Premier League Team of the Season so far GFXGOAL

サラー、パーマー…2024-25シーズン前半戦のプレミアリーグベストイレブン

今シーズンのプレミアリーグは近年稀に見るエンターテインメントに富んだものとなっている。2024-25シーズンの後半に向けて、タイトル争い、チャンピオンズリーグ出場権争い、残留争いがすべて非常に接戦なのだ。イングランド各地で成功と悲しみの物語が繰り広げられている。

アルネ・スロットがユルゲン・クロップからこんなにスムーズにリヴァプールを引き継ぐと、誰が思っただろうか。エンツォ・マレスカ率いるチェルシーはボロボロになると予想されていなかったか? ペップ・グアルディオラの残留が約束されているのに、マンチェスター・シティが危機に陥るとは…。

GOALは、トップリーグの20チームすべてを調べ、シーズンこれまでで最高のベストイレブンを選出した。

  • FBL-ENG-PR-EVERTON-NEWCASTLEAFP

    GK:ジョーダン・ピックフォード(エヴァートン)

    まったく、この男がここに入るとは! 通常、シーズンのこの段階では、頭ひとつ飛び出た優秀なGKがいるものだ。今シーズンにおいてはアンドレ・オナナがそうなるはずだったが、マンチェスター・ユナイテッドでの奇妙なパフォーマンスの連続で、どういうわけか、そうならない状態に陥っている。

    代わりにベストイレブンに入ったのは、エヴァ―トンのジョーダン・ピックフォードである。彼は、この2、3カ月、ミスを犯していない唯一のキーパーと言える。トフィーズことエヴァ―トンを残留争いから引き離し、クラブの現代史にその名を刻んでいるのだ。

    17節が終わった段階で(マージーサイド・ダービーが延期されたためエヴァ―トンは16試合しか戦っていない)、ピックフォードはリーグ最多のクリーンシート「7」という記録を誇っており、タイトル争いをしているアーセナルやチェルシーに対しても、つい最近、無失点試合をマークしている。エヴァ―トンは順位表の下位半分のチームの中では失点が最少で、これまでにわずか21失点しかしていない。

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  • Liverpool FC v Manchester City FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    RB:トレント・アレクサンダー=アーノルド(リヴァプール)

    今シーズン、私たちが学んだことのひとつは、カイル・ウォーカーがトレント・アレクサンダー=アーノルドよりも守備が優れていると言うのはやめるべきだということである。かつては真実だったかもしれないが、今はもう違う。

    リヴァプールの背番号66の将来は不透明なままだが、その不確実性が彼のプレーに悪影響を及ぼすことはなかった。実際、ボールを持っていない時の動きが特に向上している。アレクサンダー=アーノルドは、リーグ戦だけでも4アシストと7つの無失点試合を記録しているのだ。

    アレクサンダー=アーノルドが来夏にリヴァプールを去り、レアル・マドリーへ向かうことは、リヴァプールとプレミアリーグ全体にとって悲劇であろう。彼が幼少期から所属していたクラブとして、リヴァプールはそれを実現させてはならない。

  • Liverpool FC v Chelsea FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    CB:フィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール)

    リヴァプールで契約切れとなる3人のスーパースターのうち2番目に挙げるのは、キャプテンのフィルジル・ファン・ダイクである。33歳になった彼が衰退しつつあると考えるのは簡単だが、彼自身はむしろ小さな復調を楽しんでいる。

    以前はユルゲン・クロップが設定した高いラインにおいてスイーパーとしての役割を担っていたが、アルネ・スロットの監督就任により、レッズは以前より落ち着いた守備をすることができるようになった。ファン・ダイクは、そうした、慌てる必要のないアプローチの恩恵を受けている選手である。

    10月、タイトル争いのライバルであるアーセナルと2-2で引き分けた試合で重要なヘディングを決めており、チームの手本となって、契約をめぐる騒動においてはメディアを軽視し、時には些細な事柄が騒ぎのもととならないよう、マスコミを拒否する姿勢を示している。

  • FBL-ENG-PR-ARSENAL-BRIGHTONAFP

    CB:ガブリエウ・マガリャンイス(アーセナル)

    ウィリアム・サリバとガブリエウ・マガリャンイスのどちらを選ぶかは難しい選択だった。2人とも2024年の1年間、さらに昨シーズンにさかのぼっても優れていたからだ。しかし、アーセナルで絶妙なセットプレーから今季3得点を記録している後者を選ぶことにする。

    ガブリエウがこちらに向かって走ってきたら、どうやって止めるだろうか。あの圧倒的な存在感を無効にすることなどできるだろうか。モナコがやったように、前線の攻撃陣まで呼び戻してCKに対処する以外、何ができるだろう。

    世界中のチームが追いつこうと努力する中、ガナーズはセットプレーに大きく依存している。その恩恵を主に受けているのが、ガブリエウである。

  • Fulham FC v Aston Villa FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    LB:アントニー・ロビンソン(フラム)

    アメリカ代表の選手がプレミアリーグの年間ベストイレブンに選ばれたことはないが、アントニー・ロビンソンがその最初の選手となるかもしれない。

    このポジションでは、いつもなら名前があがる選手たち、例えばアンディ・ロバートソンやルーク・ショーのような選手たちが今シーズンは不調である一方、このアメリカ代表選手はこのポジションを自分のものにし、フラムの左サイドを縦横無尽に駆け巡って、6アシストを提供し、マルコ・シウヴァ監督の好調なチームにおいて、何度かキャプテンを務めている。

    ロビンソンがシーズンを通じてこの調子を維持できれば、ヨーロッパのより大きなクラブへの移籍が確実に待っていることだろう。フラムのファンには申し訳ないが…

  • Chelsea FC v Newcastle United FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    CM:モイセス・カイセド(チェルシー)

