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ドンナルンマからガルナチョまで…夏の移籍市場の最終週にまだ移籍が「必要」なビッグネームたち

2025年夏の移籍市場の閉幕まで、あと1週間を切った。移籍を切望して待つ選手たちに時間切れが迫っている。ヨーロッパ各地の代理人たちは現在、各クラブを誘惑してクライアントを獲得させるべく奔走中だ。

ただし、移籍を希望する選手と、実際に移籍が必要な選手とを区別する必要がある。例えば、リヴァプールへの移籍を固く決意したアレクサンデル・イサクの移籍を実現させようとする行動が、ニューカッスルの関係者全員を怒らせていることは周知の事実だ。しかし、イサクがセント・ジェームズ・パークを離れなけなければならないとしても、それはエディ・ハウ監督が彼を放出したいからではない。それどころか、ハウ監督は、このストライカーを必死に留めておきたいと願っており、イサクを再びチームに統合できると確信していると、明確に表明している。

しかし、彼以外に、新しいクラブを見つけなければ、次のシーズンは自分の意思に反してベンチやスタンドで過ごすことになることを知っている選手は大勢いる。9月1日の移籍期限が迫る中、GOALは、キャリアのために移籍が必要な有名選手たちを選んでみた。

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    チェルシーの構想外選手

    チェルシーはどこから手をつければいいのか…。昨夏と同じく、浪費癖のあるブルーズには、シーズン最終週を迎えて移籍を急ぐ選手たちが山ほどいる。

    ベン・チルウェルは2年連続で新天地を探しており、アーセナルへのレンタル移籍を完全移籍にできなかったラヒーム・スターリングとともに、エンツォ・マレスカ監督の恐るべき「爆弾部隊」に再加入した。アストン・ヴィラへのレンタル移籍を終えたアクセル・ディザジもチームに不要と見なされており、ボーンマスへの移籍が間近に迫っているとの噂が浮上している。

    FWクリストファー・エンクンクとニコラス・ジャクソンも、移籍市場が閉まった時にスタンフォード・ブリッジに残っていたら、大きな驚きとなるだろう。マレスカ監督はこの2選手の残留に興味がないことを痛々しいほど明確に示している。

    エンクンクには、バイエルン・ミュンヘンとトッテナムからの関心が高まっているものの、具体的なオファーが提示されない場合、RBライプツィヒに戻ることが考えられる。ジャクソンの方はストライカー不足のアストン・ヴィラやニューカッスルへの加入の可能性がある。

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    ジジ・ドンナルンマ(パリ・サンジェルマン)

    ジジ・ドンナルンマに同情する必要は必ずしもない。実際、ACミランのサポーターは、4年前にフリー移籍でロッソネリからパリ・サンジェルマンへ行ったこのアカデミー出身選手に、あまり同情の念を抱かないだろう。しかし、サッカーファンなら誰でも、昨シーズンのPSGの歴史的なチャンピオンズリーグ優勝において絶対的な役割を果たしたドンナルンマが、ルイス・エンリケ監督によってパルク・デ・プランスに不要な選手とみなされたことは、非常に不運なことだと認めているに違いない。

    また、ドンナルンマの代役としてすでにリュカ・シュヴァリエが加入しているとしても、イタリア代表のドンナルンマをトップチームから締め出して新しいクラブへの移籍を迫る必要はほとんどなかっただろう。ドンナルンマと彼の周囲の人々は、当然ながらPSGの扱いに憤慨しているが、今重要なのは、7日以内にどこかのトップチームへの移籍を確保することだけである。

    世界最高のGKのひとりであるドンナルンマにとっての朗報は、契約が残り1年しかないため、PSGが彼の移籍に関して高額を要求していないことだ。そのため、マンチェスター・シティがオファーを検討していると言われている。

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    エンドリッキ(レアル・マドリー)

    エンドリッキが特別な才能を持った選手であることは非常に明らかだが、レアル・マドリーで成功を収めることは決して容易ではない。特に、異なるリーグ、国、文化から来た10代の選手にとってはなおさらだ。思い起こせば、エンドリッキとブラジル代表で同僚のヴィニシウス・ジュニオールやロドリゴも、サンティアゴ・ベルナベウでレギュラーの座を確立するまでに時間を要していた。

