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久保建英がレアル・ソシエダサポーターの希望の光に。ダビド・シルバの魔法を失っても「クボの閃き」がある

フットボールクラブの性格というものは、人間と同じようにそうやすやすとは変わらない。厳格なサラリーキャップを敷くラ・リーガでは、バルセロナをはじめとして多くのクラブが選手登録で苦労を強いられているが、翻ってレアル・ソシエダは我が道を進み続ける。

このバスクのクラブは健全経営を貫き、下部組織を大切にし、絶対に必要だという確信と財政的余裕を持って選手補強を実現する。そうして1年前に獲得したのが、久保建英だった。頻繁にチームを変えてきた過去からサポーターから疑いの目も向けられた日本人MFだったが、ソシエダを自分の庭とするまで時間はかからなかった。

久保はすぐさま、その庭に咲き乱れた美しき花たちの仲間入りを果たした。ミケル・メリーノ、ブライス・メンデス、ミケル・オヤルサバル……そしてダビド・シルバという左利きのテクニシャン集団の仲間入りを。

チームを導くのは ダビド・シルバの役割だったが、久保も唯一無二の才能とパーソナリティーでもって、すぐさまファンの心を鷲掴みにしている。ピッチ内での果敢なプレーとピッチ外でのウィットに富んだ発言はどちらも魅力たっぷり。とはいえ、彼が最も雄弁に己を物語るのは、やはり芝生の上だ。

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