    10億ポンド(約1,970億円)以上を費やしたチェルシーが、ようやく新しいチームの姿を見せ始めていることに、サッカー界は称賛を与えるべきだろうか。まあ、少しはそうかもしれない。ただし、その称賛の大部分は、実際にナンセンスな部分をふるい落とし、1つではなく2つの機能するチームを編成したエンツォ・マレスカ監督(および、ある程度は前任者のマウリシオ・ポチェッティーノ)が受けるべきである。

    ファーストチョイスのチームの中心にいるのは副キャプテンのモイセス・カイセドで、週を追うごとに成長し、今や1億1,500万ポンド(約227億円)の値札にふさわしい存在となっている。この秋と冬にリーグ戦で際立った2人の最高の守備的MFのうちのひとりである。

    ロメオ・ラヴィアとエンソ・フェルナンデスも中盤で力を発揮し始めており、シーズン後半ではカイセドの負担が少し軽くなるだろう。しかし、たとえ負担が続いたとしても、彼は単独で守りを固められる実力と才能を示している。

  • Liverpool FC v Brentford FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    CM:ライアン・フラーフェンベルフ(リヴァプール)

    リヴァプールは2023年の夏にカイセドを狙ったが失敗し、最終的には長年のターゲットであったライアン・フラーフェンベルフの獲得に乗り出すことになったが、2番手をめぐる展開としては、かなりの騒ぎとなった。

    フラーフェンベルフはマージーサイドでのデビューシーズンに少し時間がかかったが、同郷のスロットがアンフィールドの指揮を執る中で、本来の自分を示しつつある。激しいが落ち着いたプレーで、何でもできる容赦ないMFである。

    23歳のフラーフェンベルフがリザーブから主力にスムーズに移行したことは驚きであるが、彼のパフォーマンスが全国的にあまり称賛されていないことは不思議である。まあ、それは、周りにリヴァプールのファンがどれだけいるかによるだろうが!

  • Liverpool FC v Brighton & Hove Albion FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    RW:モハメド・サラー(リヴァプール)

    今シーズンのプレミアリーグで最も素晴らしい選手。チェルシーのコール・パーマーよりも多くの得点に貢献しており、パーマーの17を上回る26もの得点に貢献している。

    モハメド・サラーは難しいことを簡単にこなす。彼の偉大さは、時に当然のことのように思われてしまう。バロンドールの候補として議論されるようになったのはごく最近のことで、なぜかいまだにFIFProの男子の年間最優秀イレブンにも選ばれていないのだから仕方がないと言われている。

    サラーは史上最高のシーズンを迎えようとしている。あの素晴らしいリヴァプールも同様である。いま必要なことは、リヴァプールが、サラーにふさわしいことが明らかなあの契約にサラーを縛りつけておくことである。

  • Chelsea FC v Brighton & Hove Albion FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    AM:コール・パーマー(チェルシー)

    少し前まで、コール・パーマーはイングランドで有名な選手とはまったく言えない存在だった。それが今や、国内外で最も有名なサッカー選手のひとりとなり、彼の象徴的なセレブレーションはサッカー界だけでなく世界中に広がっている。

    パーマーの今季のリーグ戦でのゴールとアシストは合計17で、サラーを除く誰よりも多い。9月にプレミアリーグ史上初めて前半だけで4得点を決めるという、驚異的な記録を打ち立てた。

    チェルシーの驚くべきタイトル争いはパーマーの活躍を中心に展開されている。チェルシーがリーグ優勝を果たすことになれば、2017年以来初めてスタンフォード・ブリッジに訪れるその栄光への道のりに大きく貢献しているのはパーマーだと断言できるだろう。

  • FBL-ENG-PR-ARSENAL-SOUTHAMPTONAFP

    LW:ブカヨ・サカ(アーセナル)

    そう、もちろん、ブカヨ・サカは左ウイングではない。それはわかっている。だけど、それがどうしたのか?

    これまでのところ、プレミアリーグで最高の3人と言えば、サラー、パーマー、そしてサカである。ところが、この3人は、ほぼ同じポジションなのだ。3人全員をこのリストに挙げるために、ポジションを無視したことはお詫びする。いいや、この謝罪は撤回しよう。この3人が何らかの形でベストイレブンに選ばれることは間違っていないはずだ。

    これまでのところ、純然たる左ウイングで活躍している選手はいない。スピリチュアルなレベルでサカをここに押し込んでもいいではないか。これまでに得点とアシストで合計15ゴールに貢献しているのだから。

  • West Ham United FC v Manchester City FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    CF:アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)

    そう、これは最も論争を呼ぶ選択だろう。だが、ちょっと待て。実にシンプルな考えがあるのだ。

    彼自身、そしてマンチェスター・シティも絶不調が続いているというのに、アーリング・ハーランドは今季のプレミアリーグで最多得点者であり続けている。確かに13得点のうち10得点は9月中旬までに決めたものだが、それでもセンターFWの選手たちの中では依然として先頭を走っている――ゴールデン・ブーツ賞争いに関してはサラーが15得点で先を行っているにしても。

    ストライカーというポジションは、数字だけで判断することができる唯一のポジションかもしれない。誰が良くて誰が良くないか、ストライカーは簡単に分かる。

    シーズンが終わった時、ハーランドがチーム内でどんな立ち位置にいるか、確実なことはわからない。アレクサンダー・イサクとニコラス・ジャクソンがすぐ後ろに迫っている。ノルウェー代表の得点マシンは、長くこのポジションを維持するため、得点を決め続けなければならない。