だがクラビーツは、クロップの復帰時期や雇用主がレッドブルであることに全く驚かなかったと主張する。
「もし彼が、『いつもと同じ役割でどこかのクラブに入りたいか』と尋ねてきたら驚いただろう」と、彼は言う。
「だが、そんなことは、まず起こらないと確信していた。彼は以前と全く異なることをするだろうと常に思っていた。ユルゲンは監督という仕事とは違うものを求めていただけだ」
「彼は常に好奇心旺盛で、サッカー以外のことにも熱心だった。レッドブルでなら、枠にとらわれずに考え、新たな経験を積み、実際に深く関与することができる。一カ所に縛られることなく、毎日の広報業務からも解放される。深さは減ったが、広さは変わらない」
「批判は承知しているが理解できない。(ドイツの)ファンのほうに、少し誤解があると思う」
「イングランドでは、投資家が資金提供者として戦略的な決定を行い、クラブを運営するのがごく普通のことだ」
「それがなぜドイツではまだ定着していないのかと問うなら、それはサッカーがどのようにプロ化され、商業的に運営されているかへの問いでもある。非常に興味深い議論だが、サッカーそのものと同じくらい古い問題だ」
「しかし結局のところ、ユルゲンがどこで働けば許され、何になれば人々は容認しただろうか? 仮定の話だが、彼がバイエルン・ミュンヘンやマンチェスター・ユナイテッドの監督になったとしても、批判の声は数多く上がったはずだ。もちろん、そうなったら職業選択の自由が阻害されることになる。個人の判断には敬意が払われなければならない。ファンが何を望んでいるか、一般投票で決めるわけにはいかないのだ」