Liverpool season ratings GFXGetty/GOAL

今季のリヴァプール全選手ランキング:サラー、ファン・ダイクらは上位に…一方で期待外れだったのは? 遠藤航の評価は?

リヴァプールにとって、どれほど素晴らしいシーズンだったことか! 昨年の今頃、ファン・サポーターたちはユルゲン・クロップ前指揮官の最後の試合を何とか受け入れようとしながら、その後任であるアルネ・スロット監督に何を求めるべきか不安を抱えていたものだった。

ところが、今では彼らはマンチェスター・ユナイテッドに並ぶ最多記録となる20回目のトップリーグ優勝を果たし、今シーズンのプレミアリーグを圧倒的な強さで制したレッズを率いたオランダ人監督を“天才”と賛辞を送っている。

リヴァプールの驚異的な成功は、特に契約満了が大きな問題となってクラブが困難に陥る中、チーム全体の復活と団結力に支えられた、まさにチームワークの勝利であった。その中で、マージーサイドのチームを再び頂点に導くべく、仲間を鼓舞する役割を果たした何人かの選手には個々でも称賛も寄せられている。

以下では、2024-25シーズンに5試合以上リーグ戦に出場したリヴァプールの全選手をランキング形式で紹介する。

  • Darwin Nunez Liverpool 2025Getty Images

    21ダルウィン・ヌニェス

    ダルウィン・ヌニェスが来シーズンもリヴァプールに残留する可能性は、ほぼゼロである。今シーズンの成績を考えると、当然のことだろう。ウルグアイ代表フォワードはブレントフォード戦の後半では劇的な2得点を決め、タイトル獲得の鍵となるような活躍を見せたが、結果的にプレミアリーグではわずか5得点しか挙げられなかった。6,400万ポンド(約123億円)で獲得したストライカーとしては、不甲斐ない成績である。

    最近、スロット監督がヌニェスを先発起用しなくなったのは、リヴァプールがこのFWへのボーナスの支払いを回避するためだと報じられたが、それは真実かもしれない。とはいえ、ヌニェスが絶好のチャンスを何度も外す傾向にあったことも事実だ。評価:2/10

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  • Federico Chiesa LiverpoolGetty Images

    20フェデリコ・キエーザ

    スロット監督はフェデリコ・キエーザには「間違いなく」リヴァプールでの将来があると言っているが、怪しいものだ。このイタリア代表選手は負傷が多く、ユヴェントスのプレシーズンの試合に招集されなくなった後、リヴァプールに加入した際も、コンディションが万全ではなかった。そして、キエーザが起用可能な状態だった時でさえ、指揮官はほとんど起用しなかった。

    カラバオカップ決勝で途中出場して得点を挙げたキエーザは、多才なウインガーとしてセリエAの多くのクラブから関心を集めているが、プレミアリーグでの初先発は最終節前の第37節ブライトン戦まで待たなければならなかった。評価:3/10

  • Liverpool FC v Fulham FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    19ジャレル・クアンサー

    ジャレル・クアンサーの今シーズンは、スロット監督からリヴァプール守備陣の中央でフィルジル・ファン・ダイクのパートナーに抜擢されて始まったが、イプスウィッチ・タウンとの開幕戦でハーフタイムに交代して以降、ほとんど出場機会がなかった。

    確かに、チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16でのパリ・サンジェルマン(PSG)戦では、素晴らしいヘディングシュートがポストに当たってしまい、あと少しでヒーローになるところにまで迫った。しかし、結局は、5カ月間負傷で欠場したジョー・ゴメスよりもプレミアリーグでの出場時間が少なく、悔しいシーズンとなってしまった。評価:4/10

  • Brighton & Hove Albion v Liverpool - Carabao Cup Fourth RoundGetty Images Sport

    18ジョー・ゴメス

    ジョー・ゴメスが、2月のFAカップ4回戦のプリマス戦で負った怪我のため、5カ月も戦線離脱していた中、日曜日のホームでのプレミアリーグ最終節クリスタル・パレス戦でベンチ入りしたことはファンを喜ばせた。

