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今季も“また”なのか?危機的状況のアーセナル、不名誉なレッテルを払拭する「勝つか、終わるか」のノースロンドンダービーへ

直近のプレミアリーグ7試合でわずか2勝(4分け1敗)にとどまり、首位の座が危うくなっているアーセナル。序盤戦の勢いは本物であり、見せていたレベルの高さからトップの座を走るのは当然だった。しかし、今はその面影すらなくなっている。2位マンチェスター・シティが特別何かをしたわけでもない。だが、その差は1試合未消化ながら「5」まで縮まった。

4年連続同じような形でタイトルを逃す危機に瀕していることは間違いない。そうした状況で迎えるノースロンドンダービーは、彼らにとって生死をかけた今季最も重要な一戦となる。これ以上のつまづきは許されない。“ボトルジョブ(肝心なところで失敗する)”と揶揄されながらも現チームを信じるファンのために、絶対に勝たなければいけない大一番だ。

  • Arsenal v Manchester United - Premier LeagueGetty Images Sport

    悪夢の2カ月

    年明け以降、プレミアリーグ8試合を戦い、勝てたのはわずか3試合。4度の引き分けに加え、マンチェスター・ユナイテッドにはホームで敗れた。11ポイントを落としたこの約2カ月間は、アーセナルにとって悪夢のような時間だった。

    22年ぶりのタイトルを信じるファンは不吉な気配を感じているだろう。「“また”なのか」、と。昨季はシーズン終盤13試合で6分け2敗。優勝争いで大失速し、リヴァプールの独走優勝を許した。それ以前の2シーズンも追いすがるマンチェスター・Cの重圧に敗れ、自らの手中にあったトロフィーを手放している。

    今季のアーセナルは、過去3シーズンの失敗から学び、何もかもが違うはずだった。戦力を整え、多少のつまずきに動じないほどのメンタリティを育んだように見える時もあった。だが、彼らの抱える“悪い一面”が再び顔をのぞかせている。

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  • Wolverhampton Wanderers v Arsenal - Premier LeagueGetty Images Sport

    露呈

    顕著だったのは18日のウォルヴァーハンプトン戦。2点リードを手放して2-2のドロー決着。後半アディショナルタイムの失点は、重圧にさらされた中でのミスによるものだ。『Opta』によると、プレミアリーグ首位チームが降格圏の相手(ましてや最下位)に対して2点以上のリードを失うのは史上初のことだったという。

    56分にピエロ・インカピエが追加点を奪って2-0とした時点で、アーセナルの勝利確率は実に「98.1%」に達していた。しかしここからの30分で、チームは完全にウルブズに飲み込まれてしまった。最初の失点はウーゴ・ブエノの見事なシュートだったが、明らかに受け身になっていたために起きたものだ。そして同点弾のシーンは衝撃だ。ダビド・ラヤとガブリエウの連携ミスは、いかにチームに余裕がないかを露呈するものであった。

    アーセナルは2026年に入って勝ち越していた状況からすでに7ポイントを落としており、これより成績が悪いのは降格危機にあるウェストハムとクリスタル・パレス(いずれも8ポイント)のみ。試合後にミケル・アルテタが正しく指摘したように、責められるべきは自分たちだけである。

  • Wolverhampton Wanderers v Arsenal - Premier LeagueGetty Images Sport

    現実

    試合後の記者会見に出席したアルテタ、意気消沈した様子でこう語っている。

    「自分たちに対して厳しくならなければならない。十分ではなかった。リーグでは、ここ数カ月も一貫性を欠いているのが現実だ。立ち上がらなければならない。苦しい局面が訪れたとき、どれほど勝利を望んでいるのか、そして自分たちがどれほど良いチームなのかを示さなければならない。立ち上がらなければならないんだ」

    「自分たち自身を責めなければならない。後半のパフォーマンスは、このリーグで勝つために求められる基準を何も示せなかったと思う。特に前半の戦い方を踏まえれば、今日あるべきだったと私が思う些細な部分も含めてだ」

    「どんな打撃でも、どんなボールでも受け止めないと。求められるレベルでプレーできなかったのだから。痛みを経験しなければならないし、鏡を見て、今この試合が何を要求しているのかを理解しなければならない。そして、次のアクションは日曜日だ」

  • Manchester City v Salford City - Emirates FA Cup Fourth RoundGetty Images Sport

    勢い

    今季は長い間、マンチェスター・Cはアーセナルに大きく遅れているような印象だった。コーチ陣を含めた新スカッドは過去数年のようなクオリティや勝ち方を忘れているようにも見えた。しかし、今や首位チームは射程圏内だ。それも、ほとんど手を加えずに。

    日程もマンチェスター・Cを味方する。彼らはニューカッスルとのホームゲーム(ニューカッスルはエティハドで12年勝っていない)の後、リーズ、ノッティンガム・フォレスト、ウェストハムと対戦する。一方アーセナルは、今週末のノースロンドンダービーの後にチェルシーとの厳しい一戦が待ち受けており、さらにミッドウィークにはブライトンへの難しい遠征が控えている。

    3月頭には、アーセナルが9月以来初めて首位の座から引きずり下ろされる可能性がある。たとえそうならなくとも、マンチェスター・Cの調子を考慮すれば、4月18日にエティハドで行われる直接対決がタイトルを決める一戦になることは間違いない。

  • Arsenal v Tottenham Hotspur - Premier LeagueGetty Images Sport

    屈辱

    そんなアーセナルがこのタイミングで迎えるノースロンドンダービーは、あまりにも出来過ぎたストーリーだろう。この試合の結果次第では、危機的状況で失いかけていた勝者のメンタリティを取り戻す可能性もあるし、近年の彼らを嘲笑する言葉“ボトルジョブ”を決定づけてしまう可能性もある。もし後者になってしまえば、これ以上の屈辱はない。

    どのシーズンであれトッテナムに負けるのは十分に痛いが、今週末の試合を落とせば歴史に刻まれる敗戦となるだろう。かつて7ポイント以上あった優位性が消え去り、またも逆転優勝を許すだけでなく、降格の危機に怯える宿敵に自信と歓喜をもたらし、トッテナムファンがいつまでも語り継ぐ最大の屈辱を味わうことになる。

    トッテナム・ホットスパー・スタジアムという坩堝の中で、熱狂的なホームサポーターは自分たちの縄張りでライバルがつまずく姿を何としても見たいと切望しているだろう。アウェイチームが本命であることに変わりはない。とはいえ、スタジアムを包む雰囲気や新監督就任効果が優勝争いに多大な影響をもたらすかもしれない。

  • FBL-ENG-PR-BRENTFORD-ARSENALAFP

    勝つか、終わるか

    このダービーで3ポイントを獲得できなかった場合に生じ得る心理的ダメージは、とりわけシーズンを通して「メンタリティ」を声高に掲げてきたクラブにとって、決して過小評価できない。ここで敗れてしまえば、期待値の高いファンの信頼を失ってしまうだろう。特に事がうまくいかないとすぐにチームに矛先を向けるファンベースは攻撃の手を強めるだろうし、そうした雰囲気は必ずチームに影響する。

    一方でこのダービーに勝利すれば、アーセナルが喉から手が出るほど欲しかった起爆剤を手にできるはずだ。少なくとも、今季着実に積み上げてきた自信の回復にはつながるはずである。

    アーセナルの立場からすれば、ネガティブな結果など考えたくもないだろう。「勝つか、終わるか」だ。このシーズン最も重要な一戦で踏ん張れないようであれば、今季の彼らは史上最も“自滅”してタイトルを逃したチームとしてプレミアリーグ史に刻まれるかもしれない。

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