England World Cup ladder GFXGetty/GOAL

イングランド代表で26年W杯に向けたサバイバルレースが開幕 ベリンガム、パーマーも安泰ではない?

トーマス・トゥヘル監督はこの10月シリーズで前回の活動とほぼ変わらない顔ぶれをチョイス。9月から同じ選手の起用でチームの結束力を高め、クラブ感をもたらそうとした。W杯まであと数試合しか残されていないという状況下で、まだ定着しきれていない選手からすれば、影響を及ぼしうる決断といえよう。

そのなかで、ポジション争いは激化の一途を辿り、ドイツ人指揮官のもとで、まだ存在感を示せていない選手がいれば、招集されるに値するだけのパフォーマンスを披露するサブの選手も。さて、トゥヘル監督は来夏のW杯に向けて誰を呼び、そして安泰な選手、危うい選手は誰なのか。『GOAL』は考察した。

  • Harry Kane Jordan Pickford Declan RiceGetty Images

    確定

    まずトゥヘル監督が招集したい選手の誰しも国際サッカー連盟(FIFA)の最終登録期限までに万全のコンディションであるのが前提だが、確実に呼ばれるのはせいぜい数人に限られるはず。キャプテンであり、歴代最多得点者のハリー・ケインは絶対的な存在として揺るがず、デクラン・ライスとブカヨ・サカのアーセナル勢も怪我さえなければコアメンバーになってくるだろう。ジョーダン・ピックフォードに関しては外す必要性を説かれる時期もあったが、チーム内での存在感を大きくするばかり。誰もが愛する存在でもあり、不動の守護神であり続けるはずだ。

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    ほぼ確実

    次にほぼ確実に呼ばれるであろう選手だ。ジュード・ベリンガムもここにカテゴライズしたが、必ずしも危うい状況というわけではない。トゥヘル監督本人もこれほどのレベルの選手に対して特別な配慮を認めているが、「我々は才能のある選手を集めているわけではなく、チームを作ろうしている。トロフィーを勝ち取るチームであり、他の誰でもない」との方針も強調している。

    モーガン・ロジャーズが過去2回の活動で10番の役割を果たしたことで、ベリンガムの状況が複雑化。ロジャーズは自身が脇役としての立ち回りを好む傾向があり、それは負傷に悩むコール・パーマーにも影響を及ぼしそうだ。ジョン・ストーンズに関しては今月の2試合でトゥヘル監督の評価を裏づけるように輝きを放ち、エズリ・コンサとマーク・グエイも活躍を続けている。

    また、エベレチ・エゼは出場機会こそ限られるものの、ラトビア代表戦で見事な得点をマークし、チームの一員であるべき理由を証明。右サイドバックに関してはリース・ジェームズがトゥヘル監督のお気に入りであり、仮にコンディションが75%ほどだったとしても、最終メンバーに入ってくるだろう。

  • Latvia v England - FIFA World Cup 2026 QualifierGetty Images Sport

    有力候補

    ケインの第一バックアッパーと目されるオリー・ワトキンスとピックフォードの控えとして計算されるGKディーン・ヘンダーソンはともに一番手になりきれないが、メンバー入りすべき選手。マーカス・ラッシュフォードに関してはトゥヘル監督にとって、今夏のバルセロナ移籍以前から注視する存在だが、ベリンガムのケースと同じく課題を指摘されている。エリオット・アンダーソンは9月の代表活動からこの争いに割って入って間もないが、代表の中盤においてすでに確固たる地位を築きつつあるように感じられる。

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  • England v Wales - International FriendlyGetty Images Sport

    上昇中

    ここでは調子のいい選手、あるいはトゥヘル監督が注目するパフォーマンスやスキルセットを持つ選手が並ぶ。そこで注目されるのがジェド・スペンス。両サイドバックをこなせ、W杯メンバーの選考において頼りがいのある選手といえる。マイルズ・ルイス=スケリーはクラブレベルで先発機会が限られ、トゥヘル監督も好ましくない現状と話すが、今回の活動で2試合に出場。ノニ・マドゥエケはサカが代表復帰した今、今後どのような立ち位置で計算されるか。ジョーダン・ヘンダーソンに関してはレギュラーが確約されてないにせよ、経験値の高さが買われ、ジャロッド・ボーウェンも信頼を置かれた選手で、継続的に呼ばれている。