    彼が来シーズンもクラブに残るかどうかは誰にもわからない。多才なゴメスは貴重な存在であり、ケガをする前はイブラヒマ・コナテやジャレル・クアンサーよりも信頼できるセンターバックだと思われていた。しかし今夏、より多くの出場機会を求めて他チームに移籍する可能性もある。評価:4/10

  • wataru-endo(C)Getty Images

    17遠藤航

    遠藤航はクロップ監督の最後の年に重要な選手として頭角を現した。その活躍は、ドイツの名将がカラバオカップ決勝のチェルシー戦で勝利した後、ボール奪取の「マシン」と称し、新契約を結ぶことを求めるほどだった。

    しかし、遠藤のリヴァプールでの将来は今のところ不透明だ。スロット監督の下では、行方の定まらない試合に途中出場し、ゲームを締めくくる役割を果たす非常に有用な選手として活躍したが、スロット監督が「6番」の選手に求める資質のすべてを備えていないことは明らかだ。プレミアリーグでわずか1試合しか先発出場していない現状では、今夏以降もリヴァプールにいるかどうかは、わからない。評価:6/10

  • FBL-EUR-C1-LIVERPOOL-BAYER LEVERKUSENAFP

    16クィービーン・ケレハー

    クィービーン・ケレハーは、リヴァプールがアリソン・ベッカーの後任として、バレンシアのギオルギ・ママルダシュヴィリを事実上獲得(2025年夏に合流)したと知って、当然ながら激怒した。

    リヴァプールは昨夏、このアイルランド代表選手の移籍を阻止した。そして、今季は20試合で9回のクリーンシートを記録。プレミアリーグの中位のクラブの多くが注目するGKを売却すれば、相当の資金を得られるため、今回はケレハーの移籍を阻むことはないと見られている。評価:6/10

  • Liverpool FC v Newcastle United FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    15コスタス・ツィミカス

    リヴァプールが新しい左サイドバックを獲得しようとしているとの報道をみると、コスタス・ツィミカスが今夏に移籍する可能性は高いようだ。彼が去ることとなれば、レッズのファンは彼の成功を祈って見送ることだろう。

    今シーズンのツィミカスは、リヴァプールに加入して以降で一番、アンディ・ロバートソンにプレッシャーをかけることができた。プレミアリーグでは9試合しか先発しなかったが、1月のノッティンガム・フォレストとの重要なゲームでは途中出場し、わずか数秒後にディオゴ・ジョッタの貴重な同点ゴールをアシストして、1-1の引き分けに持ち込んだのが記憶に新しいところである。評価:6/10

  • Liverpool FC v LOSC Lille - UEFA Champions League 2024/25 League Phase MD7Getty Images Sport

    14ハーヴェイ・エリオット

    プレシーズン中、ハーヴェイ・エリオットは、スロット監督の先発メンバーの中で、背番号10の役割に最もふさわしい選手だと思われていた。しかし、9月に足を骨折して2カ月の戦線離脱を余儀なくされる前から、出場機会を得ることが困難な状態であった。

    それでもエリオットは、CLラウンド16・1stレグのパルク・デ・プランスでのPSG戦で決勝ゴールを決め、その影響力の大きさを示したが、プレミアリーグではシーズンを通して、2試合しか先発出場がなく(その2試合は優勝が決まった後だった)、今夏、大きな決断を下す必要があることは間違いない。評価:6/10

  • Everton FC v Liverpool FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    13コナー・ブラッドリー

    再びトレント・アレクサンダー=アーノルドの代役としての役割を背負うこととなったコナー・ブラッドリー。CLグループフェーズ第5節、レアル・マドリー戦での圧巻のパフォーマンスなど、大舞台で輝ける機会は逃さなかった。ブラッドリーはアーノルドのような広いパスレンジは持ちあわせていないが、守備に優れ、攻撃でも脅威となることができる(今シーズンは4アシストを記録)。

    しかし、今シーズンに2度も戦線離脱したブラッドリーが、今後も長期にわたってコンディションを維持できるかどうかは大きな疑問が残るため、リヴァプールがジェレミー・フリンポンを獲得するのは理にかなっている。評価:6/10