    もっと言えば、パルメイラス出身のエンドリッキがスペインの首都でスーパースターになる夢を諦めるべきだとは誰も思わない。とは言え、プロとして重要なステージにいるエンドリッキにはもっと試合に出る機会が必要だというのが皆の共通した意見であり、レアル・マドリーのシャビ・アロンソ新監督の下では、その保証がない。実際、スペイン出身のアロンソ監督は、ファーストチョイスのFWキリアン・エンバペの控えとして、エンドリッキよりもアカデミー出身のゴンサロ・ガルシアを信頼しているように見える。

    したがって、今シーズンのエンドリッキはどこかへレンタル移籍する方が、関係者全員にとって最善の選択となるだろう。そうでなければ、ブラジル代表ですでに14キャップを保持する19歳のストライカーが、来年のワールドカップでカルロ・アンチェロッティ監督のブラジル代表チームから外れるリスクを負うことになる。

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    ランダル・コロ・ムアニ(パリ・サンジェルマン)

    ランダル・コロ・ムアニは昨シーズン前半、パリ・サンジェルマンでリーグ・アンに出場したのがわずか10試合にとどまったため、環境の変化が必要だと感じ、1月にユヴェントスへの移籍のチャンスに飛びついた。このレンタル移籍は、ムアニと新チームの両方にとって素晴らしい結果をもたらし、ムアニは、偉大なロベルト・バッジョ以来の、ビアンコネリでのセリエAの最初の3試合連続で得点を挙げた選手となった。

    したがって、トリノへの完全移籍は既定路線かと思われていたが、夏の移籍市場が残り1週間となった今でも、ユヴェントスとPSGは合意に至っていない。イタリアの報道によると、PSGが要求額を引き上げたため、資金難に陥っているユヴェントスが難色を示しているようだ。

    コロ・ムアニは、移籍を実現するため給与削減も辞さない意向だと報じられており、他のクラブからのオファーも断っているという。一方で、2026年ワールドカップにはフランス代表として出場したいと考えており、PSGに戻ればその夢は叶わないため、早期の決着が求められている。

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    マンチェスター・ユナイテッドの構想外選手

    チェルシー同様、マンチェスター・ユナイテッドにも独自の「爆弾部隊」が存在する。ただし、両クラブの最大の違いは、ブルーズが赤い悪魔よりもはるかに上手く不要な選手を整理してきた点にある。

    とは言え、マンチェスター・Uはナポリとの間で、ラスムス・ホイルンドの移籍合意に近づいているようだ。ベンヤミン・シェシュコの加入によりオールド・トラッフォードでの役割を失ったホイルンドは、セリエAに戻ってアントニオ・コンテ監督の下で再起を図る可能性が高い。また、他ならぬチェルシーがアレハンドロ・ガルナチョを引き取る可能性も依然として残っている。かのアルゼンチン代表選手が、スタンフォード・ブリッジをキャリアの再出発点と見ているというのは、何とも興味深いことだ。

    一方、ジェイドン・サンチョは、代理人への報酬が法外で、ローマへの移籍が阻まれているとイタリアで噂されており、代理人と真剣に話し合う必要があるようだ。

    アントニーに関しては、相変わらずレアル・ベティスがこのブラジル代表選手の獲得に強い関心を示している。昨シーズン、アントニーはベティスにレンタル移籍し、ブラジル代表に復帰するほどの好印象を残したが、これはマンチェスター・Uでの彼のプレーの悲惨さを思うと、オールド・トラッフォードでは誰も予想しなかったことだった。しかし、ベティスは移籍期限の最終日までオファーをしないとの噂が絶えず、移籍を希望するこのウイングにとって全く理想的な状況ではない。

    最後に、タイレル・マラシアもマンチェスター・Uでの苦境から抜け出すための移籍先を探している。このオランダ代表DFは昨シーズン後半にPSVへの6カ月のレンタル移籍から復帰した後、マンチェスター・Uのチームから離れてトレーニングを続けている。

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    カルヴィン・フィリップス(マンチェスター・シティ)

