How Man City regain title GFXGetty/GOAL

マンチェスター・シティはプレミアリーグのタイトルをどう取り戻すのか?ハーランドへの手助け、エデルソンの放出…ペップが2025-26シーズンにすべき6つの変更点

金曜にウルブスと対戦したマンチェスター・シティは、あるものを失うことが決まっていた。ペップ・グアルディオラ監督のチームは、ほぼ4年ぶりに、他の月並みなプレミアリーグのチームと同じ姿でピッチに立つことになろうとしている。そう、2021年5月から右袖に付けていた、王者の印である金のプレミアリーグのエンブレムは取り外され、代わりに、ひとつを除き他のすべてのチームが付けるのと同じ青いエンブレムが付けられることになるのだ。

グアルディオラ監督は11月の時点でマンチェスター・Cがリーグ優勝を逃すことを事実上認めていたが、だからと言って、日曜にリヴァプールが新王者に確定した瞬間——マンチェスター・Cがノッティンガム・フォレストを破ってFAカップの決勝進出を決めたまさにその瞬間——に痛みを感じなかったわけではない。多くの監督ならウェンブリーでの準決勝勝利を前向きに捉えただろうが、グアルディオラ監督は「今シーズンは最終的に大丈夫となるのか」と問われた際、真剣な表情で答えた。

「その答えはノーだ…私たちはリヴァプールに10億ポイントの差をつけられている。良くないことだ」。正確に言えば、リヴァプールとマンチェスター・Cの勝ち点差は「21」だが、勝利への渇望が尽きない監督にとって、その差は10億ポイントに等しい。監督として優れた業績を残してきたグアルディオラ監督が16シーズンでリーグ優勝を逃したのは4度だけであり、すでにタイトル奪還計画を練っていることだろう。

2016-17シーズン、監督就任の初年度にタイトルを逃した後、クラブが2億1,400万ポンド(約411億円)を投じて新戦力を獲得したことに応えた彼は、翌シーズンに記録的な勝ち点100を積み重ねて王座を奪還した。さらにその翌シーズンも勝ち点98を獲得してタイトルを防衛。2019-20シーズンに勝ち点差18でリヴァプールに優勝を譲った後には、記録的な4連覇を達成してみせた。

間違いなく、マンチェスター・Cは来シーズン、リヴァプールからのタイトル奪還に必死になるだろう。エティハド・スタジアムからトロフィーが離れるのは1年間だけにすることを確実にするために、彼らがしなければならないことは以下の通りである…

  • Manchester City FC v Liverpool FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    新たな守護神を見つけよ

    わずか1年前、マンチェスター・CのGK陣は完璧な状態に見えていた。ステファン・オルテガが、信頼できるエデルソンのバックアップ選手として、しばしば素晴らしいパフォーマンスを披露していたからだ。このドイツ代表GKは、シーズン最終戦前のトッテナム戦でのソン・フンミンに対する驚異的なセーブで、2024年のタイトル争いからの脱落を防いだ功績が評価されていた。

    しかし、今シーズンの戦いは、マンチェスター・Cには新たなGKが1人ではなく2人必要だということを浮き彫りにした。グアルディオラ監督が両GKへの不満を露わにしたのは、1月のブレントフォード戦に2-2の引き分けだった時だった。監督は西部ロンドンへの遠征にエデルソンを連れていかなかっただけではなく――しかもこれが今シーズン初めてのことではなかった――、試合終了後、オルテガの耳元で怒鳴り散らす姿が見られたのだった。GKが試合終盤に2失点を許したことに激怒していたことは明らかだった。

    それ以来、マンチェスター・Cが新しい背番号1を探していることは公然の秘密となっている。エデルソンは昨夏サウジアラビア移籍を希望したが、グアルディオラ監督が説得して残留させた。ところが、FAカップ準決勝前にこのブラジル代表GKについて問われた監督は、「そのことについて今はコメントしたくない」とだけ答えたのだった。

    エデルソンは今シーズン、GKとしては異例の4アシストを記録しているが、ゴールを許さない能力は長らく低下しており、特にチャンピオンズリーグで何度も失点の原因となった。エデルソンとオルテガの契約は2026年に満了するため、マンチェスター・Cは先手を打って新たな背番号1を獲得し、少なくとも今後5年間はゴールを守れる選手を確保する必要がある。最有力候補はポルトのキャプテン、ディオゴ・コスタだが、リールのリュカ・シュヴァリエもエティハドで支持を集めている。

