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アレクサンダー=アーノルドは本当にレアル・マドリーに移籍すべきなのか?熟考すべき6つのポイント

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直帰数カ月間は、常にレアル・マドリーの名前と一緒に報じられてきたトレント・アレクサンダー=アーノルド。しかしプレミアリーグ第33節のレスター戦、途中出場から圧巻の決勝点を叩き込んでリヴァプールを優勝まであと一歩まで導いた後、彼のセレブレーションとアウェイまで詰めかけたファンの表情は様々な意味を表していた。

では、ここで改めて確認しよう。アレクサンダー=アーノルドは本当にレアル・マドリーへ行くべきなのだろうか?

  • Girona FC v Liverpool FC - UEFA Champions League 2024/25 League Phase MD6Getty Images Sport

    リヴァプールの未来

    アレクサンダー=アーノルドの契約問題を、モハメド・サラーとフィルジル・ファン・ダイクの2人と切り離して考えるのは難しい。この3人は2016年以降のリヴァプールを絶対的な主力として支えてきたが、同時に今季限りで契約満了を迎える。後者2人は先日に2年間契約延長を発表したが、アレクサンダー=アーノルドの将来は未だ不明のままだ。

    年齢も重要な要素となっているだろう。サラーとファン・ダイクは依然として世界最高レベルだが、2人とも30歳を超えており、歳を重ねるごとに衰えを感じる可能性は高まっていく。しかし、アレクサンダー=アーノルドはまだ26歳。年齢的にはピークだ。その時期をどう過ごすか、自由に決断したいと考えるのは当然である。

    一方で、サラーとファン・ダイクが契約延長の際に語ったように、リヴァプールにはアルネ・スロット体制でも主要タイトルに挑戦できる力がある。今季もプレミアリーグ制覇は時間の問題であり、厳しいと思われたユルゲン・クロップ後のチームは力強く新時代をスタートさせている。そしてリーグタイトルは世界中の選手を惹きつけ、ビッグネームを加えながらさらなる躍進が期待できるはずだ。

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  • La-Liga-Real-Madrid-Athletic-ClubAFP

    レアル・マドリーの暗雲

    そして彼が今加入しようとしているレアル・マドリーは、今のリヴァプールとは逆の状況だ。確かに史上最多15回の欧州制覇を誇る彼らの輝きが衰えることはないが、今季の戦いは様々な欠陥を露呈している。

    彼らが最も得意としてきたチャンピオンズリーグで、アーセナルに2試合を通じて圧倒されたことは衝撃だった。キリアン・エンバペ、ジュード・ベリンガム、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴの“ファンタスティック・フォー”は封じ込められ、ほとんど見せ場もなく大会から姿を消している。トニ・クロースの引退によってチームとしての形を見せられないまま、今季を終えようとしているのだ。

    カルロ・アンチェロッティの退任も確実視されており、クラブの将来は決して明るいとは言えない。

  • TOPSHOT-FBL-ESP-LIGA-FRA-REALMADRID-PSGAFP

    スペインの重圧

    また、スペインはメディアのプレッシャーがイングランドとは比にならないくらい強烈だ。ペップ・グアルディオラの証言を聞くだけで、どれほど過酷であるかは理解できるだろう。彼は「イングランドとスペインのプレッシャーを比較なんてできないよ。スペインはここの1000倍厳しいね」と語っている。

    過去にレアル・マドリーやバルセロナでプレーしたことのある選手、指揮した監督はみな同じことを言うだろう。ヒーローから戦犯へ、一夜にして状況が変わってしまうのがスペインだ。

    アレクサンダー=アーノルドのプレースタイルは唯一無二だ。彼以上にチャンスメーカーとして機能するサイドバックはフットボール史において存在しない。その一振りですべてを変えることができる選手である。しかし同時に、守備の弱点は改善できていない。2月のマンチェスター・シティ戦では、プレミアリーグ1試合で最もドリブル突破を許すという不名誉な記録も作ってしまった。もちろん、このままではスペインメディアの餌食になることは確実だ。

  • Real Madrid CF v Real Valladolid CF  - La Liga EA SportsGetty Images Sport

    確約されないポジション

    さらに一部報道では、アレクサンダー=アーノルドはポジションを確約されているわけではないとも伝えられている。重傷からの復帰が迫るダニ・カルバハルが依然としてファーストチョイスであり、彼との争いに勝利しなければならないという。また給与に関しても、リヴァプールと同水準であるようだ。

    こうした状況・扱いを受け入れてまでも、彼はレアル・マドリーに行くべきなのだろうか? すでにクラブの顔となっているリヴァプールを去り、不安定な状況に陥るロス・ブランコスへ加入すべきなのだろうか? 今一度再考してみる必要があるだろう。

  • FBL-FRA-PSGAFP

    エンバペのケース

    今ならば、彼はまだタイミングを図ることが許されるはずだ。2022年のエンバペのケースを見てみよう。

    当時のエンバペはパリ・サンジェルマンとの契約満了が迫っており、シーズン終了後のレアル・マドリー移籍は「決定事項」とも伝えられていた。しかし、シーズン終了直前の心変わりでパリ・サンジェルマンとの契約延長を決断。当然、レアル・マドリーとフロレンティーノ・ペレスは激怒した。さらにスペインメディアもそれに同調し、「エンバペの獲得は永久にない」とまで伝えていた。それでもあの事件から2年後、エンバペはレアル・マドリーにフリーで加入している。

    アレクサンダー=アーノルドは今夏絶対に移籍が必要な状況ではないはずだ。一度様子を見てみるという選択肢も、捨てるべきではない。

  • Leicester City FC v Liverpool FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    ジェラードのように

    リヴァプールには、まだ勝ち取るべきものが残っている。偉大なクロップ時代を終え、スロット体制で新たな物語を作っていくことになる。そのスタートは明るく、希望が見えるものだ。

    一方でレアル・マドリーは、残念ながらその見通しは明るいとは言えない。名将アンチェロッティですら機能させられなかったチームを、一体誰が劇的に変えられるのだろうか? それが全てではないとはいえ、補強は絶対に必要だ。しかし、ペレスが「チームバランス」を意識した戦略を取らないことは有名である。特に守備時に周りのサポートが必要なアレクサンダー=アーノルドが、生きる環境が与えられるかは不透明だ。

    アレクサンダー=アーノルドが今夏にどのような決断を下そうとも、彼はリヴァプールの偉大な選手として歴史に名を残すだろう。しかしアンフィールドでプレーを続ければ、彼のあこがれであるスティーヴン・ジェラードに並び立つ存在になれるかもしれない。そのチャンスを潰してもいいのか、今一度熟考すべきだ。