―― 2019年にマンチェスター・シティに加入。移籍はどのような経緯で決まりましたか?
2019年は、シーズンが始まる時にトップチームに帯同できずにキャンプにも行けず…U-23の方で6人だけ大阪に残って練習をしていて、正直ちょっとメンタル的にキツイな、っていう感じからのスタートでした。森下仁志さんとの出会いもあって、なんとか自分を立て直すことができて、Jリーグで、J3で得点を重ねてJ1でもちょこちょこ点を取れるようになってきた時に、仲介人を通してマンチェスター・シティが興味を持ってるよっていう話を聞いて。そこから移籍がまとまるまでは、すごく自分の中で早かったというか。『興味がある。移籍金を払うから移籍しないか』から僕の決断までがすごく早かった。話がまとまったのは一日とかで。自分の中でも大きなチャレンジをしたいっていう思いで、すぐに決断させてもらいました。
―― 加入後にスコットランドのハーツに期限付きで移籍することになりました。初めてのヨーロッパ挑戦で、ピッチに立った時はどのような感情が一番最初に湧き上がってきましたか?
やっぱり、サッカーはサッカーなんだよなっていうのは感じましたね。日本でやる、小学生の時から取り組んできたサッカーと、プロになってからパナソニック スタジアム 吹田でプレーしてたサッカーと、スコットランドに渡ってスコットランド人の前でするサッカーも、全部サッカーはサッカーだよなっていうのはやっぱり一番感じましたね。どこに行ってもサッカーっていう文化があって、ボールを11人対11人でプレーするっていう、その文化はどこに行っても変わらないっていうことを改めて感じました。
―― ピッチレベルでは、Jリーグとの違いを感じましたか?
レベルが上がったとかは、本当にもう比較にならないですね。文化が違うので。やっぱりサッカーに対しての考え方はイギリス人と日本人では違い過ぎると思うので。プレミアリーグやスコットランドのサッカーは同じイギリス人なんで、サッカーに対する考え方は同じ。攻守にスピーディーで本当に展開が速い。すごくタフなリーグだなっていうのを感じましたね。
―― 適応する部分での難しさは?
やっぱり最初はちょっと苦労した部分もありましたね。やっぱり言葉も違う。言葉の違いもあるし、文化も違うし、すべてがアジャストしていくためにはすごく大変でした。けど、やっぱりその中でも楽しさっていうのは感じられた。さっきも言いましたけど、サッカーはサッカー。自分のサッカーを、自分のフットボールを、そこでするっていうことだけにフォーカスしたので、そこまで苦労したっていう感じではなかったです。
―― 雰囲気や熱量でサッカー文化を感じる部分はありましたか?
スタジアムの雰囲気ですかね。日本のように、サポーターの方が応援歌を歌ってくれてっていうのはあんまり無いんです。ただ、球際の激しいシーンで自分が勝ったり、一番分かりやすいのは点を取った時のサポーターの湧き上がりは日本では感じられないような熱でした。ビールがピッチに飛んでくるとかは日本であんまり無いですからね。ファンから『相手後ろから来てるよ』、『シュート!』とか、バックパスしたら『なんでやねん』みたいな声が飛び交うこともありました。サッカーに一喜一憂してくれてるサポーターや人種が多いんだなっていうのを感じましたね。
―― 欧州挑戦から二年目で、ポルトガルのリオ・アヴェに移籍することになりました。スコットランドとの違いは感じましたか?
スコットランドよりポルトガルの方がテクニカルですね。少しスローで、どっちかっていうとJリーグに近いような雰囲気のサッカーでした。スコットランドは本当にフィジカルで縦に速い、攻守の入れ替わりが激しい"ザ・フットボール"プレミアリーグのようなフットボールでしたけど、ポルトガルはよりテクニカルで戦術的で。試合の展開で言うとそこまで早くないと思います。ポルトガルの方が、自分の中ではすんなり入れたかなっていうのはあります。
―― ポルトガルでのキャリアの中で一番印象に残っているモーメントはありますか?
ポルトガルでは二年連続で開幕戦でゴールを決めたんですよ。それは結構自分の中で良かったなっていうのはあるし、ポルトガル一年目のリオ・アヴェでの日々っていうのは、すごく充実してました。試合も出られたし、得点も何点か取れたので。チームは降格してしまいましたが、その中でも、しっかり自分が戦えてるなっていうのは感じられた1年だったと思います。
―― 欧州での三年間をどのように振り返りますか?
素直に結果を残せなかった悔しい部分が一番大きいです。もうちょっとその国に馴染んで、言葉ももっと話せるようになれば、選手として他の選手たちとうまくコミュニケーション取れるようになり、もっとピッチで輝けたんじゃないかなっていうのはあります。国の文化に適応するっていうところをもう少しうまくできればよかったかなっていうのはありますね。
―― また欧州に戻って挑戦したいという意欲はありますか?
もちろん。サッカーをやってる以上、日本代表に入りたいですし、そのために海外でプレーした方が選ばれる可能性が高いかもしれないしっていうのは、今の代表を見てても思います。でも、僕としてはまず、去年の夏にガンバに戻らせてもらったので、ガンバで結果を残してっていうところが一番です。