  • Andy Robertson Liverpool 2025Getty Images

    12アンディ・ロバートソン

    アンディ・ロバートソンは相変わらずアグレッシブなプレーを続けているが、残念ながら、かつてリヴァプールの左サイドで発揮していた圧倒的な力強さは失われてしまっている。

    今シーズンのプレミアリーグで直接ゴールに関与したのは1得点のみ。守備面でもより脆弱さを露呈するようになり、フラム戦での2つの失態がそれを如実に表していた。当然のことながら、今夏ではクラブが新しい左サイドバックを獲得するという噂が飛び交っている。評価:6/10

  • FBL-ENG-PR-LIVERPOOL-FULHAMAFP

    11ディオゴ・ジョッタ

    ディオゴ・ジョッタは2024-25シーズンにおける重要なゴールをいくつも決めている。特にフラム戦、ノッティンガム・フォレスト戦、エヴァートン戦では活躍が際立った。

    しかし、シーズン全体では、このポルトガル代表FWは苦しみ続けた。再びケガに見舞われ、最後の数週間はかつての輝きを失ってしまっていた。その結果、夏に売却される可能性が浮上しており、スロット監督は、ケガなくプレーでき、より多くの得点をあげられる背番号9を求めていると言われている。評価:6/10

  • FBL-ENG-PR-MAN CITY-LIVERPOOLAFP

    10カーティス・ジョーンズ

    カーティス・ジョーンズは、シーズンの立ち上がりでをまたしても軽度の筋肉損傷で欠場したものの、すぐにスロット監督の先発メンバーに定着し、年が明ける頃にはリヴァプールに来てから最も良いプレーを披露していた。

    シーズン後半には一時期、先発起用されなくなり、やや不満げな姿を見せていたジョーンズだが、公式戦45試合に出場し、3ゴール6アシストを記録した。評価:7/10

  • Ibrahima KonateGetty Images Sport

    9イブラヒマ・コナテ

    イブラヒマ・コナテの能力に対する疑念は依然として残っており、特にいつ致命的なミスを犯すかわからないという印象が常に付きまとっている。PSG戦での敗北がその典型的な例だ。リヴァプールのファンの大多数は、このフランス代表DFが今夏に売却されても、特に不満を感じないだろう。とりわけ、彼の契約が残り1年しかないことを考えれば。

    それでも、コナテはタイトル獲得チームの主要メンバーであり、出場時間は5番目に多い選手。また、ファン・ダイクとのセンターバックのコンビは、プレミアリーグで最も強力で安定したコンビと評価されている。評価:8/10

  • Liverpool FC v Newcastle United FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    8ドミニク・ソボスライ

    ジェイミー・キャラガーは、ドミニク・ソボスライにさらなる成果を要求している人物のひとりであり、スロット監督も時折そのことに触れてきた。しかし、ハンガリー代表のソボスライは、公式戦で8ゴール8アシストを記録。豊富な運動量と激しいプレスが、リヴァプールに不可欠な存在となり、多くの勝利に貢献してきた。

    2月のマンチェスター・シティ戦でも圧倒的な活躍を見せて勝利の立役者となった。改善の余地はあるものの、ソボスライがまだ24歳であることを忘れてはならない。評価:8/10

  • FBL-EUR-C1-GIRONA-LIVERPOOLAFP

    7アリソン・ベッカー

    アリソン・ベッカーの度重なるケガは懸念材料となりつつあるが(今シーズンは筋肉の故障で8試合を欠場)、このブラジル代表選手の能力に疑いの余地はない。

    パルク・デ・プランスでのPSG戦での活躍が示すとおり、依然として世界最高のGKであることに変わりはない。ギオルギ・ママルダシュヴィリは来シーズン、リヴァプールの背番号1の座をアリソンから奪うために多大な努力をしなければならないだろう。評価:8/10

  • Luis DiazGetty Images Sport

    6ルイス・ディアス

    リヴァプールは今シーズン、ルイス・ディアスに多くのゴールを期待していた。そして、その期待は叶った。コロンビア代表FWは、公式戦でプロキャリア最多となる17ゴールをマークした。