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  • Manchester City v FC Internazionale Milano - UEFA Champions League 2024/25 League Phase MD1Getty Images Sport

    ロドリの復帰をサポートせよ

    それでなくともリヴァプールがリーグ優勝を果たしたかもしれないが、マンチェスター・Cにとって今シーズン最も重要な瞬間が、9月のアーセナル戦でロドリが前十字靭帯を断裂した瞬間だったことは間違いない。2022年11月以降、ロドリが先発出場した試合では1敗しかしていなかったチームが、彼の悲惨なケガからわずか2カ月後、5連敗というどん底に沈み、崩壊寸前まで追い込まれた。マンチェスター・Cは3月までにプレミアリーグで9敗を喫し、グアルディオラが監督になってからリーグ戦で喫した1シーズンでの最多敗北数と並んだ。

    ロドリは現在トレーニングに復帰しており、シーズン終了前に復帰する可能性もある。しかし、グアルディオラ監督は2024年のバロンドール受賞者の再起用には慎重を期す必要がある。ロドリは、過密日程が選手への負担となる可能性を指摘した直後に負傷した。マンチェスター・Cは彼が再び負傷しないよう、あらゆる手を尽くす必要がある。定期的に選手を入れ替え、休息が必要だと訴える彼の声に耳を傾けなければならない。今夏のクラブ・ワールドカップでも、出場させるとしても控えめに起用すべきだろう。

    スペイン代表のロドリは、長期離脱を経て来シーズンには精神的にも肉体的にもリフレッシュした状態で戻ってくるはずだ。もしロドリがケガをせず、次世代の選手たちからサポートを受けられるならば、彼はマンチェスター・Cを再び王座へと導くことができるだろう。

  • de bruyneGetty Images

    デ・ブライネの後継者と契約せよ

    マンチェスター・Cにとって、今夏は全体的に忙しい移籍市場となるだろうが、最も重要な決断はケヴィン・デ・ブライネの後継者となる選手をどう確保するかである。ベルギー代表のデ・ブライネは、FAカップ準決勝のフォレスト戦で控え選手として試合に出ることなくベンチに留まり、彼が重要な試合で不可欠な存在と見なされなくなったことを示す最新の証拠となった。ケガに加えて、かつてのように超人的な能力を発揮して勝利を導くことが困難になっていることが、マンチェスター・Cの苦戦の大きな要因となっている。

    昨シーズンは、ハムストリングの断裂で5カ月間離脱しながら、グアルディオラ監督のチームをタイトル争いで勝利に導いたデ・ブライネだが、これまでのケガをめぐる問題が全てのしかかってきているようである。マンチェスター・C史上最高の選手として記憶されることは間違いない選手だが、彼がチームを去る時が来たことをファンの大多数は認めざるを得ないだろう。

    今シーズンずっと、マンチェスター・Cはその日が来ることを認識しており、デ・ブライネの後継者を探す時間は十分にあった。最有力候補はフロリアン・ヴィルツで、モーガン・ギブス=ホワイトが僅差で続いている。特に今シーズンはケガ人続出でチームが壊滅的な打撃を受けた上に、クラブ・ワールドカップがさらにチームに負担をかける可能性もあるため、2人とも獲得すべきだという意見まである。

    デ・ブライネが退団して選手たちへの報酬の予算に十分な余裕が生まれれば、ヴィルツとギブス=ホワイトの両選手に報酬を支払えるだろう。両選手の獲得には高額な移籍金が必要だが、プレミアリーグの『収益性と持続可能性に関する規則』に準拠して、長期にわたって償却することが可能だ。

    これらの素晴らしい背番号10のどちらかひとりを獲得するだけでも、リヴァプールからの王座奪還の取り組みに大きな後押しとなるが、2人とも獲得できれば、ほぼ無敵となる可能性がある。

  • josep-guardiola(C)Getty Images

    貪欲さを取り戻せ

    昨シーズン、マンチェスター・Cはイングランドサッカーの135年の歴史で初めて、4連覇を達成したチームとなった。今シーズンも5度目の優勝が有力視されていたことは確かだが、歴史的な快挙を達成した後、同じような意欲を維持できなかったことは驚くべきことではない。チームのメンバーがほぼ同じで、昨夏にサヴィーニョが唯一新加入したのとイルカイ・ギュンドアンが復帰しただけだったというのも、状況をさらに厳しくした。