    カルヴィン・フィリップスとデクラン・ライスはEURO2020でイングランド代表として大活躍し、「スリー・ライオンズ」の中盤は今後数年間は安定すると思われていた。

    不運にも、その後、2人のキャリアは全く異なる方向へ進んだ。ライスはアーセナルが1億ポンド(約199億円)で獲得した理由を示し続けているが、フィリップスはウェストハムとイプスウィッチ・タウンでのレンタル移籍が失敗に終わり、マンチェスター・シティでのキャリアはジャック・グリーリッシュ以上に劇的な下降線をたどった。

    驚くべきことは、フィリップスがまだ29歳であることだ。リーズへの復帰の噂が現実になることを願っている。故郷に戻れば、少なくとも、かつては将来有望だったキャリアを華々しく締めくくるチャンスを得られるかもしれない。

  • FBL-FRA-LIGUE1-RENNES-MARSEILLEAFP

    アドリアン・ラビオ(マルセイユ)

    アドリアン・ラビオは、昨シーズンのマルセイユのロベルト・デ・ゼルビ監督の下で最も優れた選手のひとりだった。しかし、ここ1週間で、このMFはイタリア出身監督にとって「好ましくない人物」となってしまった。

    先週のリーグ・アンのレンヌ戦で衝撃的な敗北を喫した後、マルセイユのロッカールームで何が起こったのか詳細は不明だが、ラビオとチームメイトのジョナサン・ロウが激しい口論をしたことは事実だ。2人の選手は即座に出場停止処分を受け、移籍リストに載せられた。ラビオと彼の代理人は、この件はすぐに収束すると信じていたため、この措置に驚愕した。

    しかし、マルセイユのパブロ・ロンゴリア会長は、自身もデ・ゼルビ監督も、サッカー界で過ごしてきた年月の中でロアゾン・パルクで起きたような事態は見たことがないと主張し、これを「非常に深刻で暴力性を伴う事件」と表現して、マルセイユにはラビオとロウを放出する以外の選択肢はなかったと述べた。

    すでにロウはボローニャへの移籍に合意しているが、ラビオの未来は不透明のままだ。ガラタサライとインテルが、フランス代表のラビオにスタッド・ヴェロドロームからの脱出ルートを提示する可能性があると報じられているが、デ・ゼルビ監督は土曜に、ロウの退団後、ラビオがチームに戻ってくる可能性を示唆した。今後1週間、目が離せそうにない…

  • Real Madrid CF v Al Hilal: Group H - FIFA Club World Cup 2025Getty Images Sport

    ロドリゴ(レアル・マドリー)

    火曜、レアル・マドリーが苦戦の末オサスナを1-0で制した試合の後半の中盤、シャビ・アロンソ監督がブラヒム・ディアスに代えてフランコ・マスタントゥオーノを投入した際、カメラはすぐに、ベンチにいたロドリゴを映した。同様のシーンは、ゴンサロ・ガルシアが残り13分でヴィニシウス・ジュニオールに代わって出場した際も繰り返され、誰もがその理由を知っていた。

    アロンソ監督がラ・リーガの開幕戦でこうした交代策をとったことは、ロドリゴにベルナベウでの将来がないことを示唆している。かつて、カルロ・アンチェロッティが監督だった時のレアル・マドリーでは不可欠な存在とされていたブラジル代表選手にとって、驚くべき事態である。その後、日曜のレアル・オビエド戦では、アロンソ監督がメンバーを一新させたため先発出場したものの、最も重要な試合では、24歳のロドリゴに最後まで出番が回ってこない可能性が高い。

    従って、ロドリゴは9月1日までに誰かが自分をベルナベウから救い出してくれることを祈っているだろう。ワールドカップまでの1年をベンチで過ごすことは、彼にとって絶対に避けなければならないことだ。しかし、この移籍市場の最終盤に、レアル・マドリーが要求する巨額の移籍金を支払えるチーム、少なくとも支払う意思のあるチームが、一体どこにあるというのか。現時点では、リヴァプールとマンチェスター・シティだけが候補として可能性があるかもしれない。

  • Liverpool v Athletic Club Bilbao - Pre-Season FriendlyGetty Images Sport

    コスタス・ツィミカス(リヴァプール)

    コスタス・ツィミカスは2024-25シーズン、かなり良いパフォーマンスを見せた。タイトルを獲得したリヴァプールにあって、ツィミカスは18試合に出場し、左サイドバックのレギュラーであるアンディ・ロバートソンに、リヴァプールでプレーするようになってから未曽有のプレッシャーをかけたのである。しかし、今夏、ロバートソンの後継者として確実視されているミロシュ・ケルケズが加入したことで、ツィミカスのアンフィールドでの序列は3番手に落ち、移籍が不可欠となっている。

