バロンドールの価値はともかく、昨年の授賞式は紛れもなくドラマに満ちていた。主催者の『フランス・フットボール』紙は、常に「受賞者が発表されるまで、選手もクラブも誰が受賞したか知らない」と主張してきたが、レアル・マドリーは、ロドリがヴィニシウス・ジュニオールを破って男子部門のバロンドールを受賞したことを数時間前に知ると、式典に出席すらしなかった。
「バロンドールとUEFAがレアル・マドリーを尊重していないことは明らかだ」と、匿名のクラブ関係者が『アス』に語った。「レアル・マドリーは尊重されない場所には行かない」。これは非常に不名誉で滑稽な出来事だった。特に、尊重されていないとされるレアル・マドリーがボイコットした同じ式典で「年間最優秀チーム」に選出されたことを考えると。
だが、ロドリの衝撃的な受賞は、バロンドールの投票者たちがかつてほどFWに執着しなくなったことを示唆している。では、今年もまた、予想外の受賞者が現れる可能性はあるのだろうか。
三冠を達成したパリ・サンジェルマンで誰よりも多くの得点を挙げたウスマン・デンベレが、このトロフィーを獲得する最有力候補であることは当然だが、このフランス代表選手は、昨シーズン、本当にチームで最高の選手だったのだろうか。純粋にサッカーでの活躍から考えて、ヴィティーニャやアクラフ・ハキミの方が、サッカー界最高の個人賞にふさわしくないだろうか。








