムントに完全復帰する可能性は低く、バイノー=ギッテンスには、このプレシーズンに先発メンバーとしての地位を確立する真のチャンスがある。それができれば、かつてU21で活躍したこともあり、イングランド代表からも注目されるようになるかもしれない。

  • James Trafford FC BurnleyGetty

    ジェームス・トラッフォード(バーンリー)

    バーンリーに移籍後のトラッフォードの2023-24シーズンは最高のものとは言えず、シーズンをベンチで終えた。だが、プレミアリーグへの初めての挑戦が大成功でなかったとしても、GKとしてはまだほんの赤ん坊のような年齢である。

    トップチームでの吟味から1シーズン離れたことは、自信を取り戻すために必要なことであったろう。イングランド代表がジョーダン・ピックフォード後のことを考え始めている今、トラッフォードは相変わらず最も将来有望なGKである。エヴァートン所属のピックフォードは2028年にはまだ正GKでいるかもしれないが、今後数年のうちにトラッフォードがいくつかの試合に出場することがあっても驚きではない。