    実を言えば、移籍期間の初期には、ノッティンガム・フォレストなど、他のイングランドのクラブが彼に関心を示しており、まだリヴァプールを離れていないことは驚くべきことである。しかし、ツィミカスはイングランド以外への移籍を希望していると言われており、ここ数日はローマとマルセイユが移籍を検討しているという噂も流れている。また、オリンピアコスへの復帰の可能性も排除できない。

    移籍がすべての関係者の利益になるのは確実であり、リヴァプールがレンタル移籍も検討しているという報道も、まったく理にかなっている。アルネ・スロット監督が今シーズン、チームに3人の左サイドバックを必要としていない一方、29歳のツィミカスはトップチームのレギュラーでプレーすべき選手なのだ。

  • Borussia Dortmund v Juventus FC - Pre-Season FriendlyGetty Images Sport

    ドゥシャン・ヴラホヴィッチ(ユヴェントス)

    ドゥシャン・ヴラホヴィッチはかつて、アーリング・ハーランドと同レベルの選手になれると言っていた。そして、数百万ユーロでユヴェントスに移籍し、その目標を達成するための舞台に立った。しかし、このセルビア代表選手のトリノでの日々は、過去数シーズンでますます悪化し、わずか1週間前に行われたプレシーズンの親善試合で、自身のチームのファンからブーイングを浴びる事態にまで至った。

    ヴラホヴィッチは日曜のパルマ相手のセリエA開幕戦で途中出場した際にも、ブーイングを浴びた。そのため、そのわずか数分後に得点したヴラホヴィッチは、野次が歓声に変わる中、腕を高く掲げ、挑戦的な表情を浮かべて、ゴール裏のサポーターに向かって仁王立ちをした。

    イゴール・トゥドール監督はこれまで何度もヴラホヴィッチを擁護してきたし、2-0で勝ったパルマ戦の後もそうだったが、移籍市場が閉まった時にヴラホヴィッチがまだユーヴェにいるとは思わないと率直に認め、資金難に苦しむユーヴェは、契約があと1年しか残っていない選手の現金化に引き続き取り組むだろうとのみ言った。

    今のところ、ビアンコネリはヴラホヴィッチに興味を示す買い手を見つけるのに苦労しているが、それは少々不思議なことである。なにしろ、ヴラホヴィッチは、苦戦していたユヴェントスにおいてセリエAに105試合出場し、44得点を挙げたことでわかるように、まだ明らかに、恐べき背番号9となりうるはずだけの才能を持っているのだ。実際、ヴラホヴィッチが今シーズン活躍できるチャンスはある――トリノを出ていくことさえできれば。

  • Arsenal FC v PSV Eindhoven - UEFA Champions League 2024/25 Round of 16 Second LegGetty Images Sport

    オレクサンドル・ジンチェンコ(アーセナル)

    エミレーツで印象的なスタートをしたオレクサンドル・ジンチェンコとガブリエウ・ジェズスは、アーセナルにとって試合を変えることのできる移籍選手だと見なされていた。マンチェスター・シティから移籍し連続優勝の経験のある2人は、ミケル・アルテタ監督のチームをチャンピオンに導く可能性を秘めた選手たちだったのだ。

    DFだが中盤にスムーズに移行できる能力を持つジンチェンコは、特に賢明な補強と見られていた。ところが、このウクライナ代表選手は素晴らしく多才であるにもかかわらず、アルテタ監督は現在、ジンチェンコを有効に活用できるポジションを見出だせていない。昨シーズンは右利きのチームメイトに押され、左サイドバックのポジションすら確保できなかった。

    リッカルド・カラフィオーリが再びフィットしている(少なくとも現時点では)ため、ジンチェンコのトップチームでの出場の可能性はほぼゼロに等しい。マイルズ・ルイス=スケリーからも遅れを取っており、ユリエン・ティンバーは両サイドをカバーできる。最近、28歳のジンチェンコ自身が言っている――「プレーしない選手に意味なし」。

    したがって、今後数日でジンチェンコを獲得するクラブが現れることを願うばかりである。