SimeoneGetty Images

シメオネ、アトレティコがレアル&バルサと“同格”ではないと強調…「私たちが優勝するには全試合100%を出さないといけない。彼らは60%でいい」

アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督が、ラ・リーガ2強と自分チームの間にある“差”について言及している。

今季ラ・リーガを3位で終え、またコパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグではそれぞれバルセロナ、レアル・マドリーに敗戦したアトレティコ。ここ最近の積極補強によって、レアル・マドリー&バルセロナと優勝を争うことが義務ともされ始めている状況で、少なからず批判が生まれてる状況だ。

しかしシメオネ監督は、アトレティコがスペイン2強と同じレベルにあるわけではないことを強調。『YouTube』のチャンネル“シンプレメンテ・フトボル”に出演したアルゼンチン人指揮官は、マドリー&バルセロナとは勝利を収めるためのハードルの高さが違うと話している。

「私たちはこの14年間、リーガで2回優勝し、2回2位となり、7〜8回3位となった。記者や周囲の意見は理解できるよ。マドリーとバルサのライバルがほしくて、アトレティコがそうだと見立てているんだろう。私たちは彼らの近く位置しているような働きを見せてきたわけからね」

「しかし現実を話すと、私たちが優勝するためにはすべての試合で100%の力を出すことが必要で、60%まで下がるようなことがあってはならない。マドリーとバルサはそうしても許されるのだがね。というのも、彼らはチームとしてだけではなく、個人の力もあるんだよ。フットボールでは、チームとしてどれだけ素晴らしい仕事をしても、一人の天才がほかとは異なるプレーを見せて、すべてを破壊してしまうんだ」

「私たちはすべての大会でマドリーとバルサと一緒にいる。コパでも対戦するし、チャンピオンズでもなぜかは知らないが彼らと当たるし、もちろんリーガにも彼らはいるんだ。ビジャレアル、アトレティック、ベティスは成長を続け、一方の私たちはマドリーとバルサの状態が悪いタイミングを探している」

「もし自分たちが100%ならば可能性はあるさ。今季はリーガの終盤戦まで彼らに近づいていたが、ヘタフェ戦で勢いが途切れ、その後バルサに敗れた。もう、そこで手遅れとなってしまったね」

シメオネ監督はその一方で、フィジカル的側面が強調されるようになった現代フットボールについても言及。ボール扱いに長けたウィングであっても、激しいアップダウンを繰り返せなければ生き残れない世界になったと話している。

「フットボールはすべてが変わった。私たちは2014年、一つの明確な形でラ・リーガを制した。そして今は、あの頃とは異なったスピードとリズムで試合が展開されている。ボールをうまく扱えるウィングは数多いが、守備から攻撃に移行するスピードがまったく違う中でプレーしているんだ。選手たちの能力、フィジカル、力強さ……これは別のフットボールだ」

またコロナ禍より交代枠が3つから5つに増えたことについては、2強に近づくことができる一つの鍵との見解を示した。

「5人交代制によって勝利するのは観戦者だ。クラブは能力の高い選手たちを擁している。私にとって5人交代制は、激しいゲームをより長い時間見られるものだ。5人も交代できれば、試合を変えることができる。挑戦することに余裕が生まれる。マドリーとバルサにより近づける可能性がある」

「良質な選手をより多くベンチに揃えることはチームの助けになる。マドリーとバルサよりも(自分たちの)助けになるはずだ。彼らが2億ユーロの4選手を擁しているとして、ベンチにも2億ユーロの4選手がいるわけではない。だから、彼らに近づけるんだよ」

「同様に、5人交代制は選手たちの管理をより良いものとする。全員をプレーさせられるわけだからね。5つの交代枠は数が多い。15選手に働きかけることができるのは大きい。そしてファンは多くの選手たちを見たいと思っているんだ」

シメオネ監督就任以降、13シーズン連続でチャンピオンズリーグ出場権を獲得し、財政的に成長を遂げてきたアトレティコ。同指揮官は、今後チームがさらに強化されていくと語る。

「アトレティコは成長のプロセスにある。私たちがここに到着したときは、コパやリーがに優勝したりと、チームの方がクラブよりも成長が早かった。だが、その後にはミゲル・アンヘル(・ヒル・マリンCEO)の手腕もあり、クラブも成長し始めた。チームよりも成長しているかもしれない」

「私たちには再び主役になりたいという意思がある。昨夏には6選手がやって来たが、今夏も同じだけの選手たちが到着することを期待しているよ。改善を求める以外の道はない。だからこそ私はここに残っている。できると分かっているから、もっと求めているんだ」

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