    しかし、マンチェスター・Cがあれほど多くのタイトルを獲得した後で、ある程度のパフォーマンスの低下が予想されていたにもかかわらず、グアルディオラ監督は選手たちに蔓延した慢心を理解できず、受け入れることができなかった。「我々は精神を取り戻す必要がある」と、先週、彼は述べた。「得点を決めたのに大喜びすることがなかった。10月、11月、12月、1月、最初のゴールを決めても、私たちは全身で喜びを示すことがなかった。ささいなことだが、今シーズンを通じて、我々に情熱が足りなかったことを物語っている——我々は情熱を失っていた」。

    言うまでもなく、グアルディオラ監督は来シーズン、選手たちが必要な貪欲さを示さないことを許さないだろう。ただし、タイトル奪還のためにチームを鼓舞するのは、4度目の防衛よりも簡単かもしれない。監督は選手たちの目の前に人参をぶらさげて、チームを動機付けるための新たな方法を見つけるか、または鞭を使って、腹の底に情熱の炎を持たなくなったとみなす選手を排除するかもしれない。いずれの方法を選択しても、チームは今シーズンよりもはるかに努力して、結果を出す必要がある。

  • Nico O'Reilly 2025Getty/GOAL

    若さを注入せよ

    「年齢は単なる数字に過ぎない」という人もいるし、今シーズンのモハメド・サラーの驚異的な活躍は、30歳を過ぎても最高峰のパフォーマンスを発揮できることを証明している。しかし、プレミアリーグがますます激化していく中、活力に満ちたチーム編成はこれまで以上に重要になっており、今シーズンのマンチェスター・Cは老齢化したチーム編成に足を引っ張られていた。

    今シーズンのグアルディオラ監督のチームは、プレミアリーグで4番目に高齢のチームであり、平均年齢は27歳だった。リーグで最も高齢のチームは現在17位のウェストハムで、2番目はエヴァートン。シーズンの大半を降格争いに苦しみ、デイヴィッド・モイーズ監督の下で驚異的な復活を遂げた後も15位に留まっている。

    マンチェスター・Cのベテラン選手たち(シーズン中に30歳に達したか、すでに30歳になっていた7人)は、さまざまな点でチームに負担をかけてきた。ギュンドアン、ベルナルド・シウヴァ、カイル・ウォーカー(ACミランへのレンタル移籍前)はスピードで劣る場面が度々あったし、デ・ブライネ、ナタン・アケ、ジョン・ストーンズなどの30代前半の選手たちは慢性的なケガに悩まされている。

    マンチェスター・Cは1月に19歳から25歳までの4選手を獲得し、この問題に対処しようとした。さらに、ニコ・オライリーがトップチームに加わって、若さあふれる活力を注入している。この若返りプロセスは今夏以降も継続され、タイトル奪還に向けて、グアルディオラ監督は、より活力に満ちた、強靭で貪欲なチームを編成できるようになるだろう。

  • Erling Haaland Man CityGetty

    ハーランドの負担を軽減せよ

    マンチェスター・Cの今シーズンの苦戦の一因として、得点の多くをアーリング・ハーランドに依存していることがあげられる。3月末、FAカップのボーンマス戦でハーランドが足首の負傷を負った際、当然ながら、他の選手が彼の穴を埋めるために名乗りを上げるだろうと考えられた。しかし、その後の6試合でマンチェスター・Cの選手で2得点以上を記録した選手はおらず、この間、1得点を挙げたのはマテオ・コヴァチッチ、オライリー、オマル・マーモウシュの3人だけである。

    さらに、ハーランドは今シーズンの最終月の試合を欠場したにもかかわらず、マンチェスター・Cで2番目に多くの得点をあげたフィル・フォーデンよりも、リーグ戦で3倍も多くの得点(21得点)をあげている。フォーデンは昨シーズンはリーグ戦で19得点を挙げたが、2023-24シーズンに主要な個人賞を総なめにした時とは比べ物にならない。だが、得点面で期待に応えられなかった選手はフォーデンだけではない。ベルナルド・シウヴァはリーグ戦で3得点、デ・ブライネとジェレミー・ドクも同数、サヴィーニョとジャック・グリーリッシュは1得点、ギュンドアンは0得点だった。

    マンチェスター・Cは2022年にハーランドを獲得したが、その前の2シーズンは、明確なストライカーを起用しないチーム編成を選択していた。しかし、2023年の三冠達成と昨シーズンのタイトル防衛時には、フォーデン、フリアン・アルバレス、デ・ブライネ、ギュンドアンが、ハーランドと共に得点の供給源となっていた。マンチェスター・Cが王座を奪還するには、他の選手たちが得点感覚を取り戻し、ハーランドを支える必要があるだろう。