    より中央のポジションでプレーしたことが功を奏し、スロット監督は同選手を“偽9番”として何度も起用したが、リヴァプールが今夏ストライカーの補強を計画していることや、ガクポが左サイドでより効果的なオプションとして浮上していることから、ルイス・ディアスのアンフィールドでの長期的な将来には依然として疑問が残る。それでも、ディアスはタイトル獲得に重要な役割を果たした。評価:8/10

  • FBL-ENG-PR-LIVERPOOL-IPSWICHAFP

    5コーディ・ガクポ

    スロット監督が万能なガクポを主に左ウイングで起用した決断は、見事な成果をあげた。このオランダ代表選手は、公式戦18ゴールを挙げ、チーム内で2位となる得点数を記録し、5度のアシスト数も残した。

    非常に残念なことに、絶好調だった中で2月に負傷し、PSGとのCLラウンド16の試合には2ndレグの19分間しか出場できなかった。それでも、ガクポは素晴らしい成績を残した。アンフィールドではこの26歳にさらなる大きな活躍が期待されている。評価:8/10

  • Liverpool FC v Paris Saint-Germain - UEFA Champions League 2024/25 Round of 16 Second LegGetty Images Sport

    4アレクシス・マクアリスター

    スロット監督は最近、サッカー界にアレクシス・マクアリスターのような選手は多くないとの指摘をしたが、その通りだ。このアルゼンチン代表選手は、技術的な才能に恵まれているだけでなく、粘り強さも兼ね備えており、中盤のどのポジションでも、素晴らしいパフォーマンスを発揮できる選手だ。

    マクアリスターは今シーズン、公式戦で13ゴールに関与し、リヴァプールの選手の中で最も多くのタックルを成功させた。これは、最も重要な試合でより輝きを放つ、知性豊かなマクアリスターの重要性をまさに示している。評価:9/10

  • Ryan Gravenberch Liverpool 2025Getty Images

    3ライアン・フラーフェンベルフ

    リヴァプールは昨夏、ワールドクラスの守備的MFの獲得に失敗し、失望した。しかし、最終的に求めていた人材はすでにチーム内にいたのであった。

    スロット監督がライアン・フラーフェンベルフを背番号6のポジションに移したのは見事な采配だった。このオランダ代表MFは、タックル、インターセプト、正確なパス、戦術眼、前線へ持ち上がるドリブルなどで、レッズに不可欠な存在であることを証明してみせた。フラーフェンベルフがプレミアリーグのシーズン最優秀選手の候補に選出されたことは、驚くべきことではない。評価:9/10

  • FBL-ENG-LCUP-LIVERPOOL-NEWCASTLEAFP

    2フィルジル・ファン・ダイク

    リヴァプールがフィルジル・ファン・ダイクに新契約を提示するまでに、なぜこんなに時間がかかったのだろうか。33歳にして世界最高のセンターバックであることを疑いようのないほど証明した。このチームを鼓舞するキャプテンがいなければ、レッズがタイトルを獲得することはなかっただろう。

    ファン・ダイクは空中戦でも再び圧倒的なパフォーマンスを見せ、ほとんど倒されることなく、ポジションを崩されることもなかった。彼のパスレンジの広さはリヴァプールが一瞬にして守備から攻撃に転じることを可能にした。評価:9/10

  • Mohamed Salah Liverpool 2025Getty Images

    1モハメド・サラー

    リヴァプール最高の選手であり、プレミアリーグ最高の選手でもある。モハメド・サラーは、レッズの選手の中で最も多くの試合に出場し、公式戦で56ゴールに関与して、そのうち33ゴールを決めた。

    彼が低調なパフォーマンスを見せたのは、おそらく3試合だけで(CLのPSG戦とカラバオカップのニューカッスル戦)、タイトルを獲得した今シーズンの大半でリヴァプールの攻撃を牽引し続けた。

    当然、このエジプト王の記録的な活躍により、フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)は遅ればせながら2年の契約延長を提示し、サラーはアンフィールドでさらに歴史を刻むチャンスを得た。評価:9/10