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イングランド代表に復帰すべき“忘れられた”6選手:ラッシュフォードにホワイトも!トゥヘル新監督が注目すべきは…

いよいよ、その時が迫っている。

トーマス・トゥヘル監督の就任発表から5カ月、仕事を開始してから2カ月以上が経過したが、ついに3月のイングランド代表メンバー発表が間近に迫っているのだ。アルバニア戦とラトビア戦に向け、ドイツ人指揮官は各地で視察を繰り返しつつ、自身の構想を練り上げてきた。

現在メディアやファンの間では、イプスウィッチで躍動するFWリアム・デラップや、アーセナルでセンセーショナルな活躍を続けるMFマイルズ・ルイス=スケリーなど、プレミアリーグでインパクトを残す注目の若手選手が注目を集めている。しかしその一方で、様々な事情によって国際舞台から遠ざかる中堅選手たちについても考慮する必要があるだろう。

今回は、一時はメンバー争いから離れていたものの、調子を取り戻して選考を争うべき選手6人を紹介する。

  • wan-bissakaGetty Images

    アーロン・ワン=ビサカ

    あらゆる年代でイングランド代表としてプレーしてきたが、フル代表は2019年に一度だけ招集されたのみ。その当時も負傷によって離脱を余儀なくされ、未だ出場はない状況だ。それでも、二重国籍を持つコンゴ民主共和国の代表でプレーしていないということは、彼がイングランド代表を熱望していることを示している。

    そして、今ほどイングランド代表デビューにふさわしいタイミングはないだろう。ワン=ビサカの大きな強みは常に1対1の守備であったが、ウェストハム加入後は攻撃面でもレベルアップ。アーセナル戦では衝撃的な勝利の立役者になるなど、11月以降のプレミアリーグで4ゴールに貢献している。カイル・ウォーカーの低迷によって確実に守備を信頼できる右サイドバックが必要になっており、そこに彼の攻撃性能が向上したことで、待望の代表デビューのチャンスは高まっているはずだ。

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  • Ivan ToneyGetty

    イヴァン・トニー

    昨年のEUROでは、スロバキア戦で交代出場からわずか数分でハリー・ケインの決勝点を演出したほか、PK戦にもつれこんだスイス戦では自らPKを決めるなど、即戦力となる能力を示した。この大会でより大きな役割を担える自信をつけたが、プレミアリーグからアル・アハリに移籍したことで「事実上の代表キャリアの終焉」とも囁かれている。

    だが、本当にそうだろうか。トニーは現在、嬉々として得点を決め続けている。今シーズン、サウジ・プロリーグとAFCチャンピオンズリーグで合計21ゴールを奪っており、直近の6試合だけでも10ゴールを決めてみせた。一方イングランド代表には、ケインに代わるセンターフォワードがまだいない。キャプテンのコンディションに頼り続けるのは難しいものがあるだろう。さらに、多くの代表選手たちはヨーロッパの超過密日程で苦しんでいるが、サウジ・プロリーグはより緩やかな負荷の中でコンディションを維持できるだろう。昨年のEUROでは、フランス代表のエンゴロ・カンテが好例だった。

  • maddison Getty Images

    ジェームズ・マディソン

    彼のように偉大な才能と能力を持ち一瞬で違いを生み出せる選手が、イングランド代表で7試合しか出場していないという事実は、フェアじゃないだろう。2019年にインフルエンザに感染して離脱した後、数日後にカジノで写真に撮られたことで、代表チームとの関係は悪化してしまった。しかし、トッテナムで直近21試合17ゴールに関与する彼に、2度目のチャンスを与えるべき時だろう。

    もちろんトゥヘルもそう考えており、マディソン本人にチーム復帰の可能性について打診したという。このトッテナムMFの才能は、緊迫したノックアウト方式の試合で大きな違いを生み出す可能性がある。

  • FBL-ENG-PR-ASTON VILLA-LIVERPOOLAFP

    マーカス・ラッシュフォード

    2016年に頭角を現して以来、イングランド代表のあらゆる大会のメンバーに選ばれていた。だからこそ、2024年のEUROメンバーから落選したことは大きなショックだった。さらにその後の暫定監督体制でもネーションズリーグメンバーから外れ、「もう代表キャリアは終わった」と囁かれるまでになってしまった。

    それでも、現在のフォームは再びチャンスをもらうにふさわしい。アストン・ヴィラへのレンタル移籍は低迷していたキャリアを復活させ、2年前にはマンチェスター・ユナイテッドで1シーズン30ゴールを奪った選手であることを思い出させた。ピッチ上で明らかにモチベーションを燃やし、直近の3試合で3アシストの残すなど常に危険を与え続けている。また、その意欲はトレーニングでも周囲に影響を与えているようだ。トゥヘル新体制の今こそ、もう一度スリー・ライオンズのユニフォームに袖を通してもおかしくはない。

  • Arsenal FC v Chelsea FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    ベン・ホワイト

    アーセナルのサイドバックとして素晴らしい2シーズンを過ごしたことで、EURO2024の出場は確実視されていた。しかし、ガレス・サウスゲート前監督スタッフとの関係により、本人が招集を辞退。2022年のワールドカップで当時コーチだったスティーブ・ホランドと衝突したことで途中離脱し、結局それ以降出場がない。

    だが、トゥヘル就任でスタッフ陣は一新された。そしてウォーカーとキーラン・トリッピアーの現状を考えると、ホワイトの力は確実に必要になる。トゥヘルも就任時に話し合うことを認めていた。確かに膝の負傷で3カ月離脱していたことは懸念材料だが、コンディションが整えば現イングランド代表で最高の右サイドバックである。今回が絶好のタイミングになるかもしれない。

  • Crystal Palace v Millwall - Emirates FA Cup Fifth RoundGetty Images Sport

    アダム・ウォートン

    EURO2024のサプライズ招集で大きな注目を集め、彼の精確なゲームメイクと配球がイングランド代表の中盤に新たな風をもたらすことが期待された。しかし、結局は1試合も出場せず。その後の暫定監督政権でも招集されないまま、11月に長年苦しんでいた鼠径部の手術を受けたことでさらに後退を余儀なくされた。

    それでも3カ月の休養を経て、ウォートンはまるで生まれ変わったかのようにクリスタル・パレスの復調を支えている。以前のようなゲームメイク能力だけでなく、試合への影響力はさらに増し続けている。当然のその活躍は世界中に知れ渡り、現在レアル・マドリーが接触していることも報じられている。もちろん、トゥヘルがそうした彼の復調を見逃すはずがないだろう。