  • England v Latvia - European Qualifiers Group K - FIFA World Cup 2026Getty Images Sport

    争いの最中

    フィル・フォーデンとトレント・アレクサンダー=アーノルドはまだベストコンディションに達しておらず、このままでは代表入りを逃す危機に瀕している。アダム・ウォートンに関してもトゥヘル監督が依然として代表復帰の余地があると強調しているが、8番、あるいは10番としてプレーするモーガン・ギブス=ホワイトと同様、メンバー入りできるか不確実な部分が大いにある。ダン・バーンもまだ割って入る余地こそあるが、ストーンズ、コンサ、グエイの前に序列が落ち込み気味。そして、GK争いではニック・ポープが1つ抜けた存在か。ジェームズ・トラッフォードはクラブで争うジャンルイジ・ドンナルンマの存在により、今や暗雲が立ち込めている。

  • Republic of Ireland v England - UEFA Nations League 2024/25 League B Group B2Getty Images Sport

    ダークホース

    経験豊富な選手ではハリー・マグワイアとジャック・グリーリッシュに注目したい。サイドバックではティノ・リヴラメントとルイス・ホールがいるが、滑り込みには多少のツキも必要だろう。ニコ・オライリーもしかりだが、10月の代表メンバーに追加で声がかかり、カーティス・ジョーンズはクラブでの貢献度次第か。ジャレル・クアンサーは最近の活動で呼ばれており、トゥヘル監督も間近で力をチェックしている。

  • FBL-FRIENDLY-ENG-WALAFP

    勝手知る選手

    代表はクラブとまた違った性質を持つ。監督も未知の領域に足を踏み入れるよりも熟知する戦術に固執しがち。トゥヘル監督は次のW杯で何がなんでも優勝するのが使命であり、チェルシー時代の教え子である3選手を頼りにするかもしれない。最近ではルベン・ロフタス=チークが呼ばれ、トレヴォ・チャロバーも6月にデビュー。そして、トゥヘル監督がチェルシー時代にお気に入りだったメイソン・マウントも見逃せない。

  • Spain v England: Final - UEFA EURO 2024Getty Images Sport

    アウトサイダー

    トゥヘル監督にアピールが必要な選手としてはコビー・マイヌー、コナー・ギャラガー、イヴァン・トニー、ドミニク・ソランケ、ジャラッド・ブランスウェイト、そしてリコ・ルイスか。チームに復帰するため、時間との戦いに直面している。ハーヴェイ・エリオット、リアム・デラップ、ジェイミー・ギッテンス、そしてジョーブ・ベリンガムは今季を通して注目すべき有望なワイルドカード。ベン・ホワイト、ジョー・ゴメス、ハーヴェイ・バーンズは目に留まる可能性を秘めた選手であり、ルーク・ショー、フィカヨ・トモリ、エリック・ダイアー、ジェイドン・サンチョに関してはすでに船が出てしまったか。

    トゥヘル監督が代表経験の浅いベテラン選手を呼ぶなら、今季最も有力視されるのはトシン・アダラビオヨとジェイコブ・マーフィーか。一方、イーサン・ヌワネリはイングランド代表の世代別で輝きを放ち続けており、アーセナルのレギュラーに定着する可能性もあるが、現時点でどれだけ出場時間を得られるか保証されていない。

  • FBL-KOR-ENG-PR-TOTTENHAM-NEWCASTLEAFP

    長期的な犠牲者

    最後に、メンバー入りするはずだったが、残念ながら選外濃厚な選手もいる。今季のプレミアリーグ開幕直前に膝を負傷したレヴィ・コルウィルと韓国でのプレシーズン中に負傷したジェームズ・マディソン。両選手とも前じん帯断裂の大怪我を負っており、メンバーから外れている。

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